徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

散歩の風景

2005-07-23 20:40:09 | その他
 最近、夕食後にはほとんど毎日約4キロほどの散歩をしている。自宅から坪井川遊水公園までの往復だ。坪井川沿いの土手の道を通るのだが、我々の若い頃を思い出すと、この周辺の風景もすっかり変わった。散歩コースの一部は高校時代の通学路でもあり、1960年頃の風景は今でもはっきり憶えている。この一帯は当時、通称「田畑(たばた)」と言っていた。つまり田んぼや畑が広がる農業が盛んな地域だったのだ。ところが今は農業を営む人がいなくなり、あたりは雑草が生い茂り、ところどころには沼地も点在するプリミティブな状態に戻ってしまった。戻ったといってもいったいどのくらい時代をさかのぼるのだろうか。ふとこう考えた。日本に稲作が伝わったのが紀元前300年、つまり弥生時代で、邪馬台国が生まれる500年以上も前といわれているが、おそらくその何年か後にはこの坪井川流域でも農業が始まっていたのではないか。元来、水の豊かな地域だからきっとそうに違いないと思う。それ以来連綿と続いてきた農業が、2300年の時を経て、今初めて姿を消したのではないか。と考えると、毎日何気なく眺めていた風景が、とても重要な問題を含んでいて、はたしてこのままでいいんだろうかという思いに駆られてきた。