子どもはもちろん、大人にお勧めしたい1冊。
スーザン・バークイの「わすれられないおくりもの」は、「死」をテーマにしている。
年老いたアナグマさんが亡くなる。アナグマさんが、どんなふうに亡くなるのか。
アナグマさんを慕っていた皆が、彼の死をどう受けとめるのかを描いている。
身近な人の死について考えると「喪失」という言葉が頭に浮かぶ。
亡くなった人に再び会ったり、話をすることは叶わなくなるからだ。
しかし、亡くなった人が遺していった「おくりもの」に気づくと、悲しさや寂しさだけでなく、少し異なる気持ちが沸いてきそうだ。
一方、自分自身の死について考える時、それを迎える瞬間まで、どう生きてるかが課題になる。
生きていくということは、自分に関わりのある人に「おくりもの」をつくっていくことなのかもしれない。
その「おくりもの」が、誰かにとっては「忘れられない」ものになることもあるだろう。