徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

映画三昧

2006-01-16 15:12:25 | 映画
 最近はレンタル店に並ぶ旧作映画のDVDもタイトル数が多くなった。旧作はあまり宣伝もしないので見落としがちだが、昔、映画館で観た懐かしい作品に出会った時は旧友に会ったような気分になる。何といってもDVDは圧倒的に画面が鮮明なので昔、スクリーンで観た時のイメージが壊れないのが嬉しい。
 そんな作品の中から最近観た2本を紹介したい。いずれも50年代の終わり頃に製作された映画で、ハリウッドの黄金期が終わりに近づき、最後の輝きを放っているような感がある2本だ。

「媚薬」(1958年)
ニューヨークに棲む魔女がビジネスマンに恋をするというファンタジック・ラブコメディで、その後TVで大ヒットした「奥様は魔女」の元ネタといわれている。魔女を当時人気絶頂のキム・ノバクが演じ、妖しい魅力を振りまいている。お相手はヒッチコックの「めまい」でもコンビを組んだ”アメリカの良心”ことジェームズ・スチュワート。脇役もジャック・レモン、エルザ・ランチェスター、アーニー・コヴァックスなど芸達者が固めている。監督はキム・ノバクと永く恋人関係にあったリチャード・クワイン。

「許されざる者」(1959年)
名監督であり名優でもあるジョン・ヒューストン監督による西部劇。かつて世紀の大失敗作ともいわれたが、オードリー・ヘップバーン唯一の西部劇という希少価値もあり、今日見直してみると格調高い良い作品だ。この映画は製作前から話題になっていたことを思い出すが、撮影中のオードリーの落馬事故もあったりして公開が遅れた。ヒューストンは人種問題を軸としたシリアスドラマにしたかったらしいが、製作のヘクトヒル・ランカスタープロ側は大活劇を望んだらしく、中途半端な妥協をしたことが前述の酷評につながった。オードリーの美しさを目の当たりにすると、そんなことはどうでもよくなる。