徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

阿波のいただきさん

2008-10-13 18:15:03 | その他
 今日は特に予定も無かったので、先日の四国旅行で美波町由岐支所を訪れた際、いただいた「阿波のいただきさん」に関する資料を読み込むことにした。「いただき」とは、頭の上に物を乗せて運ぶことをいう。頭上運搬は世界各地で見られるが、日本においても地方によっては、この運搬方法が行なわれた時代があった。中でも「阿波のいただきさん」と呼ばれた海産物行商は、徳島県の阿部や伊座利の人々によって江戸時代末期から昭和初期まで続いた。日本全国に販路を求めたその逞しい行動力から、民俗学者・柳田國男をして「わが国民俗学上、特筆大書すべきものである。」と言わしめた。
 現在、書き進めているシナリオの主人公・海達公子の出生の謎は、公子研究の第一人者・規工川佑輔先生によって解明されたが、公子の出生地がなぜ長野県の飯田だったのか。そして天才少女詩人として、その稀有な才能を発揮した場所がなぜ熊本県の荒尾・玉名だったのか。それは公子の両親が徳島県旧阿部村の「阿波のいただきさん」であった、つまり公子のルーツは「阿波のいただきさん」であることを知ることによって明らかになったのである。


佐藤政一 画