ゆるい感じで。

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出会いは森の中で(2)(子世代)

2011-05-05 18:22:56 | 子世代妄想
これは「出会いは森の中で(1)」の続きです(´ω`)

ガウリナの子供が主人公なのでご注意を!

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振り向けばもう一匹、レッサー・デーモンがオレたちに向かって来ていた。
「な...なんで二匹もっ」
レオナが息を飲んだ。

普通、森の中とは言え野良デーモンに出くわすことはあまりない。特に連続で二匹とは...
どこかにコイツらを召喚した奴がいるのだろうか?

「と、とにかく行くぞ!」
オレはこちらに来るデーモンに向かって剣を構え直した。
途端、視界が揺れる。
──...っ!

体力の限界だった。
丸一日歩き通しで、ろくに食べ物を口にしていないのだ。
しかし、今倒れたら死あるのみ。
「ぐっ..!」
オレはなんとか自分に活を入れて、デーモンにダッシュをかける。

「くらえっ」
振りかぶった愛剣を一閃。
「ぐるあああっ!」
デーモンが苦痛の声をあげる。
しかし、今の一撃はデーモンの腹を薙いだものの、致命傷とはならなかった。
怒り狂ったデーモンが鉤爪のついた腕を振り回す。
オレはそれを軽いステップで避けようとして...躓いた。
「あ...っ」

「塵化滅(アッシャー・ディスト)!」
すんでの所で、レオナの呪文がデーモンに炸裂した。
デーモンは声をあげる暇すらなく塵と化す。

「あ、あ、危なかった...」
オレは思わずその場に膝をついた。
「はあ..」
レオナもその場にへたり込む。

今のは危なかった。
天才一流魔剣士を自称するオレだが、さすがに空腹と疲労には勝てない。妹に助けられて、良いとこ無しである。

「もう出てこないよな...?」
「兄さん、縁起悪いこと言わないで...」
二人してため息をつく。
早いとここの森を抜け出さなければ。何か嫌な予感がする。

しばらくしてから立ち上がろうとして、オレは目を疑った。
「嘘だろ..」
「?」
オレの言葉に顔を上げたレオナも、また絶句する。
レッサー・デーモンが三匹。...向こうからやって来る。
──なんだってんだ!

オレは小さく口の中で呪文を唱えながら、剣を構えた。
後ろでレオナも呪文を唱え始める。

レオナの呪文が先に完成した。
「地精動(ベフィス・ブリング)!」
瞬間、デーモンが三匹動きを止める。
地精に干渉して、デーモンの足元に穴を掘ったのだ。
──ナイスっ!

オレは地を蹴った。
一匹のデーモンに狙いを定め、剣を振るった。

ぐぐっ

相手の懐に潜り込み、剣を突き刺す。
「グアアアアっ」
苦痛の声を無視して、オレは呪文を完成させた。
「雷撃(モノヴォルト)!」

「ガッ...!」
相手は声も無く事切れた。
──まず一匹。

振り向けば、あとの二匹は穴から自力で脱出していた。
「ちっ..」
意外に早い。

「氷の矢(フリーズ・アロー)!」
レオナの声が響き、オレはデーモンたちから飛び退いた。
無数の氷の矢がデーモンに向かって飛んで行く。
「ぐるあああああ!!」
デーモンは叫ぶと、無数の炎の矢をレオナに向けて放った。
氷の矢と炎の矢がぶつかり合い、相殺される。
──ちちぃっ!
レオナの魔法にいつものキレがない。どうやら妹も相当疲れているようだ。

オレはもう一度剣を構え直した。
「もう一度...!」


その時。
「雷撃破(ディグヴォルト)!」

澄んだ声が響き、一条の雷が一匹のデーモンを貫いた。
これは「雷撃(モノヴォルト)」の強化版だ。これを食らったらひとたまりもないだろう。
デーモンはぴくりとも動かなくなった。

声の主はレオナではない。
振り向くと、森の繁みから見知らぬ女性が現れた。声の主は彼女だ。

そして。
「正義は勝ーつっ!」
どこからともなく現れた一人の青年(?)が、最後の一匹をぶん殴った。
──でええっ!?

いくらなんでも、人間が殴ったくらいで、デーモンには痛くも痒くもない...筈なのだが。
デーモンはパンチを食らって吹っ飛んだ。
おいおいおい...

「塵化滅(アッシャー・ディスト)!」
トドメ、とばかりにもう一度女性が呪文を唱える。
デーモンは塵と化し、この場の戦いは幕を閉じたのだった...。


続く

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長くなりましたが、次回に続きます!


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