ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

中古車を買う

2012-06-14 05:00:00 | 田舎

紀伊姫の家へ一度でも来たことのある方ならお分かりだと思いますが、最後の曲がり角を曲がるとそこはとてつもなく狭い道、いや車が通るには十分な広さはあるのですが、両側に建っている壁が圧迫していてギリギリ感を演出するのです。壁が無ければ細いと言えども何ともない道幅なのですが、やはり壁が与える圧迫感は強い、だいたい両側に何もなければ車輪さえ脱輪せねばいいのですから、例えばタイヤの幅が10cmあれば、9cmはみ出しても車は通るのです。

             

まぁ、ガソリンも高騰していることですし、田舎の山道を走るのは結構ガソリンを食うし、田舎の生活には大きな車は不要だと思い、この際軽自動車を買おうと思ったのでした。決して買い換えたわけではありません。

今や景気の低迷で軽車輌を求める人が多いので、競争が高いとは聞いていました。

             

田舎で乗り回すことやし、何でもエエやろと思って、GW明けに随分付き合いの長い自動車屋に軽バンを頼んでおいたのです。金環日食を観に姫へ帰る頃に「オークションでエエ車見つけた」と電話がありました。

メーカーや車の名前、年式、車体の色、装備など一切報告はありません。「どんなんか見るか?」とも連絡が無いのです。私としては何でもエエとは言いながらもとても不安なのです。まぁ車屋の言う「エエ車や」という言葉だけを信じていたのです。

             

いつまでも車屋に預かっておいてもらうわけにもいかず、かといってソフトボールの無い恒例の第3土日は九州へ誘って貰っているし、急に先週の月曜日に「明日帰るから車持って来て」と頼んだのでした。12時前になってやっと持って来てくれました。自分が田舎に帰るときには4時にでも出発するのに、他人が何時頃には着きたいかなどは考えてないのですね。お陰で前日タモの柄を買った財布には4000円しか入って無く、銀行に行ってる時間もありません。

             

やって来た時は何の変哲もない車やなぁという感想、所謂ポリシーが無いのです。ポリシーといえば何の変哲も無いところと答えられるかも知れません。でも乗ってみて、とてつも無いものを買わされたと思うのです。まず、運転席のシートが破れています。中古車とはこんなものなのか、中古車を買ったことのない私にはよく分かりません。

ガソリンの残量が不安だったので、ガソリンの注入口を開くための装置が走行中いくら探してもありません。電話で問い合わせると「ガソリンスタンドの奴が知ってる」という返事、売りつける方がそんなんでエエの?と思ってしまいます。結局ドアの下部に・・・それもキーで開け閉めするような代物です。

             

こんなものは慣れの問題なのでしょうが、ブレーキとアクセルの間隔が狭過ぎて、アクセルがうまく踏めません。何時まで経っても走らんと思っていたらタイヤの上の盛り上がった床を踏んでいました。こんなことって後ろから車が来てたら危ないですよね。

初めて乗って高速道路へ出ると言うのも酷な話ですが、時速80kmも出すと五月蠅くて仕方ありません。外に対してどんな音を立てて走っているのか、環境に対して気を使います。おまけに自分の頭までヘンになりそうな喧しさなのです。速度を上げようと思っても車輌のパワーもさることながら、私に与える生理的な現象もあって儘にはなりません。

             

軽自動車はガソリンを食わんと思いこんでいる私ですが、タンクの容量が違うとは言え、メーターの指針はクロスロードとあまり変わりありません。つまり家を出る時満タンにしたクロスロードが串本に着いた時のメーターの指針はこの角度とほぼ同じ、この軽は紀ノ川のインターで満タンにしてこれです。クロスロードの満タンが60リットル、この軽が40リットルだとすると、同じ指針なら3分の2の量のガソリンで到着できる筈ですが、家から紀ノ川インターまでを走った距離が加算されねばなりません。これでは燃費を倹約しようという思いはパァになってしまいます。

             

オートマですがレバーがこんなところに付いています。これには辟易です。ワイパーのレバーも短くて扱い難いし、間欠ワイパーではありません。

パワーウィンドウでは無いので、走行中(走行中で無くても)の窓の開け閉めが大変ですし、反対側の窓の操作は出来ません。

             

後部にもひどい穴が見受けられます。ホントにこんなものが商品になるのか疑ってしまって仕方ありません。

             

今はキーを持って近づくだけで解錠され、離れると施錠されるシステムまであり、キーレスエントリーが絶対必要とは言いませんが、欲しいと思うものは付いていません。でもこんな不要なものが装備されていました。喫煙しない私にとっては、これを見るだけでヤニの臭いがしてきて、おぞましい思いです。

全く持って不可解なのは運転席のドアで施錠しても全部のドアは施錠されません。全部一つ一つ施錠して回らなければならないし、逆もまた然り。いつか中の物が盗難に会うような気がしてなりません。

             

後部座席には未だ座ってないし、よくは点検していませんが、先ずはシートベルトがありません。今の道交法ではアカンでしょ。

             

ラゲッジスペースはキズだらけ、いったい何処が良くてこんな車を選んでくれたのか、どの点をとって「エエ車や」と判断したのか、選んだ人のセンスがこんなものだったのでしょうが、その人を信じた私自身が自己嫌悪に陥りそうです。私だったら10万円ぐらいなら買うかも(あくまでも“かも”です)知れませんが、それ以上なら絶対に買いません。私にとっては体裁から実用まで、それぐらいの価値にしか相当しないと言うことです。

             

あまりの装備にこの車は何年式なのかとリアウィンドウを見ると、平成12年の排出ガス低減の認可を受けています。つまりその当時のもの、12年も乗り回していた車です。私のカリブは10年で廃車にしたはず、それ以上乗り回していたなんて信じられません。

因みにこの車、いくらしたと思います?聞いてビックリ!52万円です。いくら親しいからといっても、自分の価値だけで判断した物を他人に押しつけるようなことをしてはいけません。自分が気に入った(エエものや)と思っても、他人が気に入るかどうかは分からないからです。ネット上で探せば写真やプロフィールはちゃんと載せていますし、それぐらい出せば、軽車両なら新古車でもありそうです。値段はさておいても、実物を先に見てたら手を打たなかったでしょうね。

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