お待たせしてすみません(>_<)子世代小説続きです!
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事件の解決は、何事もまず情報収集から始まる。これはオレの持論だ。
仕事として「リナ=インバース(仮)」の討伐の任を請け負ったからには、なんとしても捕まえねばなるまい。
ちなみに、今回の仕事はなかなか好条件で、良い稼ぎになりそうだった。街の金持ちが報酬を出してくれるらしい。期待大だ。
「ところでルシウス、お前リナ=インバースをよく知ってるのか?」
被害を受けたというマジック・ショップに向かう道すがら、ルシウスに尋ねると彼は表情を明るくした。
「直接会った事はありません。でも、母からよく彼女の話を寝物語に聞かせてもらったんです」
「お母さんから......?」
ずい、と後ろからレオナが顔を出してくる。
「え、ええ。昔、母はリナ=インバースと共に旅をした事があると言ってました。確かに破天荒な人だったらしいですが、決して悪人ではなかったと......。母の昔話は本当に面白くて、わくわくしながら聞いていたのを覚えています」
「へええ」
興味津々で相槌を打つレオナに、ルシウスは顔を赤くした。
──確かに、この少年の母親くらいの年齢なら、母さんと一緒に旅した事があってもおかしくないかもしれない。まだ本当かどうかは分からないが......。
「あ、あの。お二人はどうなんですか?」
「まあ、オレたちも似たようなもんだ。だから、ルシウスの意見に同意するよ」
敢えて言葉を濁した。とりあえず、オレたちがリナ=インバースの子供だという事は、黙っていた方が良さそうである。
「ありがとうございます......!」
嬉しそうにはにかむルシウスの笑顔には幼さが垣間見えた。こいつは、見た目よりもっと若いのかもしれない。神官見習いで、出身はサイラーグと聞いた。アトラスにはどんな理由で来ているのだろうか......。
しばらく考えていると、ルシウスがオレの肩をちょんちょんとつついた。
「ん?」
「あの......」
後ろのレオナに聞こえないような、囁くような声で話し掛けてくる。
真剣な表情に、思わず姿勢を正した。
「ええっと、その、お二人は......どういった関係なんですか?」
「はぁ?」
拍子抜けして、ずっこけそうになる。
「お二人で旅してるんですから、やっぱり恋人......?」
「い、いやいや、オレたち兄妹だから!兄妹!」
慌てて否定すると、ルシウスは目を見開いた。
「御兄妹ですかっ!......あんまり似てないんですね」
──ほっとけ。
「でも、なんでそんな事を?」
「い、いえ、少し気になって......すみません」
突っ込むと赤くなって俯くルシウスに、オレはにやにやしてしまう。
──分かりやすい奴め。
ちらりとレオナを見れば、妹は街を眺めて歩きながら、鼻歌を歌っていた。いつもながら呑気な事だ。
「......あいつはたぶん一筋縄じゃあ行かないと思うぜ」
肩を竦めて言えば、ルシウスはびっくりしたように顔を上げた。
「え......っ」
──気付いてないとでも思っていたのだろうか。バレバレだっつうの。
「まあ、頑張ってみてくれ。簡単には行かないと思うが」
レオナの外見に釣られて、後に撃沈した数多くの男たちを思い出しながら言えば、少年は目を輝かせた。
「ラウディさん......!」
「ん?」
ガシィッと両手を取られる。
「お義兄様とお呼びしても?」
「ヤメテクダサイ」
続く
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次回に続きます~!
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事件の解決は、何事もまず情報収集から始まる。これはオレの持論だ。
仕事として「リナ=インバース(仮)」の討伐の任を請け負ったからには、なんとしても捕まえねばなるまい。
ちなみに、今回の仕事はなかなか好条件で、良い稼ぎになりそうだった。街の金持ちが報酬を出してくれるらしい。期待大だ。
「ところでルシウス、お前リナ=インバースをよく知ってるのか?」
被害を受けたというマジック・ショップに向かう道すがら、ルシウスに尋ねると彼は表情を明るくした。
「直接会った事はありません。でも、母からよく彼女の話を寝物語に聞かせてもらったんです」
「お母さんから......?」
ずい、と後ろからレオナが顔を出してくる。
「え、ええ。昔、母はリナ=インバースと共に旅をした事があると言ってました。確かに破天荒な人だったらしいですが、決して悪人ではなかったと......。母の昔話は本当に面白くて、わくわくしながら聞いていたのを覚えています」
「へええ」
興味津々で相槌を打つレオナに、ルシウスは顔を赤くした。
──確かに、この少年の母親くらいの年齢なら、母さんと一緒に旅した事があってもおかしくないかもしれない。まだ本当かどうかは分からないが......。
「あ、あの。お二人はどうなんですか?」
「まあ、オレたちも似たようなもんだ。だから、ルシウスの意見に同意するよ」
敢えて言葉を濁した。とりあえず、オレたちがリナ=インバースの子供だという事は、黙っていた方が良さそうである。
「ありがとうございます......!」
嬉しそうにはにかむルシウスの笑顔には幼さが垣間見えた。こいつは、見た目よりもっと若いのかもしれない。神官見習いで、出身はサイラーグと聞いた。アトラスにはどんな理由で来ているのだろうか......。
しばらく考えていると、ルシウスがオレの肩をちょんちょんとつついた。
「ん?」
「あの......」
後ろのレオナに聞こえないような、囁くような声で話し掛けてくる。
真剣な表情に、思わず姿勢を正した。
「ええっと、その、お二人は......どういった関係なんですか?」
「はぁ?」
拍子抜けして、ずっこけそうになる。
「お二人で旅してるんですから、やっぱり恋人......?」
「い、いやいや、オレたち兄妹だから!兄妹!」
慌てて否定すると、ルシウスは目を見開いた。
「御兄妹ですかっ!......あんまり似てないんですね」
──ほっとけ。
「でも、なんでそんな事を?」
「い、いえ、少し気になって......すみません」
突っ込むと赤くなって俯くルシウスに、オレはにやにやしてしまう。
──分かりやすい奴め。
ちらりとレオナを見れば、妹は街を眺めて歩きながら、鼻歌を歌っていた。いつもながら呑気な事だ。
「......あいつはたぶん一筋縄じゃあ行かないと思うぜ」
肩を竦めて言えば、ルシウスはびっくりしたように顔を上げた。
「え......っ」
──気付いてないとでも思っていたのだろうか。バレバレだっつうの。
「まあ、頑張ってみてくれ。簡単には行かないと思うが」
レオナの外見に釣られて、後に撃沈した数多くの男たちを思い出しながら言えば、少年は目を輝かせた。
「ラウディさん......!」
「ん?」
ガシィッと両手を取られる。
「お義兄様とお呼びしても?」
「ヤメテクダサイ」
続く
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次回に続きます~!
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