【ロイター】 3月8日16:00分、""リスク回避が広がれば、円高進行も＝来週の外為市場 ""

(米ドル/円チャート)
1分足 19/03/09 06:59
111.15　、0.00




　①　""リスク回避が広がれば、円高進行も＝来週の外為市場 ""

2019/03/08 16:00

［東京　８日　ロイター］ -

来週の外為市場では、中国や世界景気への懸念を背景としたリスク回避の地合いが続くと予想される。ドルと円は綱引き状態を続けそうだが、米国の重要経済指標が弱い場合や株価が調整局面にとどまる場合は、リスク回避の円買いが優勢となる見込みだ。

🌹 予想レンジは
　　　　ドル／円が１１０．００━１１２．５０円、
　　　　ユーロ／ドルが１．１１００―１．１３００ドル。

リスク回避の主因は、中国の景気低迷と世界的な景気減速に対する懸念だ。
中国は５日、全国人民代表大会で２０１９年の経済成長目標を引き下げた。[nL3N20S0OX]８日発表の２月貿易統計では、ドル建て輸出が前年同月比２０．７％減と大幅に落ち込んだ。[nL3N20V1J2]

経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）は６日、世界の経済成長率見通しを、昨年１１月に続いて再度下方修正した。[nL3N20T2LJ]

★ 外為市場ではリスク回避時にはドルと円が両方買われる傾向があるが、その度合いが強まると円買いが先行しやすい。

トウキョウフォレックス上田ハーローの営業推進室長、阪井勇蔵氏は「来週はドルと円のせめぎ合いで、どちらが先に抜け出すかを競うことになりそうだ。米小売売上高や物価関連指標が強ければドルは１１２円台を目指す機運が高まるかもしれないが、指標が弱く、調整含みの日米株価が反転できなければドルは一段安となるだろう」みている。

８日東京の取引でドルは１１１．３５／４０円の下値支持線を割り込み１１０．９５円まで下落、８日ぶり安値をつけた。

★ 欧州中央銀行（ＥＣＢ）は７日の理事会でフォワードガイダンスを修正し、貸出条件付き長期資金供給オペ（ＴＬＴＲＯ）の第３弾を決定。また、今年の成長率見通しを引き下げた。[nL3N20U3B5]

緩和方向の措置が市場の想定より早期かつ大幅だったことで、ユーロ圏の国債利回りは急低下。ユーロは１．１１７６ドルと２０１７年６月以来の安値をつけた。

大和証券のチーフ為替アナリスト、亀岡裕次氏は「今月内に限ればユーロの下落余地は１．１０００ドル程度まであるとみているが、それ以上の急落は予想していない」と指摘。今後は、下げ余地があると見込む米長期金利が一段と低下すれば、ユーロが対ドルで一本調子で下げる可能性は低いとみている。

　　米連邦準備理事会（ＦＲＢ）のブレイナード理事は７日、政策金利の見通しを引き下げるべきと主張。[nL3N20U45C]次回３月２０日の米連邦公開市場委員会（ＦＯＭＣ）で、実際にメンバーの金利見通しが引き下げられるか注目される。

「ＥＣＢとＦＲＢが緩和方向へとかじを切る一方で、現状で日銀が追加緩和を実施することは困難とみられ、結果的に円が買われる流れとなりそうだ」と亀岡氏はみている。

【ロイター】 3月8日15:37分、""不安定な値動き、米国株の調整局面入りに警戒感＝来週の東京株式市場

(独DAX30指数チャート)
5分足 19/03/08 17:45 CET
11,457.84　、▼59.96




　①　""不安定な値動き、米国株の調整局面入りに警戒感＝来週の東京株式市場 ""

2019/03/08 15:37

［東京　８日　ロイター］ -

来週の東京株式市場は、不安定な値動きが予想される。世界景気の減速懸念が広がる中、足元で上値の重い米国株が調整局面入りすれば、日本株への影響は避けられない。２月米雇用統計や１月米小売売上高など米経済指標への注目度が増すとみられる。一方、相対的な為替の落ち着きは支えになる。極端な円高に振れなければ、日経平均の下値も限られそうだ。

🌹 日経平均の予想レンジは２万０５００円―２万１５００円。

年初から順調な回復基調をたどってきた米国株に頭打ちの兆しが出てきた。世界景気の減速懸念に加え、足元の米経済指標は強弱入り混じる状況であり、「米国さえ強ければ何とかなる」という楽観的な見方が揺らぎつつつある。

　☆彡　当面は８日の２月米雇用統計、１１日の１月米小売売上高、１２日の２月米消費者物価指数（ＣＰＩ）、１３日の１月米耐久財受注、１５日の２月米鉱工業生産などの経済指標が注目される。

市場では「米ＩＴ大手の株価が戻り切れず、米国株はけん引役が不在の状況だ。小売売上高の伸び悩みなど経済指標の内容次第で米国株を下押す可能性もある」（野村証券シニア・インベストメント・ストラテジストの田之上章氏）とみられている。国内には手掛かり材料が乏しく、日本株は米国株の影響を強く受けることになりそうだ。

一方、米連邦準備理事会（ＦＲＢ）の利上げ停止方針に続き、７日には欧州中央銀行（ＥＣＢ）が利上げ時期を来年以降に先延ばしすると表明した。米欧中銀がハト派に傾斜する中で、ドル／円が１１１円台を維持していることは日本株の支えになる。投機筋を刺激するような円高がなければ、先物主導で株価急落を招く可能は低いとみられる。

海外投資家は２月４週まで９週連続で日本株の先物を買い越している。上場企業の自社株買いが続いているほか、３月期末に向けて配当取りの買いが入ることも予想されるなど需給面は悪くない。海外では１２日に英下院でメイ首相の修正欧州連合（ＥＵ）離脱案の採決が行われる。政治イベントの前後にボラティリティーが高まる可能性がある。

※経済指標予測[JP/FOR]

【sbi証券・オープン情報】 3月9日05:00分、""経済指標（週間）; 3月8日(金)～14日(木)""

(上海総合指数チャート)
5分足 19/03/08 15:59 CST
2,969.86　、▼136.55




　①　""経済指標（週間）; 3月8日(金)～14日(木)""

　　　更新時間 2019/03/09 05:00頃

🌸3/8（金）

時刻 地域 指標 前回 予想 結果
6:45 NZ 製造業売上高（前期比）-4Q 2.0%⇒1.8% -- -0.5%
★8:30 日本 家計調査消費支出（前年比）-1月 0.1% -0.5% 2.0%
★8:50 日本 名目GDP（前期比）-4Q 0.3% 0.3% 0.4%
★8:50 日本 GDPデフレーター（前年比）-4Q -0.3% -0.3% -0.3%
★8:50 日本 国際収支[経常収支]-1月 4528億円 1610億円 6004億円
★8:50 日本 実質GDP（前期比年率）-4Q 1.4% 1.7% 1.9%
★8:50 日本 実質GDP（前期比）-4Q 0.3% 0.4% 0.5%
★8:50 日本 国際収支[貿易収支]-1月 2162億円 -11331億円 -9648億円
12:16 中国 貿易収支-2月 391.6億USD 262.0億USD 41.2億USD
12:17 中国 貿易収支-2月 2711.6億元 2500.0億元 -344.6億元
★13:30 日本 企業倒産件数（前年比）-2月 4.88% -- -4.53%
★14:00 日本 景気ウォッチャー調査[先行き判断DI]-2月 49.4 49.8 48.9
★14:00 日本 景気ウォッチャー調査[現状判断DI]-2月 45.6 46.2 47.5
16:00 ノルウェー GDP（前月比）-1月 0.0% --
16:00 ドイツ 製造業受注（前年比）-1月 -7.0%⇒4.5% -3.2% -3.9%
16:00 ドイツ 製造業受注（前月比）-1月 -1.6%⇒0.9% 0.5% -2.6%
16:45 フランス 鉱工業生産（前年比）-1月 -1.4%⇒2.5% 0.5% 1.7%
16:45 フランス 経常収支-1月 -11億EUR⇒-1億EUR -- 9億EUR
16:45 フランス 製造業生産指数（前年比）-1月 -1.0%⇒-2.0% -0.2% 0.9%
16:45 フランス 鉱工業生産（前月比）-1月 0.8%⇒0.0% 0.1% 1.3%
16:45 フランス 製造業生産指数（前月比）-1月 1.0%⇒0.4% -0.2% 1.0%
16:45 フランス 貿易収支-1月 -46.53億EUR⇒-35.70億EUR -49.41億EUR -41.95億EUR
22:15 カナダ 住宅着工件数-2月 20.80万件⇒20.68万件 20.50万件 17.32万件
22:30 米国 非農業部門雇用者数-2月 304千人⇒311千人 180千人 20千人
22:30 米国 製造業雇用者数-2月 13千人⇒21千人 12千人 4千人
22:30 米国 平均時給（前月比）-2月 0.1% 0.3% 0.4%
22:30 米国 平均時給（前年比）-2月 3.2%⇒3.1% 3.3% 3.4%
22:30 カナダ 失業率-2月 5.8% 5.8% 5.8%
22:30 米国 建設許可件数-1月 132.6万件 128.7万件 134.5万件
22:30 米国 住宅着工件数（前月比）-1月 -11.2%⇒14.0% 10.9% 18.6%
22:30 カナダ 労働参加率-2月 65.6% 65.6% 65.8%
22:30 カナダ 雇用ネット変化率-2月 66.8千人 1.2千人 55.9千人
22:30 カナダ 設備稼働率-4Q 82.6%⇒82.8% 82.0% 81.7%
22:30 米国 建設許可件数（前月比）-1月 0.3% -2.9% 1.4%
22:30 米国 失業率-2月 4.0% 3.9% 3.8%
22:30 米国 住宅着工件数-1月 107.8万件⇒103.7万件 119.5万件 123.0万件

🌸3/11（月）

時刻 地域 指標 前回 予想 結果
★8:50 日本 マネーストックM3（前年比）-2月 2.1% 2.1%
★8:50 日本 マネーストックM2（前年比）-2月 2.4% 2.4%
★15:00 日本 工作機械受注（前年比）-2月 -18.8% --
16:00 ドイツ 経常収支-1月 210億EUR --
16:00 ノルウェー 消費者物価指数（前月比）-2月 -0.5% --
16:00 トルコ GDP（前期比）-4Q -1.1% --
16:00 ドイツ 労働コスト（前年比）-4Q 2.7% --
16:00 ドイツ 労働コスト（前期比）-4Q 1.0% --
16:00 ノルウェー 消費者物価指数（前年比）-2月 3.1% --
16:00 ドイツ 鉱工業生産（前月比）-1月 -0.4% 0.4%
16:00 ドイツ 鉱工業生産（前年比）-1月 -3.9% -3.1%
16:00 ドイツ 貿易収支-1月 139億EUR⇒143億EUR --
16:00 トルコ 経常収支-1月 -14.4億USD -6.5億USD
16:00 トルコ GDP（前年比）-4Q 1.6% -2.5%
16:30 フランス 企業センチメント指数-2月 99 --
21:30 米国 小売売上高[除自動車]（前月比）-1月 -1.8% 0.4%
21:30 米国 小売売上高（前月比）-1月 -1.2% 0.0%
23:00 米国 企業在庫（前月比）-12月 -0.1% 0.6%

🌸3/12（火）

時刻 地域 指標 前回 予想 結果
★8:50 日本 景況判断BSI[大企業製造業]（前期比）-1Q 5.5 --
★8:50 日本 景況判断BSI[大企業全産業]（前期比）-1Q 4.3 --
9:30 豪州 NAB企業信頼感指数-2月 4 --
9:30 豪州 NAB企業景況感指数-2月 7 --
14:00 シンガポール 小売売上高（前年比）-1月 -6.0% --
14:00 シンガポール 小売売上高（前月比）-1月 -0.3% --
15:30 フランス 雇用者数[民間部門]（前期比）-4Q 0.1% --
18:30 英国 サービス業指数[3カ月/3カ月]-1月 0.4% --
18:30 英国 製造業生産高（前月比）-1月 -0.4% -0.1%
18:30 英国 鉱工業生産（前年比）-1月 -0.9% -1.6%
18:30 英国 鉱工業生産（前月比）-1月 -0.5% -0.1%
18:30 英国 商品貿易収支-1月 -121.02億GBP -121.05億GBP
18:30 英国 製造業生産高（前年比）-1月 -2.1% -2.0%
19:00 米国 NFIB中小企業楽観指数-2月 101.2 102.5
21:30 米国 消費者物価指数（前月比）-2月 0.0% 0.2%
21:30 米国 消費者物価指数[コア]（前年比）-2月 2.2% 2.2%
21:30 米国 消費者物価指数[コア]（前月比）-2月 0.2% 0.2%
21:30 米国 消費者物価指数（前年比）-2月 1.6% 1.6%

🌸3/13（水）

時刻 地域 指標 前回 予想 結果
6:45 NZ 食品価格（前月比）-2月 1.0% --
8:30 豪州 ウエストパック消費者信頼感指数-3月 103.8 --
★8:50 日本 機械受注（前年比）-1月 0.9% -2.3%
★8:50 日本 機械受注（前月比）-1月 -0.1% -1.6%
★8:50 日本 国内企業物価指数（前月比）-2月 -0.6% 0.1%
★8:50 日本 国内企業物価指数（前年比）-2月 0.6% 0.7%
★13:30 日本 第三次産業活動指数（前月比）-1月 -0.3% -0.3%
19:00 南アフリカ BER企業信頼感-1Q 31 --
19:00 欧州 鉱工業生産（前年比）-1月 -4.2% -2.1%
19:00 欧州 鉱工業生産（前月比）-1月 -0.9% 0.5%
20:00 米国 MBA住宅ローン申請指数（前週比）-3/8 -2.5% --
21:30 カナダ 住宅価格指数（前年比）-2月 2.2% --
21:30 カナダ 住宅価格指数（前月比）-2月 -0.1% --
21:30 米国 耐久財受注[除輸送用機器]（前月比）-1月 0.1% 0.3%
21:30 米国 耐久財受注（前月比）-1月 1.2% -0.8%
21:30 米国 生産者物価指数（前年比）-2月 2.0% 1.9%
21:30 米国 生産者物価指数[コア]（前月比）-2月 0.3% 0.2%
21:30 米国 生産者物価指数（前月比）-2月 -0.1% 0.2%
21:30 米国 生産者物価指数[コア]（前年比）-2月 2.6% 2.6%
23:00 米国 建設支出（前月比）-1月 -0.6% 0.6%
23:30 米国 EIA原油在庫（前週比）-3/8 7069kbbl --

🌸3/14（木）

時刻 地域 指標 前回 予想 結果
9:00 豪州 消費者インフレ期待-3月 3.7% --
9:01 英国 RICS住宅価格-2月 -22% -24%
11:00 中国 鉱工業生産[年初来]（前年比）-2月 6.2% 5.5%
11:00 中国 小売売上高[年初来]（前年比）-2月 9.0% 8.1%
11:00 中国 固定資産投資[都市部/年初来]（前年比）-2月 5.9% 6.0%
16:00 ドイツ 調和消費者物価指数（前月比）-2月 0.5% 0.5%
16:00 ドイツ 消費者物価指数（前年比）-2月 1.6% 1.6%
16:00 ドイツ 消費者物価指数（前月比）-2月 0.5% 0.5%
16:00 ドイツ 調和消費者物価指数（前年比）-2月 1.7% 1.7%
16:00 トルコ 鉱工業生産（前月比）-1月 -1.4% --
16:00 トルコ 鉱工業生産（前年比）-1月 -9.8% -8.0%
16:30 スイス 生産者輸入価格（前月比）-2月 -0.7% --
16:30 スイス 生産者輸入価格（前年比）-2月 -0.5% --
16:45 フランス 消費者物価指数（前年比）-2月 1.3% 1.3%
16:45 フランス 調和消費者物価指数（前年比）-2月 1.5% 1.5%
16:45 フランス 調和消費者物価指数（前月比）-2月 0.1% 0.1%
16:45 フランス 消費者物価指数（前月比）-2月 0.0% 0.0%
17:30 香港 生産者物価（前年比）-4Q 0.1% --
17:30 香港 鉱工業生産（前年比）-4Q 1.2% --
20:00 南アフリカ 製造業生産（前年比）-1月 0.1% 0.8%
20:00 南アフリカ 製造業生産（前月比）-1月 0.7% -0.4%
21:30 米国 輸入物価指数（前月比）-2月 -0.5% 0.3%
21:30 米国 新規失業保険申請件数-3/9 22.3万件 --
21:30 米国 輸入物価指数（前年比）-2月 -1.7% --
21:30 カナダ 新築住宅価格指数（前月比）-1月 0.0% --
21:30 カナダ 新築住宅価格指数（前年比）-1月 0.0% --
21:30 米国 失業保険継続受給者数-3/2 175.5万人 --
23:00 米国 新築住宅販売件数（前月比）-1月 3.7% 1.0%
23:00 米国 新築住宅販売件数-1月 62.1万件 62.8万件
23:30 米国 EIA天然ガス貯蔵量（前週比）-3/8 -149bcf --

【hazard lab】 3月10日06:00分、""見たものを石に変える 巨大ウイルス「メドゥーサ」温泉水から発見！""

(ギリシャ神話の怪物メドゥーサと同じように、宿主のアメーバを休眠状態にするウイルス（ミケランジェロ作/Wikimedia Commons） )




①　""見たものを石に変える 巨大ウイルス「メドゥーサ」温泉水から発見！""

 2019年03月10日 06時00分

感染症や食中毒を引き起こす「細菌」や「ウイルス」の違いをご存知だろうか？どちらも目では見えない小さな存在だが、細菌がひとつの細胞を持っていて、栄養を摂取して増殖する“生物”であるのに対し、細胞を持たないウイルスは、他の細胞を利用しないと生きられないという意味では“非生物”だ。

　その常識をくつがえすような巨大なウイルスが北海道の温泉の泥水から見つかった。名前は「メドゥーサ」だ！

②　巨大ウイルスが生物学の常識をくつがえす！

(1992年にアメーバーの中で見つかったミミウイルス。これより大きいのは、2011年にチリで見つかった「メガウイルス・キレンシス」というウイルスもある（Wikimedia Commons）)




　一般に、細菌の大きさが1ミリの1000分の1の1マイクロメートル（μｍ）に対し、ウイルスはその1000分の1小さな1ナノメートル（nm）というのが生物学の常識。

　ところが1992年にフランスの研究者が見つけた「ミミウイルス」は違った！アメーバを宿主として増殖し、サイズとゲノムの長さは数多くの単細胞生物を凌ぐ大きさ（＝750nm）と複雑さであったことから、「ウイルスは小さくて単純なもの」という固定観念がくつがえり、世界中の研究者が巨大ウイルスの調査を開始。

　日本でも東京理科大学の研究グループらによって、「トーキョーウイルス」や「ミミウイルス・シラコマエ」などが発見されている。

　③　宿主のアメーバが休眠状態に陥る

(a電子顕微鏡で見たミミウイルス、bは粒子の断面図、cはbの黄色い部分の拡大画像（京都大学）)




　京都大学化学研究所の緒方博之教授や、東京理科大、生理学研究所などの共同研究チームは、北海道の温泉地の湯だまりと底にたまった泥水からアメーバを宿主とする未知のウイルスを発見した。

　粒子のサイズは260nmと、歴代の巨大ウイルスの中では、さほど大きくはないが、ゲノム解析の結果、461個のタンパク質遺伝子のうち、6割の279個がデータベースに登録されていない新規の遺伝子であることが判明。

　さらに、宿主のアメーバに寄生すると、感染過程で一部のアメーバ細胞が厚い膜をかぶって休眠状態（シフト化）に入ることがわかった。研究グループは、見たものを石に変えるギリシャ神話の怪物を連想させることから、この巨大ウイルスを「メドゥーサ」と命名した。

　④　生物の祖先はウイルスとともに進化？

(メドゥーサウイルスは、粒子の表面をまち針状のスパイクで覆われている。右はヒストン遺伝子の系統樹の模式図。ヒストン遺伝子は、遺伝子水平移動によってウイルスから真核生物にもたらされたのかもしれない（京都大）)



　さらに、メドゥーサウイルスはすべての「ヒストン遺伝子」をゲノム内に持っていることが判明。ヒストンとは、ヒトや植物、菌類、アメーバなど細胞を持った生物に必須な5種類のタンパク質で、その一部を持ったウイルスは過去にも報告されているが、全セットを保持しているのはメドゥーサウイルスが初めてだという。

　研究チームは、メドゥーサウイルスと宿主のアメーバの間では、進化の過程で数多くの遺伝子の受け渡しが起きていたことを突き止め、「生物の祖先は、古代のウイルスからヒストン遺伝子を獲得した可能性」を示していると結論づけた。今後はメドゥーサウイルスの感染過程を分子レベルで解明し、ウイルスと太古の生物がともに歩んだ進化の歴史を紐解くヒントをつかみたいと話している。

　なおこの研究成果は、米国の国際学術誌『ジャーナル・オブ・バイロロジー』に掲載された。

【nhk news web】 3月9日14:59分、""原発事故８年で避難指示解除へ 大熊町で住民説明会""

(大熊町で住民説明会)




①　""原発事故８年で避難指示解除へ 大熊町で住民説明会""

2019年3月9日 14時59分震災８年

東京電力福島第一原発が立地する福島県大熊町では、来月一部の地域で避難指示が解除される見通しです。９日から始まった住民説明会では、引き続き生活への支援を求める意見が出ていました。

大熊町には、今も全域に避難指示が出されていますが、来月、町の南西部にある大川原地区と中屋敷地区で避難指示が解除される見通しです。
福島第一原発の立地自治体としては、初めての解除となります。

大熊町では９日から住民への説明会を開き、避難先になっている福島県会津若松市の仮庁舎には住民およそ20人が集まりました。

説明会では、ことし６月には、コンビニエンスストアが地区にオープンするなど、生活環境の整備について国や町の担当者が説明していきました。

今後の見通しについて、予定通り２つの地区の避難指示を解除する方針は伝えられましたが、具体的な日にちについては住民からの意見を踏まえて国と協議するとのことで、示されませんでした。

住民からは「無人になった住宅が、いのししに荒らされているので対策をとってほしい」「解除後も避難を続ける住民を含め生活支援を継続してほしい」といった意見が出ていました。

住民説明会は郡山市といわき市でも開かれます。