グループZAZA

「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

今、府教委が歩んでいる道 グループZAZA通信9月20日号

2013-09-21 23:29:47 | 当該から

私たちは発信します。今、大阪府教委が歩んでいる道がどれほど危険なものであるかについて。9月20日、府庁前で約2000枚のビラをまきました。以下に紹介します。

高校「日本史」教科書への政治介入は許さない

8月教育委員会会議は大荒れ!

8月30日、実教出版「日本史」教科書採択を巡って大阪府教育委員会会議は荒れに荒れました。5月定例教育委員会会議(HPで会議録公開中)で、中原教育長は、「教育委員会が行う採択とは、教科書の中身の話ではなく、ルールが守られているかをチェックする最小限の仕事」、「採択は確認作業に近く、学校で責任を持ってやっていただくこととなる」とはっきりと言い切っていました。つまり、中原教育長は、教科書選定は学校(校長)の仕事と明言していたわけです。ところが、8月教育委員会会議では態度を一変、「採択権限は府教委にある」と教委主導の採択を迫りました。他の教育委員が、既に5月会議で決定済みの教科書採択の件をなぜ蒸し返すのかと不快感を示したのは当然です。

 

中原教育長、豹変の理由は?

中原教育長の豹変の理由が、27日の維新府議団からの「実教『日本史』は不適切」との申し入れにあることは明らかです。あまりにもあからさまな政治介入に他の教育委員が難色を示す中2時間近く討議は続きました。結局、一種の妥協案とも言える実教「日本史」条件付き採択という形で大阪府教育委員会会議は結論を出しました。

 

大阪維新の会は、なぜ、実教出版「日本史」を使わせたくないのか?

実教出版「日本史」教科書には、国旗・国歌法の注として「一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」との記載があります。この事実を、大阪維新の会は「不適切」と申し入れを行ったのです。

2011年6月、大阪維新の会は府議会に「君が代」強制条例を提案し、他の4会派の反対を押し切り、わずか数時間の審議で単独採決を強行しました。これは、府民による充分な議論や合意があったとはいえない状況での、数の威力に任せての暴挙であり、議会制民主主義の内実が問われる事態と言えます。条例制定後、大阪府では教員の大量処分がおこなわれました。私たちは、このような憲法を蹂躙した条例に基づく処分は無効であると現在大阪府人事委員会に異議申立を行っています。

 

教育への政治介入は許せない!

このように、問題とした「強制」の記述は事実なのです。では、なぜこの教科書が「不適切」とされたのか。それは、大阪維新の会が、この「不都合な事実」を高校生の目から隠したかったからです。この夏話題となった松江市教委の「はだしのゲン」閲覧制限と同じです。

中原教育長は条件付き採択となった府立高校9校に強制力をもって指導すると明言していますが、まさにこれは維新が主導するところの政治介入の一翼を担うことを明言したも同じです。教育への政治介入を許せば、「不都合な事実」は覆い隠されることとなり、歴史の神髄とも言える健全な批判精神の育成が阻害されることになります。

私たちは、教育委員も知らないうちに大阪維新の会の意向を受け教科書採択方針を覆した中原教育長に深く抗議します。そしてこれ以上教科書に介入することを許すわけにはいきません。

みなさん、維新の会による力の政治、選挙で選ばれれば何をしても良いといった横暴な政治と闘い、生活に苦しんでいる府民、弾圧に苦しめられている府民の立場にたった行政を進めていきましょう。共に、頑張りましょう。

 

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府教委9月会議傍聴記②~大阪市公募校長の失敗に懲りず:今度は公募スーパーイングリッシュティーチャー

2013-09-21 21:48:38 | 中原教育長下の大阪の教育

9月20日大阪府教育委員会会議傍聴報告の第2弾です。議題5英語教育改革のもう一つの提案は、公募制スパーイングリッシュティーチャー(SET)の任用。中原教育長がこれまでの壁を破ってハイレベルな英語教育を実施すると自負をみせる進学校向けの提案です。

しかし、橋下大阪市長肝いりの公募校長は、数々の問題を引き起こしていますが、その原因は、そもそも成果を狙った人材の登用にあるように思います。特に学校現場では人権感覚が求められますが、およそ選考の基準には入っていなかったのではないでしょうか。

今回の公募SETの応募資格もTOFELiBTスコア100点以上だそうです。まさに唯点主義。給与は約740万円。ちなみに28歳新規採用だと、約440万円。同じように生徒を教える英語教員に、このように賃金格差をつけることは何かと問題が起こるように思います。

しかし、それだけの年収をもらうからには成果をあげてもらうとばかりに、達成目標もすでに決められているようです。もちろんここでも数値であがっています。SET配置3(~5)年後生徒80人中、TOEFLiBT80点以上5~14人、60点以上42人以上が達成目標としてあがっています。

中原教育長の英語教育改革の提案を聞いて、最も不安に思うのは、数値による成果しか教育の価値を認めていないところです。しかもそれが目標になると、教育という営みは本質的なところから変わっていくように思います。自分さえよければという教員と生徒の営みはさびしいものになるような気がするのですが…。

 

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口元チェックのおぞましさ

2013-09-21 10:46:44 | 中原教育長下の大阪の教育

中原教育長の口元チェック通知がマスメディアを通して全国的に物議を醸しています。卒業式で教員が「君が代」を本当に歌っているかどうか、校長が教頭や事務長に命じて口元をチェックさせよと言う通知です。若い友人は、あまりのバカバカしさに笑ってしまったと話していました。しかし、私は笑うことは出来ません。危惧した通りにことが進んでいることに暗澹たる思いです。何を考えているのかわからないとんだお笑い種だと見過ごすわけにいきません。

教員への「君が代」起立強制の次は、必ずや斉唱が強制されるだろう、そしてその次は子どもたちへ斉唱が求められるようになる、私たちが危惧したように事態は進んでいます。処分されることがわかっていながらそれでも「君が代」強制に不服従を貫いたのは、まさにこのような事態を憂えてのことでした。

なぜ、そこまでして「君が代」を子どもたちに歌わせたいのか?そこにこそ、「君が代」問題を解く鍵があります。

学習の自由や権利、働くことの自由や権利が奪われた時、人が最後に依って立つところを求めるのではないでしょうか。人は誰でも自己承認を求めます。日常に生活のなかで、学校や労働の場で自己承認が得られぬ状況において、排外的な思想の元に、「だってボクらは日本人だもの」「それでもワタシら日本人」の括りの中で「お国」への帰属意識が最後の砦となります。「愛国」教育の危険は個々人の自由と権利を犠牲にさえする思考停止状態に人を陥れます。

為政者にとって、「君が代」をはじめとする国家主義的ツールは実に便利な道具というわけです。国民が国家を批判することなく、自ら従属してくれるのですから。しかし、これほど危険なことはありません。歴史を見れば明らかなように、国家は国民を裏切り暴走することがあるのですから。

しかし、そこまでのことを想像しなくとも、人を信ずることが礎にある教育の場で、人間の尊厳を損なうかのごとく、歌っているかどうか口元をチェックすると言う、そのおぞましさに身震いさえして来ます。

下記は本日付(9月21日)朝日新聞天声人語です。


 歌い手が録音に合わせて口だけ動かす。俗にいう「口パク」である。オバマ大統領の2期目の就任式で、歌手のビヨンセさんが披露した米国歌がそうだった。北京五輪の開会式での「天使の歌声」もそうだった。音楽業界では珍しくないらしいが、それが学校の入学式や卒業式という場であったらどうだろうか。


大阪府教委が府立高校に通知を出した。式で君が代を斉唱する時、教職員が本当に歌っているかどうか、「目視」で確認せよ、と。去年、府立和泉高で校長が教員の口の動きを監視させ、物議を醸した。その校長が教育長になり、全校に広げる。

式場で教頭らが目を光らせ、歌っていない者がいたら、名前を府教委に報告する。判断の基準は形式的な「口元チェック」ではなく、「公務員として誠意ある態度かどうか」だという。漠然とした話だ。

例えば「感極まって歌えなかった」場合は目こぼしになるかも知れないという。そんなことまで考える情熱があるなら他のことに注いではと思う。自主性が大切と普段から説いてきた先生が、信念を封じて口パクをする。想像したくない光景だ。

起立斉唱を義務づける条例がある以上、守るのは当然と考える人も少なくないだろう。だが、君が代をどう考えるか、歌うかどうかは個人の思想・良心の自由にかかわる。最高裁も去年の判決で教員へのいきすぎた処分に釘を刺している。

先生がお互いに監視しあう。教育の場が荒廃しないか。多感な生徒の心に暗い影を落とさないか。

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府教委9月会議傍聴記①~経済格差がそのまま教育格差に:英語至上唯点主義の危険

2013-09-21 05:43:42 | 中原教育長下の大阪の教育

9月20日定例大阪府教育委員会会議を傍聴しました。中原教育長が4月就任当初から最も力を入れているのは英語教育についてですが、今回も驚くべき提案がなされ、教育委員から危惧の声が出るも了承されてしまいました。今後、大阪の教育はこれまで以上に保護者の経済格差がそのまま教育格差に表れることになり、子どもたちの学びへの意欲はますます削がれていくことでしょう。なお、9月19日毎日新聞がスクープした「口元チェック」通知についてはまったく議論はされませんでした。中原教育長下の大阪の教育は、一方で競争を激化させ、一方で「君が代」強制による教員管理ひいては生徒管理、教育管理を進める、まさにイギリス等で失敗した新自由主義的教育改革路線まっしぐらです。あの陰山委員長でさえも中原教育改革路線を危惧する発言がありました。(T)

中原教育長の英語教育改革その1

府立高校入試にTOEFL等導入

現在小学校6年生が高校受験する2017年度入試から、英検・TOEFLなどの外部検定を活用することを決定しました。これは希望者に限り、中学時代までに獲得した外部検定の成績を一定の割合で換算、学検の英語の点数と比較し高い点数の方を選択できるというものです。たとえば、TOEFLiBTが80点以上なら英語入試は満点扱いにするというようなものです。

詳細は、下記議案書をみていただけるとわかると思いますが、ここでは、その問題点についてあげます。

1.親の経済格差がそのまま入試に反映するんじゃないの?

会議でも、経済格差を解消する手立ても必要ではないかと指摘されていましたが、この方式を導入することによって、現在6年以下の生徒を対象に早速塾は、「大阪府立高校難関校希望者向け外部検定獲得コース」を設定し、高所得の親を対象にキャンペーンを始めることは目に見えています。ちなみにTOEFLiBTは、受験料は約2万円、毎月2、3回実施されているとのことです。これは、小中学校以外に塾等でどれくらい「お金をかけるか」で有利不利が決まってきます。つまり親の経済格差がそのまま入試点数に反映するkとになります。もちろん、今でもそういった側面がないわけではありませんが、それを解消する方向ではなくさらに激化させることになります。

2.子どもの学ぶ意欲は高まるの?

議案には、外部検定の活用により「一定の努力と実力を自ら証明した中学生に適正な評価を与え、大阪の児童・生徒の英語教育への学習意欲を高めるとともに、日本の英語教育が今後歩むべき方向性を示す意義を持つ」とありますが、果たしてそのようになるでしょうか。子どもたちは点数を獲得するために英語を学ぶことが強いられるのではないでしょうか。本来外国語を学ぶことは、言葉への理解、異文化への憧憬など、様々な喜びがあるはずでしょうが、高校入試に至るまで小学生・中学生はひたすら外部検定でより高い点数を獲得することが、日常的に求められるなかで、学びの意欲はゆがめられ、本来の喜びはなくなるように思います。しかも、中原教育長自らが認めていましたが、外部検定を希望する生徒や親は文理科等の受験を考えている層に絞られるだろうと。ならば、そのごく一部の中では競争が激化し、以外の子どものなかには、諦めや部外者意識から英語への学びの意欲は薄れていくのではないでしょうか。

2点あげましたが、今回の導入を最も歓迎するのは塾等の受験産業でしょう。そして、TOEFLも中学生が(それが一部であるにせよ)何度も受験することになれば、人件費のかからないネット受験で丸儲けできることでしょう。

経済格差による競争激化の教育の失敗はイギリスやアメリカを観れば明らかです。すでに世界的には破たんしている新自由主義的教育改革をなにゆえ中原教育長はやろうとするのでしょうか。陰山委員長は、「慎重にやるべきだ。失敗したではすまされない」とブレーキをかけようとしましたが、中原教育長の耳には届いていないようでした。

次回は、公募英語スーパーティーチャー制度の導入についてお知らせします。公募制度は、すでに大阪市民間人校長の不祥事の数々をみれば、学校現場の荒廃につながることは明らかなのですが…。

 

 

 

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