![]() | もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら岩崎 夏海ダイヤモンド社このアイテムの詳細を見る |
話題のドラッカー本、
「もし高校野球の女子マネジャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」を読んで、なるほど。と思った。
話題になるということは、「面白い」という口コミがあるからだ。
それを知りたくて手にとり、「面白い」理由を見つけることができた。
1つは、企画のアイデア。
このアイデアが生まれたきっかけについては、著者が「あとがき」で明らかにしている。
① ドラッカーの著書「マネジメント」
→「組織運営」について書かれた本。経営者や組織運営に携わるビジネスマン向け?
② 野球部の女子マネジャー
→野球部員の活動をサポートする存在。下働き的なイメージも。
一見すると異質なこの2つ要素を組み合わせるからこそ、そこに面白さが生まれるのだろう。堅苦しい組織運営の話を、甲子園を目指すという青春ストーリーに仕立てて読ませてしまう。
もうひとつ、なるほど。と思ったのは、ドラッカーの「マネジメント」を使ったことだ。
学校、企業、地域の団体などなど、人は何らかの組織と関わって生きている。
それぞれの組織のなかで、人との関係で悩んだり、活動がうまく進まなかったりと、たいてい問題にぶつかる。
組織運営の方法は、多くの人の共通の課題である。
つまり、幅広い読者層をねらえるといえる。
ドラッカーの「マネジメント」を読んだことがなくても、この本を読むと、「ドラッカーを読んだら、今、私が悩んでいる問題を解決するヒントがあるかもしれない」という気分になれる。ドラッカーの「マネジメント」を読んでみようという人も出るだろう。
ドラッカーの「マネジメント」を宣伝する本ともいえるが、顧客がお金を払って読んでもよいと思える宣伝は、そう多くはない。
読者としては気軽に楽しめ、本をつくる立場としても作り方の参考になる本だった。
