ゆるい感じで。

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出会いは森の中で(1)(子世代)

2011-05-05 02:16:08 | 子世代妄想
ご注意!これはガウリナの子供が主役の話だったりします。駄目な方はお戻り下さいませ。

ちなみに、詳しい設定とかはカテゴリの「子世代妄想」からどうぞ(´ω`)

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「ラウディ兄さん、お腹が空いたわ」
妹のレオナが心底疲れた声を出した。
「我慢だ。男は我慢!」
「わたしは男じゃないもん」
「....今からお前は男だ!」
「えええええっ」
「良いから歩け!」
不毛なやりとりを続けながら、ひたすら歩く。
確かに、昨日から道が複雑な森に入ってしまい、まともな昼食にはありつけていなかった。保存食も尽きてるし...
──すまん妹よ。

盗賊でも現れてくれれば、アジトを突き止めて食い物奪って逃げるんだが...
「兄さん、今物騒な事考えたでしょ」
レオナがジト目でオレをにらむ。
──するどい。
「ははは...」
長い金髪を掻き上げて、レオナが父さんそっくりにため息を付いてみせた。
「まーったく、兄さんって人は乱暴なんだから」
「...お前だって、キレると誰彼構わず魔法ぶっ放そうとするだろ」
「...えへ」
──実の兄にかわいこぶるんじゃあないっ!

「あー、だめだわ。兄さんと無駄な会話してたら体力使っちゃった...」
「お前なかなか辛辣だよな...」
普段は穏やかな妹だが、空腹時はちょっと(いやかなり)辛辣になるのがたまに傷である。
「お腹空いたよー」
「言うな、哀しくなって来るだろ」

それからしばらく、黙って歩く。
このまま森から出られないんじゃなかろうか...そう思い始めた時、前方に人影が現れた。
「..兄さんっ!」
レオナの緊迫した声に、オレはソレが人間では無いことに気が付いた。

...レッサーデーモンである。
──なんでこんな所でっ!
普段だったらこんな低級魔族、楽勝とまでは言わないが気を抜かなければ倒せる。
...が、一日歩き通しで、しかも空腹状態。
しかし、出会ったからには戦わなければなるまい。
「行くぞ...」
言って、オレは腰の剣を引き抜いた。
母から貰った無銘の魔力剣である。残念ながら純魔族には使えないが、ある程度の低級魔族になら太刀打ち出来る。

オレが剣を構えると、デーモンはオレ達に気付いてうなり声を上げた。
レオナがオレの後ろで「力ある言葉(カオスワーズ)」を唱え始める。

「...はっ!」
オレは気をはいてダッシュをかけた。
真正面から斬りかかる、と見せ掛けて横に回り込む。
「だああっ」
振りかぶった一撃は、デーモンの鉤爪にがっきりと受け止められる。
「ちっ...」
舌打ちして間合いを取った。

「ぐるあああああっ!」
デーモンの咆哮が森の中に響いた。
それと同時に何本かの炎の矢が眼前に出現する。

オレは危機一髪のところで身を交わした。顔のすぐ横を炎の矢が飛んで行く。耳元でひゅん、という音がした。
──あぶねぇっ!

その瞬間、後ろからレオナの声が響く。
「氷結弾(フリーズ・ブリッド)!」
光弾がデーモン目掛けて飛来する。
オレはすぐさま飛び退いた。

びきびきびきっ

デーモンが氷付けになっていく。
オレはとどめ、とばかりに剣を振りかぶった。

「兄さんっ!」
レオナの焦ったような声に、オレは慌てて振り向き、気が付いた。
...もう一つの気配に。


つづく

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次回に続いちゃいます(^_^;)
今のところラウディ兄さん良いとこ無しですね(笑)


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