どもです。本日の800字です。
夏ネタでねばる…!(好きなので)
自転車二人乗りする幼なじみ~なガウリナです。
-----------------------------------------------------------
自転車の二人乗り。教師に見つかったら怒られるから、暫く並んで歩いて学校から離れてから。あたしの自転車なのに、前に乗るのはいつもガウリイだ。……ま、ガウリイのが漕ぐの早いから良いんだけど。
放課後、まだ明るい空の下で坂道を自転車で駆け降りる。前髪を弄る風が心地いい。けど、目の前のガウリイの長い金髪が、時々あたしの顔に掛かるのはいただけない。
――高校三年の夏の終わり。ガウリイが剣道部を引退してから、こうして二人で自転車に乗る事が増えた。それは、嬉しいような気もするし、なんだか寂しいような気もする。こんな事が出来るのは、きっとあと少しだろうから。
風に乗りながら自転車のハンドルを握るガウリイの、その腰にぎゅっとしがみついて背中に額を寄せる。夏の匂いがする。あたしより少し高い体温の彼に、ひっついているのは少々暑苦しくて、だけどもう少しだけこのままでいたくて。……まだ、家に着かないで欲しい。なんて。
「リナぁー」
間延びした声であたしを呼ぶ、彼の声がなんだか楽しげだった。
「何よ?」
「さっきさ、アメリアが。今度ゼルも呼んで四人で遊びに行こうってさ」
「良いじゃない。行先候補は?」
「んー、知らん。こういうのはお前さんのが詳しいんじゃないのか?」
「何よそれ~。ふわっとしてるわね」
まあ、気持ちも分からなくはないけど。……気が合う仲間が一緒なら、行先がどこだって楽しいに決まっている。だから、本当は近所のファミレスだって良いのだ。たぶん。
「まあアメリアの事だから、絶対候補の一つや二つ決まってるわよ。明日あの子捕まえて吐かせなきゃ」
「吐かせなくても自分から言うだろ……」
「言葉の綾よ、綾」
「ふうん?」
分かっていない声で適当な返事を返してきたガウリイに、あたしは軽く頭突きをお見舞いしてやった。それでも揺れることもなく、軽快に風を切っていく自転車。それは時折ちりん、と軽い音を立てて。
信号前でようやく止まると、近くの木の葉の影が彼の背中をまだらに染めていた。――夏だなあ。
思わず見上げた空は真っ青に輝いていて、あたしはその眩しさに思わず目を細めた。
放課後、まだ明るい空の下で坂道を自転車で駆け降りる。前髪を弄る風が心地いい。けど、目の前のガウリイの長い金髪が、時々あたしの顔に掛かるのはいただけない。
――高校三年の夏の終わり。ガウリイが剣道部を引退してから、こうして二人で自転車に乗る事が増えた。それは、嬉しいような気もするし、なんだか寂しいような気もする。こんな事が出来るのは、きっとあと少しだろうから。
風に乗りながら自転車のハンドルを握るガウリイの、その腰にぎゅっとしがみついて背中に額を寄せる。夏の匂いがする。あたしより少し高い体温の彼に、ひっついているのは少々暑苦しくて、だけどもう少しだけこのままでいたくて。……まだ、家に着かないで欲しい。なんて。
「リナぁー」
間延びした声であたしを呼ぶ、彼の声がなんだか楽しげだった。
「何よ?」
「さっきさ、アメリアが。今度ゼルも呼んで四人で遊びに行こうってさ」
「良いじゃない。行先候補は?」
「んー、知らん。こういうのはお前さんのが詳しいんじゃないのか?」
「何よそれ~。ふわっとしてるわね」
まあ、気持ちも分からなくはないけど。……気が合う仲間が一緒なら、行先がどこだって楽しいに決まっている。だから、本当は近所のファミレスだって良いのだ。たぶん。
「まあアメリアの事だから、絶対候補の一つや二つ決まってるわよ。明日あの子捕まえて吐かせなきゃ」
「吐かせなくても自分から言うだろ……」
「言葉の綾よ、綾」
「ふうん?」
分かっていない声で適当な返事を返してきたガウリイに、あたしは軽く頭突きをお見舞いしてやった。それでも揺れることもなく、軽快に風を切っていく自転車。それは時折ちりん、と軽い音を立てて。
信号前でようやく止まると、近くの木の葉の影が彼の背中をまだらに染めていた。――夏だなあ。
思わず見上げた空は真っ青に輝いていて、あたしはその眩しさに思わず目を細めた。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます