徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

ジュリア

2008-02-21 10:45:51 | 映画
 昨夜、BS2で映画「ジュリア」を放映した。何回見ても良い映画は良い。リリアン・ヘルマンの自伝的小説の映画化だが、彼女の幼友達ジュリアは実在の人物ではなく、リリアンが創造した理想の女性像ではないかともいわれている。反ナチス運動家ジュリアと幼い頃から彼女に憧れて育ったリリアン。同性愛的な二人の関係を軸に物語は展開する。この二人を演じるヴァネッサ・レッドグレイブとジェーン・フォンダの競演が圧巻。特に二人が再会し、そして最後の別れとなるベルリンのカフェのシーンはこの映画の中でも白眉のシーンだ。
 監督は「真昼の決闘」や「地上より永遠に」などで知られるフレッド・ジンネマン。この人は多作ではないが、真っ正直な作風が好きだ。
 リリアン・ヘルマンと言えば、ウィリアム・ワイラーがオードリー・ヘップバーンとシャーリー・マクレーンで撮った「噂の二人」の原作者でもあるが、こちらも同性愛がテーマとなっている。その他ではマーロン・ブランドの「逃亡地帯」の脚本なども手掛けており、映画ファンにもおなじみだ。また彼女に永年連れ添ったハードボイルド作家のダシール・ハメットもハンフリー・ボガートの「マルタの鷹」などの映画化作品を通じて知ったが、彼の「血の収穫」は黒澤明の「用心棒」の原典としても知られている。そんなこんな、いろんなことを連想しながら映画を見ていた。