一関市東山町松川にある「石と賢治のミュージアム 太陽と風の家」では、町内在住の佐藤郁子さんの「手作りひな人形展」が開催されています。
布びな、はまぐりびな、たまごびな、テープびななどが雛壇に並べられ、なかでも布びなは郁子さんが幼少の頃に袖を通した着物や思い出に残る着物や帯を利用したもので今回は16組展示されています。
ほかにも友人に30組、まだ飾っていないものも20から30点もあるそうです。
3年ぐらい前から作り始めたそうですが、秋冬の夜長を使い1組作るのに布合わせから4、5日はかかるといいます。
おひな様の着物の生地はすべて絹。
母親からゆずられたという黒い帯はペンタックスという手描きの模様入りで、飾る姿も思い出深そうでした。
郁子さんの一番のお気に入りのおひな様は、子どもの頃に着た「辻が華」という素材の帯をほどいて作ったこちらのおひな様です。
辻が華・・・室町末期から桃山時代にかけて現れた絞り染めと墨書きによる染模様のことをいいます。幻の染め物といわれる辻が華は江戸時代になると姿を消しましたが、近年は訪問着や染帯に用いられています。
三人官女の着物は「紅絹(もみ)」という生地で、とても軽い素材です。
紅絹(もみ)・・・もともとは紅花で赤又は緋色に染めた練織物の平絹のことです。昭和初期までは若い女性の上等な着物の胴裏に用いられていましたが、現在ではほとんど見かけられません。
十二単のように重ねた襟元の細かい作業も感心するのですが、着物の裏側にも気を配られていました。
屏風や雪洞(ぼんぼり)も手作りで屏風の表と裏の紙には同町の特産品「東山和紙」を使用するというこだわりよう。
幼い頃に着た着物や着なくなった着物や帯をなにかに変えて一年に一回出して思い出に浸るのが好きと語る郁子さん。
「何かを手作りしていると癒される。来年は違う形のおひな様に挑戦したい。」と目を輝かせていました。
期間 3月6日まで
時間 10:00~17:00
休館日 2月21日、28日の月曜日
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