徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

二つの終戦ドラマ

2010-08-15 23:00:23 | テレビ
 今年の終戦記念日にちなんだ番組の中で、この二つだけは見逃すまいと思っていた、TBSの「歸國」とNHKの「15歳の志願兵」。「歸國」は脚本が倉本聰ということもあり、また興味深いキャストだったので特に期待した。南の海で散った英霊たちには、今の日本はどう映るのか、という着想は面白いのだが、語られるエピソードは、コマ切れなので今いち感動は薄かった。このドラマのテーマでもある「戦後、日本人は豊かで幸せな国を目指して頑張ってきたのに、どこで何が間違ったんだろう?」という問いかけは、今、多くの日本人が認識していることでもある。真に英霊たちの鎮魂ができるような日本の国ができるのは、いったいいつのことなのだろうか。
 一方の「15歳の志願兵」、これはまさしく今夏のベストドラマだと思う。実話に基づいている話だけにリアリティがあり、戦争末期の狂気じみた時代に翻弄される家庭や家族の様子がよく伝わってくる。運命が分かれる二人の少年を演じる池松壮亮と太賀の演技は秀逸。ここ数年の戦争関連ドラマの中でも出色の感動編だ。