先月「ザトウムシ」の研究で幽玄洞を訪れた東京大学大学院の竹原さんからその後連絡がありましたので、今日は「ザトウムシ」を紹介します。
これが東山町松川で発見した「オオナミザトウムシ」で繁殖行動の様子です。
このようにクモに似ていますが、サソリに近いと云われています。その理由は頭部、胸部、腹部が全て一つであること。毒針のある尾部を除けばサソリも同じ。一方でクモはというと頭部、胸部がくっついた頭胸部は腹部とくっついていないでくびれている。「鋏角(きょうかく)」と呼ばれる肢の構造も、クモは牙状でザトウムシとサソリは鋏(はさみ)状になっている。このような形態的な特徴とDNA配列を基にした分子系統解析の結果が根拠なのだそうです。
さてフランスでは3億500万年前の化石が見つかっているようです。3億年前というとすべての大陸がかたまり「超大陸パンゲア」が形成されていて、どこへでも移動できる環境にはあったようです。だから周りを海で囲まれた日本でもいるんですね。
「オオナミザトウムシ」は晩夏に成体になり、地域にもよるそうですが、10月頃から11月はじめに生殖活動を始めます。夜行性ですが陽の当たらない薄暗い林内であれば日中でも観察できるようです。
ザトウムシを含めた節足動物は化石として残ることがあまりないそうなので、そのあたりの研究が進んでいないようです。
ザトウムシがどこで生まれたか?など、これからさらに解明されることを期待しています。
竹原さんいろいろと教えていただきありがとうございました。これからも頑張ってください!
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