井之頭池をかいぼりしてから時間が経つので、その後、どうなったのか見に行った。ひょっとして池の底を泳ぐ小魚が見えるのではと思い、池を巡りながら所々で池の中を覗いてみる。しかし、小さな魚の姿など見当たらない。かいぼりを行わなかった弁天池と比較して良くなったのかどうか、定かには分からない。池の底が見えるほど透明になるのはまだ難しそうだが、それでも、投棄された自転車などが引き上げられ、外来種も除去されているので、かいぼりの意味はあったのだろう。井の頭池を一周したあと、万助橋に出て風の散歩道を歩く。ネーミングばかりでなく、通りの佇まいも洒落た散歩道になっている。玉川上水沿いが緑のカーテンになっているのも好もしい。
散歩道の途中に山本有三記念館がある。今回は入館せずに先に行くが、門や建物の景観は風の散歩道に相応しい姿である。道を先に進むと、歩道の傍らにさりげなく玉鹿石が置かれている。その先には百日紅の下のポケットパーク。植え込みには太宰のモニュメントも見える。散歩道をさらに進めば程なく三鷹駅となる。ここからは中央通りを南に、散策にはもってこいの道を歩く。三木露風の赤とんぼの碑、武者小路実篤の地球を支える手、太宰治と亀井勝一郎の本のレリ-フ、山本有三の少年の像。そこかしこに置かれている文学碑を眺めながら歩き、連雀通りに出て右に折れれば禅林寺。その隣が八幡大神社である。三鷹駅を起点に成蹊けやき並木を通り、井の頭池を巡り、風の散歩道を歩き、中央通りを抜け、八幡大神社から野崎八幡に出るルートは、井の頭深大寺コースの別ルートという事になるのだろう。