古本屋さんで見つけて、装幀の美しさと、最初の数ページに目を通して、即買いを決めた1冊
ヘンリー・ソローの「歩く」
講演のエッセイなので、ソローのお話を聞くような本でした。
人間と、社会と、動物と、自然と、生きること。
「歩く」をテーマに、それらについての考えが語られていきます。
『何よりも私たちは今を生きないわけにはいきません。 過去を思い出しながら過ぎ去りつつある今の生の瞬間を見失う、 そうしたことのない人こそ、本当に幸せな人です』
ソローの語りの一節です。
生きている「今」を大切にする そのことを、ついつい忘れてしまい、過去や未来のことを考えてばかりいるのではないか。 そんな問いが浮かんできました。
ソローは1862年に亡くなっており、晩年のエッセイなので、今からずいぶん昔に語られたことのはずですが、 まったく古くない。
時代は変わっても、大切なことは変わらないのかもしれません。
人と接触しないで、軽く身体を動かそうと、なるべく「歩く」ようにしていて、 お天気が良いと、ストレス解消にもなったり、歩くことの効用を実感していました。
「歩く」という行為を突き詰めて考えていくと、「生き方」みたいなものにつながっていくように思い、 とても興味深かったです。
傍らに置いておいて、時々、開いて、読み直したい1冊です。