自己啓発の書籍って、どれも似たり寄ったり。
書いてあることは、基本的なことで理解はできるけど、
数冊読んでいると、「これって、前にどこかで読んだことある」と思ってしまう。
新しい発見が少ない気もする。
そんなこと、ありませんか?
東大の中原淳先生の書籍『働く大人のための「学び」の教科書』は、
タイトル通りの書籍。
すでに社会に出て、働いている人のために「学び方」を教えてくれる本です。
中原先生によると、大人の学びとは、『自ら行動するなかで、経験を蓄積し、次の活躍の舞台に移行することを目指して変化すること』
人生100年時代といわれる時代になり、
社会環境の変化や市場のニーズの変化に対応すること必要になっています。
そのために、大人になっても学びつづける必要があるけれど、その「学び方」をどうすればいいか。本書は、その指針を示してくれています。
本書の中で指摘されているポイントは、
よく考えてみると、当たり前のことかもしれません。
例えば、経験を学びに変える「振り返り」。
経験は、そのままにしておいては、学びにつながらないため、「振り返り」が重要になるのですが、その際に、3つの問いに考えを巡らすことが重要と説明されています。
3つの問いとは、
①What?(過去になにが起こったか)
②So What?(どのような意味があったのか。何が良くて、何が悪かったのか)
③Now What?(これからどうするのか?)
というもの。
自分で自分に問うことはなかなか難しいので、まず、他人から、SBI情報(Situation:状況、Behavior:態度、Impact:成果)をフィードバックしてもらう方法があります。つまり、「どこで、どんな時に、どんな行動をしたことが、良かったのか悪かったのか」を指摘してもらいます。そのSBI情報のフィードバックを材料にして、自分で振り返りの問いかけをしてみることが重要ということでした。
他の自己啓発本にも、似たような内容が書かれているかもしれませんが、
この本を読んで改めて気がついたのは、以前に手に取った本と似たような記述があろうがなかろうが、今、手に取っている本から、自分自身がよりたくさんの事柄をインプットできることが大事ということ。
似たような内容でも、内容の整理の仕方や、ポイントの出し方は、同じではありません。
本書は、「大人の学び方」が体系的に整理されて解説されていますので、頭の中で、ぼんやり置いてあったことが、引き出しに整理整頓されたような気持ちになりました。
働く大人のための「学び」の教科書