電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルト「アダージョとロンド K.617」を聴く

2010年02月10日 06時34分31秒 | -室内楽
通勤の音楽は、あいかわらず「パリ・バロック・アンサンブルの精華」から、Disc2 のモーツァルト、クヴァンツ、J.C.バッハ、ハイドンなど、前古典派の音楽を集めたアンソロジーを聴いております。



収録されている、クヴァンツの「三重奏曲ハ短調」、あるいはJ.C.バッハの「五重奏曲ニ長調」などの美しさや、ハイドンの「ロンドン・トリオ第1番」などもたいそう魅力的な音楽ですが、大雪で飛行機は飛ばないわ、ようやく飛んだ飛行機は大揺れに揺れるわで、多難な出張の帰り道の運転時などには、やっぱりモーツァルトの「アダージョとロンド K.617」のような楽しい音楽に心惹かれます。

この曲は、モーツァルトが死の半年前に、盲目のグラスハルモニカの奏者のために作曲した曲なのだそうで、オリジナルの編成はフルート、オーボエ、ヴィオラ、チェロ、グラスハルモニカというものだそうな。それがこのCDでは、グラスハルモニカ、ヴィオラ、チェロのかわりに、それぞれチェレスタ、ヴァイオリン、バスーンが使われています。そのためか、全体に響きが遊園地の音楽ふうというか、ストリート・オルゴール風のものになっています。「魔笛」の一場面に出てきそうな、あるいは映画「ビッグ」の背景音楽に使えそうな、そんな雰囲気の楽しい音楽です。

演奏は、フルートがマクサンス・ラリュー、オーボエがピエール・ピエルロ、ヴァイオリンがロベール・ジャンドル、バスーンがポール・オンニュ、チェレスタがロベール・ヴェイロン=ラクロワの5人組。1977年10月に、石橋メモリアルホールで収録された、DENON の初期デジタル録音です。幸い、高音域に妙なデジタル歪みは感じられません。たいへん鮮明で、聞きやすい音だと思います。

■パリ・バロック・アンサンブル time=9'47"
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