夢七雑録

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参詣道を歩く(2)「新井薬師」

2012-01-27 21:31:29 | 寺社巡拝

 鍋屋横丁で青梅街道と交差し南北に通じる道は、鎌倉街道と言われている。この道を鍋屋横丁から北に向う道は、新井薬師の参詣道でもある。先に進むと道は下り坂となり、暗渠化された桃園川の上に作られた緑道を通り過ぎる。大久保通りを越えると、道は上り坂となって紅葉山公園の横を通り、五差路を過ぎると、道はまた下りとなる。中央線のガードをくぐって、次の信号を左に入ると、北野神社の前に出る。

 神社の左側の角を曲がって、昔の道らしい道を上がり、北に向かうと早稲田通りに出る。早稲田通りを渡れば薬師柳通りとなる。江戸時代には新井薬師の参道だったのだろうが、今は普通のバス通りになっている。この通りを進むと、新井薬師に出る。

 新井薬師は目の薬師、子育ての薬師として信仰を集めた寺であり、青梅街道の鍋屋横丁から入る参詣道のほか、現・早稲田通りの道筋を通るルート、川越街道の上板橋から来るルート、清戸道の練馬から来るルートなど、各地からの参詣道が通じていた。今では、最寄り駅の西武新宿線新井薬師前駅から商店街を通る道が参詣道ということになるのだろうが、中野駅も歩いて行ける圏内にあり、サンモール、ブロードウエイを抜けて、薬師あいロードを歩いて行く道は、現代の参詣道と言えるかも知れない。

 新井薬師からは、練馬から来る参詣道、新井薬師道をたどる。新井薬師裏手の新井薬師公園を抜け中野通りを左に行き五差路に出る。ここを右に折れて新井天神通りを歩き、中野刑務所の跡地に作られた平和の森公園に行く。この公園は下水処理を兼ねた防災公園で、スポーツ施設のほか古墳時代の復元住居もある。公園東側の道を下って妙正寺川を渡り、西武新宿線沼袋駅の踏切を渡る。商店街を通り、坂を上がると右側に丸山塚公園がある。新青梅街道を渡ると道は下りとなり、暗渠化された中新井川の上に作られた緑道に出る。中新井川は学田公園付近に発し千川上水からの助水を入れて流れ、下流は江古田川と名を変えて妙正寺川に流れ込んでいた川だが、今は、源流部から下徳田橋までが暗渠になっている。

 中新井川の緑道を過ぎると道は上りとなる。環七を越えると、その先に豊中公園があり、道路に面して新井薬師道の標柱と説明板が置かれている。豊中公園を過ぎると、道は目白通りに出る。交差点の向こう側、斜めに入る道が新井薬師道の続きである。交差点を渡って、続きの道を進むと千川通りに出る。新井薬師の参詣道はここまでである。交差点を北に行くと練馬駅の西口に出るが、今回は、千川通りを西に進み、目白通りとの交差点を渡って、桜並木のある北側の歩道を中村橋駅まで歩く。


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