ゆるい感じで。

「スレイヤーズ」のガウリナメインの二次創作ブログサイトです。原作者様、関係者様には一切関係ございません。

嵐の日。(ガウリナ)

2020-10-11 18:48:02 | スレイヤーズ二次創作
どもです。本日の800字です~。
ていうか竜斬破の香水が出たの知ってます…!?
とんでもないグッズが出ましたね~~。待ってました……買います…

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「はぁー、ほんと嫌になっちゃうわね」
 慌ただしく宿の部屋に足を踏み入れながら、あたしとガウリイは背負っていた荷物を絨毯の上に放り出す。重みから解放された肩を回して、濡れて額に張り付いた前髪を掻き上げた。その拍子に、ぽたぽたと水滴が床に滴る。
 ――突然の雨。それも、大嵐。
 急なそれに慌てたあたし達は、とりあえず近くにあった宿に駆け込んだのだ。この嵐の中、森を抜けて次の街を目指すのは流石に無理というものであった。
「しっかし、一つでも部屋が空いてて良かったなあ」
「まあ、こんな雨の中野宿するのに比べたら、二部屋取れなくても文句は言えないわね」
 やれやれと首を振るあたしに、旅の連れはにっと笑う。
「この宿、下に広い大浴場があるんだろ? 落ち着いたら後で行ってみようぜ」

 暖炉に魔法の火を付ける。徐々に部屋の温度が上がっていくのに合わせて、身に着けていたモノを一つ一つ脱いでいく。濡れて張り付いて気持ちの悪かった手袋に、水の入ってしまったブーツに、マントに……。と、その横で、ガウリイががばりと上着を脱いで上半身裸になってしまう。
 ――……。
「ん、どうした?」
 あたしの視線に気づいたのか、小首を傾げるガウリイ君である。
「……貴方よく普通に脱げるわね」
「オレの裸なんて見慣れてるだろ?」
 さらり。まるで何てことないようにそう言い放った彼に、あたしはカッと顔を赤くした。
「誤解を招く発言をするなっ!!」
「ええ~? だって……」
 確かに。確かに一緒に旅をしているのだから、やむを得ず海に飛び込んだりとか、野宿の時に川で身体を清めたりとか。そういう時に見てしまった事があるのは否定しないけど!
「リナも脱がないと、その濡れた服ずっと着てたら風邪引くぞ」
 のほほんとそう言い放つガウリイには、デリカシーというものが無い。くうう、この唐変木。
「分かってるわよ」
「ほら、あっち向いててやるから」
 さっさとふんどし一丁になってしまって、暖炉の前に身を寄せる彼をジト目で睨む。
「……見たら殴るわよ」
「安心しろって。オレはリナの『自称保護者』だぞ?」
「『自称』ってとこが問題なのよ」
 実際、本当にガウリイを怪しんでなんていないけど。――けど、恥ずかしいもんは恥ずかしいっての。
 ため息一つ。観念して脱ぎ始めたのは、それから暫く経ってからだった。



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