5.11集会ZAZAからのアピール8人目は、この3月まで豊中の小学校教員教員であった佐藤訓子さんからのアピールです。昨年、戒告処分、そして今年は減給処分、そのうえ、再任用も拒否されました。人事権が大阪府から豊中市に移譲されましたので、豊中市教育委員会の処分の不当性を豊中市公平委員会に訴えています。
戦争天皇制の「愛国心」教育を許さない!
佐藤訓子(元豊中市立小学校)
2011年度の卒業式で、私は教頭の「国歌斉唱」の言葉の直後に「『日の丸・君が代』に反対します」と抗議し着席しました。府教委は「職務命令は出ていないが悪質である」として「戒告処分」としました。
12年度の卒業式についての職員会議で担当係は私を当日「職員室管理」とする原案を提案してきました。私が昨年の卒業式で「日の丸・君が代」に反対する発言・不起立を理由にした不当なものでした。
4月の入学式においても私が所属する豊中市教職員組合分会員が同様の提案を出してきました。前日まで分会と校長との攻防が続きました。当日の朝、校長は「起立・斉唱」と「職員室管理」という2通の「職務命令」を出しました。市教委から職員4人が来て式場に入ろうとする私を妨害しました。市教委・校長・組合が一体となって私を入学式から排除しました。
学校長は卒業式の前日、私に口頭による「職員室管理」の職務命令を出しました。当日、市教委は来賓席に1人、他に5人を私の監視要員に配置していました。私は校長・市教委の妨害行動に抗議しながら、卒業式から排除された事実を保護者に伝えるビラを配布しました。
卒業生が入場すると市教委3人が入口の前で私の入るのを妨害しました。私は入口で市教委に抗議し、「君が代」が終わるまでの間、卒業式は天皇の儀式ではない、「日の丸・君が代」はいらない、子どもたちに「君が代」を歌わせるな、子どもたちは天皇の子どもではない、など声をあげ続
けました。私の声は中にいた子どもたちにも届いていたそうです。
3月28日、私が卒業式当日保護者にビラを配布したことや「君が代」反対の声をあげたことなどを理由に「減給」処分を強行しました。翌日の退職辞令交付式会場前で市教委への抗議ビラを配布し、豊中市公平委員会へ不服申立をしました。12年4月、府教委から教職員の人事権を移譲された豊中市教委は私の「再任用」も拒否(解雇)しました。市教委は選考手続き・理由をまったく明らかにせず、私の個人情報の開示請求も拒否しています。「日の丸・君が代」に反対する教育労働者への労働権の剥奪であり人権侵害にほかなりません。
「君が代」の歌詞は「天皇陛下のお治めになる御代は、千年も万年もつづいて、おさかえになりますように」という意味です。戦前・戦中の学校教育は「教育勅語」とともに「天皇のため、国のために命をささげること」を教え込み、教育労働者は多くの教え子を戦場に送り出しました。侵略戦争をおしすすめる教育をしてきたのです。戦後、学校教育の戦争責任とりわけ教育労働者は責任の重大さを深く反省し、子どもたちを再び戦場に送らないと決意しました。「日の丸・君が代」を学校教育に持ち込ませてしまった責任を教育労働者としてとらなくてはなりません。
自民党の憲法草案では、「天皇を戴く国家」とし天皇が元首であること「日の丸・君が代」の尊重義務まで明記しています。天皇制国家への「愛国心」教育を許さない闘いとしてともに闘っていきましょう 。
2013年5月11日