夢七雑録

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37.平から棚倉へ

2008-10-15 22:24:38 | 巡見使の旅
(158)享保2年9月6日(1717年10月10日)。
 平では飯野八幡を参詣する。平には、岩城忠治古舘ありと記す。そのあと、茂木稲荷のある御厩を経て湯本に出る。湯本に五十一坪の湯坪ありとし、また釈迦堂ありと記す。湯長谷、野田、住吉を通り小名浜にて休憩。ここから、八幡宮や岩城判官兼氏城跡のある泉を過ぎ、植田に出て泊まる。行程は七里半である。

(159)同年9月7日。
 植田から、地蔵堂のある下山田、国上明神のある下瀧を経て、上遠野に出て泊まる。行程は三里余。ここに上遠野大炊頭籠城でのち駒木野右近将監持ちの八塩城ありと記す。

(160)同年9月8日。
 諏訪明神のある根岸を通り、大平を経て石住で休憩。そのあと下松川から上松川に出る。竹貫三河の椚舘のほか、陣場館ありと記す。この日の行程は六里、竹貫に泊まる。

(161)同年9月9日。
 田口半兵衛古館のある田口、義家の八幡舘のある鎌田を経て、観音堂のある宝木で休憩。玉野から上遠野美濃守の中丸一本木館のある上台を経て棚倉に出る。入口に芦名盛氏築城の赤館及び宇賀明神ありと記す。この日の行程は六里、棚倉に泊まる。巡見使一行が4月1日に最初の巡見場所として訪れた関山満願寺は、ここから四里の距離にある。はるばる蝦夷の松前まで行き、そして今ようやく、ここまで戻ってきたのである。


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