子世代小説が途中ですが、ここでガウリナSSです。
いつになく乙女なリナちん。
慢性的ガウリナ不足(´・ω・`)
-------------------------------------------------
人気の無い森の道を、いつものように二人で歩く。
ぽかぽか陽気で絶好の散歩日和。ついでに、道を点々と照らす木漏れ日が美しい。
最近、ガウリイとの関係が少し変わった。
今までもガウリイはあたしにとって大切な相棒だったのだけれど、それに「恋人」という要素が加わったのだ。
隣に居るのは当たり前だったし、お互いなんでも知っていると思っていた。
あたしの中で、ガウリイという存在はもう100パーセント満ち足りていた。......そのつもりだった。
「......足りない」
「ん?」
ぽそり、と呟いた独り言に、隣に居るガウリイが返事を返した。
「ん、なんでもない」
笑って言えば、ガウリイも微笑み返した。
なんでもないやり取りに、じり、と胸の奥が焦げ付く音がする。
隣に居るのに、もっと近づきたくなる。隣にいない時間がやけに長く感じる。手を繋いでいてももっと触れて欲しいと思う。けど、そんな事言えない。
──日に日に、あたしの中でガウリイが足りなくなって来ている気がする。
四六時中一緒にいるんだから、そんなはずはないのだ。
あたしは欲張りなのだろうか。
よく分からなくて、最近もやもやしっぱなしだ。
そんなあたしに気付いていないだろうガウリイは、今日も機嫌良く隣を歩いている。それがなんだか腹立たしくて、あたしはガウリイの腕をちょっとつねった。
「いでっ、何すんだよリナ」
「べっつにぃ~」
ぷい、とそっぽを向いてみせれば、ほっぺたを指でつつかれた。
「腹でも減ってるのか?」
「......」
「リナぁ~」
──別にお腹が減ってるわけではない。けど、なんて言えば良いか分からない。
ガウリイが、足りないのだ。
そのまま黙っていると、彼はあたしの頭をくしゃりと撫でた。
「リナ、黙ってちゃオレには分からんぞ。頭の方にはあんまり自信無いからな」
「自分で認めちゃうのね......」
ちょっと呆れてから、あたしは笑った。
「別に、ちょっとちょっかいかけたくなっただけよ」
我ながら子供みたいである。
いたたまれない気持ちになっていると、とーとつにあたしはガウリイに持ち上げられた。
「え?」
ぐるっと一回転してあたしを降ろす。次いで、あたしをぎゅっと抱きしめ......ってちょっと待て。
「ちょっとガウリイ!き、急に何しちゃってんのよ!?」
慌てて押しのけると、ガウリイは笑ってあたしの頭をぐりぐりした。
「いや、オレは急にリナを構い倒したくなっただけだ」
──なんだそれは!
「なんだか寂しそうな顔してたからな、リナ。オレはお前さんにそんな顔をさせるのは本意ではない」
ニコニコしながらそう言われて、あたしは言葉に詰まった。顔もたぶんちょっと赤い。
──だけど。
頭を乱暴になでたり、あたしを持ち上げて振り回したり。まるで小さい子を可愛がるみたいな構い方である。
そーゆーのは望んでないやいっ!
「だからって子供扱いしないでよねっ!」
抗議の声を上げれば、彼はしばらくきょとんとしてから、ニヤリと笑った。
「じゃ、思いっきり恋人扱いして良いか?」
「え......?」
その瞬間、空気ががらりと変わった。
ガウリイのあたしを見る視線も、あたしの頭を撫でる手つきも。
優しいのに、それだけじゃない何かがあって、急に怖くなる。
頭に載せていた彼の手が滑り落ちて来て、髪を弄ばれる。それだけで、もう苦しい。
ガウリイの指が、ゆっくりあたしの唇をなぞった。
「......っ!」
「リナ、キスして良いか?」
──なんで、そういう事を、口に出すかなこひつはっ!
あたしの反応に、ガウリイはくすくす笑う。
「面白いなー、リナは」
笑い方までさっきと違う。
心臓がばくばく音を立て始めて、頭がくらくらして来た。なんだか溺れてるみたい。
ふいにガウリイの顔が近づいてきて、あたしは慌てて目を閉じた。
──キス、される?
まだ数える程しかしていないキスを待つ。
だけど、なかなか来ない。
じれて薄目を開けたら、至近距離に碧い瞳があって、思わず飛び退きそうになった。
「ひやぁっ」
「あ、こらっ」
ぐい、と肩を掴まれて、そのままキスされる。
触れるだけのキスなのに、なんだか、もう......っ
さっきまで、ガウリイが足りなくてたまらなかったのに、今は。
ガウリイで溢れて、溺れそう。
「おい、リナ大丈夫か?」
本格的にくらくら来てしまったあたしに、ガウリイが慌てた顔をした。
「だ、大丈夫。ちょっとまだこーゆーの慣れないから......」
はうっ、と息を吐いて呼吸を整える。
触れるだけのキスで倒れそうになるなんて、我ながら情けないったら。
「あー、悪かったな。調子乗っちまった」
面目なさそうに頭をかくガウリイは、もういつもの彼で。ほっとした。......と、同時にちょっと残念な気にもなる。
また、いつもの空気に戻って行く。
「ちょっと休んでから行くか?」
「いや、良いわよ。歩ける」
「そうかあ?」
心配げなガウリイは、もう保護者な顔をしている。
それが気に入らなくて。
「......じゃあ、手、つないでよ。今だけ」
差し出した手を、彼は迷わず取って、指を絡めた。──恋人つなぎ。
それだけで気をよくして、あたしは自分でも足取りが軽くなるのを感じていた。
......我ながら単純だ。
けど、これがあたしの恋心って奴なのかもしれない。
──なんちゃって。
終わり
-------------------------------------------------
甘々を目指してみました!恥ずかしい!!(笑)
いつになく乙女なリナちん。
慢性的ガウリナ不足(´・ω・`)
-------------------------------------------------
人気の無い森の道を、いつものように二人で歩く。
ぽかぽか陽気で絶好の散歩日和。ついでに、道を点々と照らす木漏れ日が美しい。
最近、ガウリイとの関係が少し変わった。
今までもガウリイはあたしにとって大切な相棒だったのだけれど、それに「恋人」という要素が加わったのだ。
隣に居るのは当たり前だったし、お互いなんでも知っていると思っていた。
あたしの中で、ガウリイという存在はもう100パーセント満ち足りていた。......そのつもりだった。
「......足りない」
「ん?」
ぽそり、と呟いた独り言に、隣に居るガウリイが返事を返した。
「ん、なんでもない」
笑って言えば、ガウリイも微笑み返した。
なんでもないやり取りに、じり、と胸の奥が焦げ付く音がする。
隣に居るのに、もっと近づきたくなる。隣にいない時間がやけに長く感じる。手を繋いでいてももっと触れて欲しいと思う。けど、そんな事言えない。
──日に日に、あたしの中でガウリイが足りなくなって来ている気がする。
四六時中一緒にいるんだから、そんなはずはないのだ。
あたしは欲張りなのだろうか。
よく分からなくて、最近もやもやしっぱなしだ。
そんなあたしに気付いていないだろうガウリイは、今日も機嫌良く隣を歩いている。それがなんだか腹立たしくて、あたしはガウリイの腕をちょっとつねった。
「いでっ、何すんだよリナ」
「べっつにぃ~」
ぷい、とそっぽを向いてみせれば、ほっぺたを指でつつかれた。
「腹でも減ってるのか?」
「......」
「リナぁ~」
──別にお腹が減ってるわけではない。けど、なんて言えば良いか分からない。
ガウリイが、足りないのだ。
そのまま黙っていると、彼はあたしの頭をくしゃりと撫でた。
「リナ、黙ってちゃオレには分からんぞ。頭の方にはあんまり自信無いからな」
「自分で認めちゃうのね......」
ちょっと呆れてから、あたしは笑った。
「別に、ちょっとちょっかいかけたくなっただけよ」
我ながら子供みたいである。
いたたまれない気持ちになっていると、とーとつにあたしはガウリイに持ち上げられた。
「え?」
ぐるっと一回転してあたしを降ろす。次いで、あたしをぎゅっと抱きしめ......ってちょっと待て。
「ちょっとガウリイ!き、急に何しちゃってんのよ!?」
慌てて押しのけると、ガウリイは笑ってあたしの頭をぐりぐりした。
「いや、オレは急にリナを構い倒したくなっただけだ」
──なんだそれは!
「なんだか寂しそうな顔してたからな、リナ。オレはお前さんにそんな顔をさせるのは本意ではない」
ニコニコしながらそう言われて、あたしは言葉に詰まった。顔もたぶんちょっと赤い。
──だけど。
頭を乱暴になでたり、あたしを持ち上げて振り回したり。まるで小さい子を可愛がるみたいな構い方である。
そーゆーのは望んでないやいっ!
「だからって子供扱いしないでよねっ!」
抗議の声を上げれば、彼はしばらくきょとんとしてから、ニヤリと笑った。
「じゃ、思いっきり恋人扱いして良いか?」
「え......?」
その瞬間、空気ががらりと変わった。
ガウリイのあたしを見る視線も、あたしの頭を撫でる手つきも。
優しいのに、それだけじゃない何かがあって、急に怖くなる。
頭に載せていた彼の手が滑り落ちて来て、髪を弄ばれる。それだけで、もう苦しい。
ガウリイの指が、ゆっくりあたしの唇をなぞった。
「......っ!」
「リナ、キスして良いか?」
──なんで、そういう事を、口に出すかなこひつはっ!
あたしの反応に、ガウリイはくすくす笑う。
「面白いなー、リナは」
笑い方までさっきと違う。
心臓がばくばく音を立て始めて、頭がくらくらして来た。なんだか溺れてるみたい。
ふいにガウリイの顔が近づいてきて、あたしは慌てて目を閉じた。
──キス、される?
まだ数える程しかしていないキスを待つ。
だけど、なかなか来ない。
じれて薄目を開けたら、至近距離に碧い瞳があって、思わず飛び退きそうになった。
「ひやぁっ」
「あ、こらっ」
ぐい、と肩を掴まれて、そのままキスされる。
触れるだけのキスなのに、なんだか、もう......っ
さっきまで、ガウリイが足りなくてたまらなかったのに、今は。
ガウリイで溢れて、溺れそう。
「おい、リナ大丈夫か?」
本格的にくらくら来てしまったあたしに、ガウリイが慌てた顔をした。
「だ、大丈夫。ちょっとまだこーゆーの慣れないから......」
はうっ、と息を吐いて呼吸を整える。
触れるだけのキスで倒れそうになるなんて、我ながら情けないったら。
「あー、悪かったな。調子乗っちまった」
面目なさそうに頭をかくガウリイは、もういつもの彼で。ほっとした。......と、同時にちょっと残念な気にもなる。
また、いつもの空気に戻って行く。
「ちょっと休んでから行くか?」
「いや、良いわよ。歩ける」
「そうかあ?」
心配げなガウリイは、もう保護者な顔をしている。
それが気に入らなくて。
「......じゃあ、手、つないでよ。今だけ」
差し出した手を、彼は迷わず取って、指を絡めた。──恋人つなぎ。
それだけで気をよくして、あたしは自分でも足取りが軽くなるのを感じていた。
......我ながら単純だ。
けど、これがあたしの恋心って奴なのかもしれない。
──なんちゃって。
終わり
-------------------------------------------------
甘々を目指してみました!恥ずかしい!!(笑)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます