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「君が代」不起立処分大阪府・市人事委員会不服申立ならびに裁判提訴当該15名によるブログです。

教科書採択への介入~高嶋伸欣さんからの追伸情報

2013-07-27 07:27:44 | 教科書排斥問題

愛知の小野政美さんから、教科書介入問題についての高嶋伸欣さんらからの追伸情報が届きました。情報を共有し、この教科書採択への不当な介入に対して全国から声をあげていきましょう。

高嶋伸欣さんからの追伸情報
 
昨日の情報に加えることとして、神奈川県教委が問題にしている実教版歴史教科書の記述は、やはり「日の丸・君が代」強制に関する部分であることが、確認されました。
 
県教委に呼ばれた校長が、教員会議の場で「その記述が県教委の見解とちがう」し、「もし採択をすれば街宣車が学校に押しかけて来る恐れがある」などの理由を挙げて、選定を変更するように求められたと説明をしたそうです。
 
「街宣車云々」という理由づけは、昨年の都教委の論法と同じですが、暴力に屈服するようにと公的機関の教委自身が圧力を加えているのですから、神奈川県教委もここまで堕落したのか、という思いです。
 
それに、そのように言われて言い返した様子のない校長のありようも情けない限りです。強いものであれば理不尽なものであっても簡単に屈してしまうような校長や教委に、いじめを防げるはずもなく、学校で子供や生徒は守られているのだろうか、と心配になります。
 
このような校長であれば、配慮は無用で、教委のいいなりになった場合は、教委と共に校長を被告とする裁判を用意しても良いとさえ思えます。
 
 
ともあれ、まだ神奈川県内では、各高校と県教委とのでやり取りが続いている途中ですから、県教委への抗議行動など、できるところからの取り組みが必要と思います。
 
なお、昨日の私のメールについて、少し補足をします。
 
a)  高校現場では常識ですが、新教育課程への変更は、高校の場合、学年進行です。従って、2013年4月の新1年生から、新課程の教科書になっています。高校の地歴・公民科の必修科目は「世界史」であって、これを多くの高校は1年生に履修させています。そのために、選択科目の「日本史」は2年生以上での履修にしている高校が大半になっています。そこで、2013年度用になる教科書が対象の2011年度検定に提出された「日本史」教科書はA・Bの合計で4冊だけでした。それらが昨年の夏 の2013年度用の採択の対象になったのです。そして、その4冊の中の1冊、実教版「高校日本史A」にある「日の丸・君が代」強制の記述は不当だと、「産経新聞」などが昨年3月28日の紙面で大きく問題にしたことなどがきっかけとなって、都教委が証拠をのこさない電話による圧力で、学校希望を変更させるという権限行使をやってのけたのでした。
 
b)  この都教委の行為自体、大問題です。その一方で、今回同様の動きを始めた大阪府、大阪市と神奈川県の教委は、現在までに判明している限りでは、昨年、何もこの記述について行動をしていないのです。その結果、大阪府・市と神奈川県の公立高校では実教版「高校日本史A(日A302)」を学校希望の通りに、各教委が採択したはずですーーこれは重要な点ですから各地域で確認をして下さい。
 
c) 上記のような実態が生じていたのだとすると、すでに昨年の採択で同教科書を採択していた高校が、来年の1年生用にもまた同教科書の採択を希望するのが普通です。ところが、今回の大阪府・市と神奈川の県教委の行動からすると、これらの高校の(日A302)の今回の採択も変更させようとしている可能性が大きいのです。だとすれば、これは明らかに理不尽で、矛盾した行政行為に当たりますから、そのような行為は即刻やめるべきだと、言えます。もし仮に、このケースに該当する高校で校長がすでに教委の言いなりになっていたとしたら、情けない限りです。
 
d)  上記とは別に、「高校日本史A」を今年の採択で新2年生用に選んで、教委から妨害されているケースも考えられます。この場合の矛盾点は、c) にある通りに明白ですから、そうした行政行為はただちに止めるように申しいれるべきです。 
 
e)   次に、今回問題にされたもう1冊の実教版の「高校日本史B(日B304)」の場合は、2014年度用以降に向けて、2012年度の検定を受け、合格して今回初めて採択の対象となったものです。その意味では、同書が昨年の採択で問題にならなかったのは当然です。けれども、同書の問題にされている「日の丸・君が代」強制に関する記述は上記の「高校日本史A(日A302)」の記述と同一なのです。だとすれば、昨年は問題なしとした記述を、今年は問題だとすることに、矛盾が生じます。明らかに、東京の動きを追随する必要性が内部からか、外部からかの動きで生じた結果と、考えられます。いずれにしても、厳しく矛盾点を追及すべきです。
 
f)  このように、高校の新課程への移行と教科書採択の関連は複雑ですので、問題点の追及についても、ケースに分けながら進める必要があります。
 
g) そのためにも、問題行動のある教委の地域では、圧力を加えられた高校では、実教版を昨年すでに採択していたのか、今年の場合はA・Bのどちらえを学校希望としていたのか、などについての状況を具体的に把握しておくことで、今後の対応がより的確にできるのではないかと、思います。
 
 
  以上、補足説明ながらまた長いものになってしまいました。ご容赦下さい。文責はすべて嶋にあります。 転載・拡散は自由です。
 
 
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教科書採択への介入~高嶋伸欣さんの分析・助言~

2013-07-27 07:01:57 | 教科書排斥問題

「日の丸・君が代」を巡る叙述について教科書への介入に関して、名古屋の小野政美さんから、高嶋伸欣さんの分析・助言を紹介いただきました。これは必見です!ぜひとも拡散してください。

教科書採択の介入~嶋伸欣さんから~

 
高校の教科書採択で、学校現場からの選定結果が各教育委員会に報告され、今月後半から来月にかけて教育委員会で採択の議決がされる段階になってきたところで、昨年の東京都と横浜市に加えて大阪府と大阪市で、実教版「高校日本史A(日A305)」と「高校日本史B(日B304)」を学校が選んでも、教委で変更させようとしている動きが表面化してきています。
 
さらに、本日になって、神奈川県立高校でも、上記の教科書を選んだ高校の校長たちが次々に教委から働き掛けを受けて校内で担当教員に再検討を要請しているなどの動きのあることが、判明しました。
 
東京都と横浜市は昨年からですが、大阪府・市と神奈川県は今年になってという点で、教委の側に大きな弱点があります。以下の各点を各地の皆さんに参考にしていただければ幸いです。
 
1.まず教委が問題にしているのは、上記の教科書のどの部分の記述かを、確認して下さい。予想されるのは、東京と同じ「日の丸・君が代」の強制に関する記述の部分ですので、そのことを前提にすると、以下のような問題点が指摘できます。
 
2.最大の問題点は、この「日の丸・君が代」の強制に関する記述が上記のAとBの教科書では、同一だということです。ところが、上記Aの教科書は2011年度の検定にすでに合格していて、昨年夏の教科書採択の対象になっていました。ですから、東京都と横浜市の教委は昨年から、水面下で採択妨害の行動をし、それが露見して抗議に晒されているのです。  

 その一方で、その他の教委はこのAの教科書(日A305)については何も問題にしていませんでした。それなのに、今年になって新たに登場したB(日B305)だけでなく、A(日A305)まで問題にしているのは、明らかに矛盾しています。行政として、不統一です。今年の行動が適切であると言うのであれば、同じ記述のある教科書 について何も行動をしなかった昨年は、怠慢だったという責任問題で追及が可能です。
 
3.さらに、昨年の採択で何も問題にされることなく(日A305)の採択が認められた高校では、すでに今年の4月から同書で生徒たちが、学習を始めています。それなのに、教委が同書での学習は不適切という判断を突如として表明し始めたことになります。生徒により良い学習環境を整るという教委の本来の役割を、教委自ら侵害する行為を強行しつうあるといことの責任追及もするべきです。
 
 
4.さらに、生徒は自分たちがないがしろにされたと気付いて、事情説明を教師に求める可能性があります。その場合に備える意味でも、校長や担当教師が安易に教委の意向に合わせることは禁物です。教委に説明のため学校に来るように要求し、生徒に対して謝罪させるぐらいまで迫っても良いはずです。
 
5.次に、昨年度の採択では問題なしとしたのに今年度は問題ありとして校長などに対する行政行為を教委がしたことは、行政権限に関する法規の恣意的、便宜的な解釈であり、さらに恣意的、便宜的な運用にあたるもの (つまり、気まぐれな法規解釈と運用であるということ)で、それは職権濫用で違法であるという判例が、すでに存在しています。

 その法的論理で文部省を沈黙させたのは、第3次家永教科書裁判の東京高裁判決(川上裁判長、1993・10・20)です。この論理によって、争点となっていた8件の検定事例の内の3件を違法検定であると、川上裁判長は認定しました。文部省(当時)はこの論理に全く反論できず、上告を断念しています。家永氏が残り5件についても違法性の認定を求めた上告審で、最高裁の判決では、さらにもう1件を違法と認定した判決を、1997年8月29日に出し、家永訴訟は国側の敗訴で終わっているのです。今からすれば古い判決ですが、教育行政における行政権力の気ままで不統一、不公正な行使や運用に対して、大きな規制効果を持つ判決です。今回のケースにもこの判決を当てはめることができると私は考えています。
 
6.上記の問題点を教育委員会に対して突きつけるためにも、昨年の採択で(日A305)が県内の高校で実際にどれだけ希望してその通りに認められているかのデーターを把握しておくと、効果的です。できれば、同書を使用中の生徒数も把握しておきたいところです。この情報収集については、上手な方法を工夫してみて下さい。また情報が判明した時には、公表して共有化を図って下さい。
 
7. 次に、さらに教育委員会に迫る方法としては、仮に今年度の採択で教委の指導、圧力などで上記の2冊から別のものに変更されたことが判明した場合、それは上記5で指摘した違法な行政権限の行使によったものであるとする主張が可能になりますから、2014年度の授業開始に向けた教師が使用する教科書の購入のための公費支出、さらには教師用の指導書の購入のための公費支出に対する異議申し立て=監査請求が可能になります。監査請求で主張が認められないことになったときは、請求者は住民訴訟を起こす原告資格を持つことになっていますので、法廷で関係者の責任を追及することも可能になります。そうした住民訴訟の前例が神奈川県にはすでにあって、全国でも参考にされています。
 
8 そうした監査請求や住民訴訟が起こされた場合、教委は校長が別の教科書に選定を変更したので、それを承認したにすぎないとして、責任を校長に転嫁する可能性が強くあります。校長が訴訟で被告にされないようにするためにも校長や担当教師はあくまでも最初の採択希望の変更に応じないようにすることが必要です。校長たちが孤立しないように、支援の取り組みを工夫して事例の情報交換などもしましょう。
 
9.さらに、小・中学校の教科書は無償ですが高校では有償で、保護者が購入しています。その保護者がこうした不公正で違法な教委の権限行使によって決められたことに納得できないとして、異議申し立てをすることも考えられます。前例がほとんどないことですが、教委のこうした違法行為自体が前例のないものですから、前例の有無は問題にならないはずです。保護者の教育権と責任をめぐる形で、国や教委の権限を強化する方向にある最近の教育行政の適否に対する議論の一つの場面にもなりそうです。
 
10、長期的な展望からの提案ですが、上記7や9の件で具体的な行動が起こされた場合、広く社会全体にその行動の意味を伝える取り組みをすることが、同じような行動をする教委の出現を防ぐことにもなります。
  それに、記者会見などを通じてマスコミなどでの報道があれば、「広く社会に知られている事柄であれば教科書に記述しても良い」という検定の条件を満たすことになります。そうなれば、次の検定に提出する教科書に今回のことを、ありのまま記述することが可能になります。すでに、高校の教科書には、教科書問題が多数記述されています。今回の件が記述された時、時には大人以上の正義感を示す高校生が、どのように教委を評価するか、教室での審判を教委に覚悟させましょう。
 
11、学校での授業の具体的な内容の最終的な決定をする権限、教育課程(カリキュラム)の最終決定権は学校現場にあります。このことを、文科省も認めています。その権限と表裏の不可分の関係にあるのが教科書採択権です。世界の民主主義国家で、教師の採択権を認めていない国は、国定教科書の場合以外では、日本だけです。それでも、これまでは高校の場合は学校の希望通りにするという運用でかろうじて教師の採択権が犯される状況を出現させないように教育関係者たちが暗黙の共通認識で対応して、事なきを得ていたのです。それが、「つくる会」の出現を機に、教育委員会に採択権があるとの建前論を振りかざす勢力に政治家が同調し、事態を大きく変えてここまで混乱を広げてきたことになります。
 
12. 神奈川県の場合、県議会で改定教育基本法の主旨に相応しい教科書の採択を求める請願(?)が採択されていたので、こうした事態が予想されたとも言われますが、それが排除の根拠とされたのであれば、これまた県教委は恣意的、便宜的な解釈で権限の行使に踏み切ったことになります。
 
13. 改定教育基本法の趣旨により相応しい教科書の採択を求める請願等に対しては、改定学校教育法の高校教育の目標を定めた第51条に「健全な批判力の育成」が明記されていることを指摘することも、効果的ではないかと思います。
 
  以上、とりあえずの個人的なメモとしてまとめました。それぞれの地域での取り組みに何か役立つものがあれば幸いです。文責はすべて嶋にあります。 転載、拡散は自由です。   

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教科書採択への介入~名古屋からの報告~

2013-07-27 06:33:31 | 教科書排斥問題

東京や大阪、神奈川で、実教出版「高校日本史A」「高校日本史B」の採択への前代未聞ともいえる教育委員会の介入が続いています。まるで自民党壊憲草案を先取りするかのようです。子どもたちに「日の丸」敬わせ、「君が代」を歌わせるためには、「日の丸」「君が代」への批判は一切許さぬ、いやそれどころかそういう事実があったことさえなかったことにしようとしてます。

子どもたちに「戦争を肯定する教科書」を渡さない市民の会(名古屋)事務局の小野政美さんから名古屋の状況を伝えるメールが届きました。以下掲載します。

  
東京都に始まり、大阪、神奈川などで教科書採択への政治介入が拡散していますが、名古屋市関係の最新情報を送ります。
 
①名古屋市内の市立高校の校内採択は、ほぼ終了しています。
 
②しかし、この間、名古屋市内の市立高校で、6月下旬に、複数の市立高校で、普通科高校校長を通して、教育委員用に、日本史B教科書6セット(教育委員6人)を社会科担当教員に準備させています。
 
③また、7月12日には、名古屋市教育委員会が、「聴取会」の名目で、日本史Bの教科書出版社を呼びつけて「聴取」を行っていたことが、7月の教育委員会会議で分かりました。
 
④なお、以下は、2011年以来の名古屋市、名古屋市教委の現状報告です。

 

名古屋市での河村市長と「つくる会」とのあぶない「緊密な連携」

 

12011712日、名古屋市市役所内で、自民党・民主党議員などによる「歴史教科書を考える名古屋市会議員の会」(藤沢忠将代表)主催で、自由社から藤岡信勝「つくる会」会長、「育鵬社」石井昌浩日本教育再生機構副理事長が報告した「中学校歴史・公民教科書の公開討論会」が開かれた。河村市長、名古屋市教育長、教育委員長、教育委員が参加した。

 

150名が参加した「公開討論会」は、教科書会社が自社の教科書の長所をはじめ編集方針や工夫などをプレゼンテーション。名古屋市教育長、教育委員長、教育委員計3名が参加し、自由社からは、藤岡信勝「つくる会」会長。「つくる会」自由社版歴史教科書は、「教育基本法の改正及び学習指導要領の改訂を真正面から受け止めて、日本の歴史の特色を分かりやすく記述し、南京事件では初めて存在しなかったという立場で執筆を試みた」とし、公民教科書では、「初めて国家の役割を記述した教科書である」と強調した。「育鵬社」は、石井昌浩日本教育再生機構副理事長が報告した。河村市長は、「国民の知る権利に応えるのは民主主義の絶対的基本」と最初に挨拶し、最後にも、「公開討論会は静謐な環境に基づくもの」としめくくった。その後、河村名古屋市長は、9月市議会で、公開討論会に欠席した社から教科書が選ばれて、とんでもないショック」「教科書選定を市教委の聖域にしてはいかん」「一方的な自虐史観に基づいて何でも謝ってきゃええという国家観に対して、今こそ立ち上がらんといかん」と力説した。河村市長は、20076月、民主党議員時代に、自民党議員らと連名で、「ワシントンポスト」に、「従軍慰安婦は、公娼であり、強制の証拠はなく、性奴隷ではない」と主張する意見広告を出したこともある。

 

現在、名古屋市教育委員会の現状は、極めて厳しい状況である。河村たかし現市長や藤沢忠将市長候補によって教育委員が選任がなされるならば、2011年の横浜市と同様に、2015年に名古屋市で、「育鵬社」の歴史・公民教科書が採択される可能性が大きくなっている。

 

名古屋市教育委員(6名)は、河村市長の意向を受けた「つくる会」系教科書支持の教育委員が多数派になり、市立中学の教科書採択への「学校表」の中に「育鵬社」等の「つくる会」系教科書を評価する学校が出てきたり、中学校の現場教員の中に「つくる会」系、育鵬社教科書支持が深く静かに浸透していたり、社会科教育の現場教員の歴史認識に大きな変化が生まれていることは危険である。名古屋市では、育鵬社・自由社に◎を付けた学校が10校前後に増加している。

 

その後、河村市長は、教科書採択決定後の市議会で、「公開討論会に欠席した社から教科書が選ばれて、とんでもないショック」「教科書選定を市教委の聖域にしてはいかん」「一方的な自虐史観に基づいて何でも謝ってきゃええという国家観に対して、今こそ立ち上がらんといかん」と力説した。河村市長は、20076月、民主党議員時代に、自民党議員らと連名で、『ワシントンポスト』紙に、「従軍慰安婦は、公娼であり、強制の証拠はなく、性奴隷ではない」と主張する意見広告を出した。

 

2河村市長「南京発言撤回しない」発言を応援し、南京事件否定説を主導する「つくる会」

『南京の真実国民運動』副代表の藤岡信勝は、河村たかし名古屋市長の「南京虐殺」否定発言を全面的に応援している。「つくる会」は、「歴史教科書の現状克服を課題として発足し、自虐史観の最大のテーマが南京事件。会は、南京事件はなかったとする「南京事件否定説」を会の立場とし、自由社の教科書は、否定説の立場から書かれた唯一の教科書」とした。

 

3)「教科書討論会」以来の市議グループとの連携

 河村発言のあと、昨年7月に名古屋市で中学校歴史・公民教科書の公開討論会を主催した市議グループ(藤沢ら)から「つくる会」に、東京でも河村発言を支持する声を上げてくれないかという要請があったとする。市議グループは、南京事件についての立場が、河村市長の発言と一致することを知っていて連絡したとして、「つくる会」は、36日に、東京で緊急国民集会を主催し、この集会の後援団体を主体として、『南京の真実民運動』(渡辺昇一代表)という組織を結成し、事務局を、「つくる会」に置き、南京虐殺否定キャンペーンを行っている。

 


 

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都教委よ、恥を知れ!

2013-07-26 14:55:37 | 渡部通信

渡部さんからも昨日(7/25)の都教委会議の傍聴レポートが届きました。しかし、大阪府教委は実教出版「日本史 A」「日本史B」を排するよう校長に圧力メールを出しながら教育委員会会議には一片の報告もしていません。どちらもどちらで、現代版「焚書坑儒」には違いありません。

(少し長くなります。後ろの方に実教社版教科書に関し、都教委が出した「請願について」と「回答」を載せ、
定例会傍聴者2名の退場が出たことも書きました
 
本日(7月25日)、以下の行動がありました。
 ①<河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会>の都庁前早朝チラシ撒き(9名参加)
   チラシの内容は、・実教出版教科書排除が大阪でも
              ・7月11日の都教委定例会傍聴記
 ②都教委定例会傍聴
 
①の特徴は、都庁職員の受け取りが悪くなっていることでした。
最近、板橋特別支援学校などでも校長が職員に対し、「チラシを受け取るな」というような事を言っていますが、
そのようなことが都庁でも起きているのかと感じるほどでした。或いは、無関心、自己規制、それとも批判者に対する敵対でしょうか。
 
最近読んだ『ルポ 貧困大国アメリカⅡ』(堤未果著)という本には、次のような部分がありました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  医療破産したある女性は、取材の中で私に言った。
 「一番こわいものはテロリストでも大不況でもなく、
 いつの間にか私たちがいろいろなことに疑問を持つのをやめ、
 気づいた時には声すら自由に出せない社会が作られて
 しまうことの方かもしれません。」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
これは、アメリカ社会の後追いをしている日本社会の私たちに対する警告かもしれません。
 
②についてです。
本日の傍聴者は、来年度の教科書採択 (・都立の中学校、・中等教育学校、・特別支援学校(小、中)の)
があったせいか、普段より多く19名でした。
 
傍聴券配布のときに小さな番号札を渡され、その順番に名前などを書かされました。
傍聴席には全て大きな番号札(初めて)が置いてあり、そこに座らされました。(誰がどこに座ったかがわかるように)しかも私たち傍聴人(10名づつ2列)の後ろには監視の職員が10名陣取っていました。
 
定例会開始早早、木村孟教育委員長は、7月11日のときにAさんが都教委を批判したことで退場を命じたことをあげ、そういうことをした場合には注意2回目には退場させると言いました。
 
当然、何人かが、「都教委がおかしなことをやるからそうなるんだ」と声を上げました。木村委員長はさっそく「静かにしなさい!」と大声を上げました。
 
教科書の採択については、 
・都立中学校及び中等学校の「社会(歴史的分野)(公民的分野)」は全て<育鵬社>
・特別支援学校(中)も、(聴覚障害)(肢体不自由・病弱)の学校については、「社会(歴史的分野)」は<育鵬社>でした。
 
全く「自由主義史観」に偏った採択です。
しかも都教委はこの事務局提案を全く論議もないまま決定しました。
 
傍聴席からは不満の声が上がりました。すると木村委員長は又しても「静かにしなさい!」と大声。
その後、「報告事項」に移り、
 ・都立高校入学者選抜制度の改善の検討
 ・学校におけるアレルギー疾患対策対策
などが報告され、最後に「請願について」と「回答」という文書が示されました。
 
「請願について」というのは、都教委が実教出版を排除する「見解」(6月27日)を決議したことに対して出された
この間の「請願など」をまとめたものでした。
 
それによると、<陳情等(団体要請)>は26件 (いずれも「見解」の議決に抗議し撤回を求めるもの)
 (昨日提出の「抗議声明」もこの中に入っていると情報課の係長が私たちに言いました)
<都民の声>は73件 うち、70件が「見解」への反対意見、3件が「見解」への賛成意見
 
要するに、圧倒的に反対意見が多いのです!!
 
そのうちから、
(1)都教委の高校教科書採択妨害を許さない実行委員会(7月9日)
(2)都立高校のいまを考える全都連絡会(7月11日)   
のものが全文紹介され、その要約が以下のようにまとめてありました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
<請願事項>
  教科書の採択においては、現場の教員の意見が最大限、尊重される
 べきである。都立高校でも、従来、学校での選定結果に沿った採択が
 なされてきた。議決した見解によらず、従来の採択をしてもらいたい。
 (1)2013年6月27日に議決した「平成26年度使用都立高等学校用教科書
   についての見解」を撤回すること。
 (2)東京都教育委員会ならびに教育委員各位は、当該議決の誤りを認め、
   都民ならびに関係者に謝罪し、同様の誤りを二度と繰り返さない意思を
   表明すること。
 (3)この請願について、直近の教育委員会において協議し、
   都教委および教育委員各位の見解を文書で示すこと。
<請願の理由>
 (1)教育委員会という教育行政機関が自らの考え方と異なるからとして
   特定教科書を排除することは、検定制度の趣旨に反する。
   また、行政機関の考え方と異なる考え方を小供に触れさせないように
   することは、学習権の侵害である。
 (2)扶桑社等の教科書採択の際に、都教育委員は「検定に合格した
   教科書は全て採択の対象となる」と説明してきた。今回の「見解」は
   従来の都教育委員会の考え方と異なるものである。
 (3)実教出版の教科書は、検定に合格し、合法的に教科書として
   出版されている。一地方教育委員会が自らの考え方と異なるから
   として、採択を排除する法的根拠は存在しない。
   これは出版・言論の自由の侵害である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
次に、都教委の「回答」は以下のようなものでした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
  都立学校の教科書の採択権は、地方教育行政の組織及び運営に関する
 法律第23条第6号の規定により東京都教育委員会(以下「都教育委員会という。)
 にあります。
  都教育委員会は、各都立学校において、最も適切な教科書が使用される
 ようにしなければならない責任を有しており、教科書の採択は、採択権者である
 都教育委員会が、その責任と権限において、適正かつ公正に行う必要があります。
  平成24年1月16日の最高裁判決において、国歌斉唱時の起立斉唱等を
 教員に求めた校長の職務命令は合憲と認められており、実教出版株式会社の
 「高校日本史A]及び「高校日本史B」にある「一部の自治体で公務員への強制
 の動きがある。」との記述は、国旗掲揚・国歌斉唱は、児童・生徒の模範となるべき
 教員の責務であるとする都教育委員会の考え方と異なるものであり、
 都立高等学校で使用する教科書としては適切でないと考えます。
  こうしたことから、平成25年6月27日、採択権者である都教育委員会は、
 委員総意の下、「平成26年度使用都立高等学校(都立中等学校の後期課程
 及び都立特別支援学校の高等部を含む。)用教科書についての見解」を
 議決したものです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
これを木村孟教育委員長が読み上げ、教育委員たちに「異論ございませんね」というようなことを言い、確認しました。
 
これが「報告事項」として取り扱われた事自体おかしなことです。
 
そこで、傍聴者のBさんは、「論議してないじゃないか!」、「委員は意見を出せ!」、
「最高裁判決(「一部の自治体で公務員への強制の事実がある」と述べている)を無視するものではないか!」、というように抗議すると、木村委員長は彼に対し「退場」を命じ、彼は退場させられました。
 
また、傍聴者のCさんも、この回答のいい加減さに業を煮やし、
「(実教出版教科書に書いてあることは)事実だ!」と大声で抗議しました。すると木村委員長は今度はCさんにも「退場」を命じ、Cさんも退場させられました。
 
その後、竹花委員は、そこにいたマスコミ各社に向けて(?)「マスコミでは都教委が『介入』したと書いているところもあるが、採択権は都教委にあるのだから、介入には当たらない」というようなことを述べました。
しかし、介入より何より、多くの人々は特定の教科書を権力的を笠に着て排除したことを問題にしているのです。
 
会議終了、退出時、私は大声で、「実教社出版の教科書排除はやってはならないことを都教委はやった。都教委は生徒たちに事実・真実を知られるのが怖いのだ。これのどこが公正なのだ。
あなたたちは生徒たちをどこに連れて行こうとしているのだ。
恥を知れ!恥を知れ!恥を知れ!」と抗議しました。
 
職員らは私を制止しようとしましたが、傍聴者の多くもそれぞれ声を上げ抗議しました。
 
根津さんは、昨日都教委に出した抗議声明などを教育委員(とりわけ山口委員と乙武委員)に示し、
「ここに置いておくので読んでください」と強く要求しました。
 
この騒ぎは、部屋を出されてからもしばらく続きました。
 
いくら、傍聴のあり方を規制しようと、傍聴者を退場をさせようと、警備体制を強化しようと、都教委がおかしなことをやればやるほど、人々の反発は収まらず、強まるだけなのです。
(退場者は前回の1名から2名に増えたのです)
 
また、今回指導課から「請願について」が出され、件数、請願内容が直接会議に提出されました。
これは初めてです。今までは、年に2回くらい、まとめて件数だけが教育委員に知らされるだけでした。
 
ようやく私たちの声が少し反映されるようになったのでしょうか。これが新たな反撃の一歩になればと思います。
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根津公子の都教委傍聴記(2013.7.25)

2013-07-26 14:32:08 | レイバーネット

昨日の東京都教委会議の傍聴記です。教育委員会制度が問題になっていますが、少なくとも現行の教育委員会制度は傍聴できます。傍聴することによってまた教育委員会の問題点も見えてきます。

根津公子の都教委傍聴記(2013.7.25)

議論のない腐敗しきった教育委員会

 


      ↑傍聴人を監視する都教委職員

 きょうの定例会は「請願について」の報告が議題にあったからか、傍聴者は20人 定員ぎりぎりの19人。私たちの会からは4人が傍聴しました。  前回、傍聴者が声をあげたことに対し、教育委員会は驚くほど過剰な対応をして来 ました。待合室には「傍聴人規則に違反する行為…には、退場を命じる。法的措置を とる」と掲示し、また、それをプリントして傍聴者に配り、読み上げました。

 定例会の会場に入室して、さらにびっくり。椅子に(1)から(20)の番号が表示されてい て、「受け付け番号順に自分の番号に座れ」というのでした。

 傍聴者が席に着くと、木村委員長がまた、傍聴人規則云々と、気色ばんで読み上げ て、議事に。 議題は、議案が(1)来年度解説の特別支援学校の設置条例 (2)来年度使用の都立中学校 (中高一貫校)、特別支援学校の教科書採択について。(「4年間は同一の教科書を 使うことになっている」ので、来年度は今年度と同じ)  報告が(3)高校入学者選抜制度の改善検討について (4)学校におけるアレルギー疾患対 策について (5)請願について でした。

 (3)では、竹花委員「中高の現場の先生の意見を取り入れて議論してほしい」と発 言。実教出版日本史についての「見解」や「日の丸・君が代」については、現場の教 員の声を圧殺しているのに、「都教委の考えと異なる」ものではないことについて は、同じ口できれいごとを言えてしまうのです。(4)についても「都教委の考え」が関 係ないので、全委員が発言しました。

 さて、(5)「請願について」は、6月27日の定例会で「教育委員総意の下」議決し た日本史教科書「見解」について (ア)「見解」を撤回すること (イ)都民に謝 罪し、同様の誤りを繰り返さない意思を表明すること (ウ)請願について直近の教 育委員会において協議し、見解を文書で示すこと を求める要請が2件上がったこと に対し、行なわれたものでした。

 それに対し都教委がしたことは、「都教委は、最も適切な教科書が使用されるよう にしなければならない責任を有している。『一部の自治体で公務員への強制の動きが ある』との記述は、国旗掲揚・国歌斉唱は、児童・生徒の模範となるべき教員の責務 であるとする都教育委員会の考え方と異なるものであり、都立高等学校で使用する教 科書としては適切ではない」と、居直るばかりの「回答」を木村委員長が読み上げ、 「皆さん、異論はないですね」で終了。 6月27日と言い、今回と言い、委員たちは自分の意見を表明しません。それは、教 育委員の仕事を放棄したに等しい行為です。

 竹花委員は会場内の報道関係者に対し、「見解」報道について、くぎを刺しまし た。「マスメディアの一部には、今回の議決は都教委が介入した、と流れ(し)てい るが、権限のない者がやるのが介入。都教委は、都教委の権限と責任によって行って いる(だから介入というのは誤り)」と。何様?! 木村委員長、竹花委員の暴力性 は、むき出しでした。

 委員と傍聴者に配られた資料には、2件の請願のコピーとともに、「見解」につい ての抗議・撤回の団体要請が26件、個人要請が70件上がったと、その内容を添え て報告されました。内容が報告されることはこれまでになかったことです。都民の大 きな怒りが、させたことだと思いました。河原井・根津らの「君が代」解雇をさせな い会が出した抗議・撤回要請も26の一つにある(教育情報課談)ということでし た。

 この議題の冒頭と途中で、2人の傍聴者が、木村委員長の「退出」の声によって、 退出をさせられました。一人は、「議論していなじゃやないか」と言ったこと、もう 一人は、実教出版の記述について、「事実でしょう」と言ったことが引き金となった ようでした。

 各委員が真摯に意見を述べ、まともな議論が行われるのならば、黙って傍聴します。 しかし、腐敗しきった教育委員会を見て、傍聴者は黙っていられるものではありませ ん。教育委員は、思わず口を突いて出た傍聴者の声から学び、反省すべきです。

 冒頭に記した座席については、議事の進行とともに、その意味が判明していきまし た。 A4判のチェック用紙が何度も、傍聴者を監視している職員の間で回されていまし た。何番の席の誰が何度、声をあげたか、何を言ったかを克明に記入する用紙のよう でした。これを保管し、不規則発言を累積して、今後、傍聴禁止措置をとるのだろう か、とも思いました。

 「権限と責任」をはき違え、道理を排し、独裁運営をする教育委員会。それに従う 教育委員たち。次回も定例会を傍聴し、監視をしていきます。

↓傍聴前の都庁チラシまき

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