森羅万象・考える葦  インターネットは一つの小宇宙。想像、時には妄想まで翼を広げていきたい。

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【気象庁】 3月16日22:44分、日向灘で最大震度2!!

2019-03-16 23:06:29 | ☀防災・自然災害/環境対策; 地震.津波.警報、気象・天気、…

(全体図)




(地域図)




(拡大図・宮崎)




(拡大図・大分)




 ① ""各地の震度に関する情報""

平成31年 3月16日22時44分 気象庁発表

16日22時41分ころ、地震がありました。
震源地は、日向灘(北緯32.5度、東経132.2度)で、震源の深さは約20km、地震の規模(マグニチュード)は3.9と推定されます。
この地震による津波の心配はありません。

この地震により観測された最大震度は2です。

[震度1以上が観測された地点]
*印は気象庁以外の震度観測点についての情報です。

宮崎県  震度2  延岡市北川町川内名白石* 川南町川南*
          宮崎都農町役場*
     震度1  延岡市天神小路 延岡市北川町総合支所*
          延岡市北浦町古江* 日向市大王谷運動公園
          日向市東郷町山陰* 西都市上の宮*
          西都市聖陵町* 国富町本庄* 高鍋町上江*
          門川町本町* 宮崎美郷町田代*

大分県  震度1  佐伯市蒲江蒲江浦 佐伯市春日町* 佐伯市上浦*
          佐伯市弥生* 佐伯市米水津* 佐伯市鶴見*
          豊後大野市清川町*

【国立天文台】 3月14日、""地球型惑星の形成現場を描き出す~アルマ望遠鏡で捉えた原始ミニ太陽系~""

2019-03-16 22:52:06 | 🚀🛰宇宙 ; 人類のロマンと挑戦、国立天文台、JAXA、NAS各国・宇宙開発…


 ① ""地球型惑星の形成現場を描き出す~アルマ望遠鏡で捉えた原始ミニ太陽系~""

3019.3.14

国立天文台ハワイ観測所の工藤智幸氏らの国際研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、このおうし座DM星の周りに存在する円盤の構造の詳細な観測を行いました。その結果、おうし座DM星の周囲の原始惑星系円盤の塵の分布を、 🌀6天文単位という、これまでにない高い空間解像度でとらえることに成功し、私たちの太陽系とよく似た構造が描き出されました。

近年、我々の太陽系以外にも多くの惑星が発見されてきています。それらは多様性に富んでおり、形成過程については多くの謎が残されています。その謎を解く鍵は、惑星が生まれる土台である 「原始惑星系円盤」にあります。原始惑星系円盤は、星が生まれる時にその周りに形成される、塵やガスでできた、回転する円盤状の構造です。この中で、数百万年程度の時間をかけて塵が集積することにより、惑星が誕生すると考えられています。

したがって、惑星形成を理解するためには実際の原始惑星系円盤の観測が不可欠です。特に、原始惑星系円盤における塵の分布を知ることは、そこで生まれてくる惑星系の原材料の分布を知ることにつながります。しかし、地球のような岩石惑星の形成現場は中心の星に近い場所であると考えられ、見かけの大きさが極めて小さいので観測がとても難しく、塵の分布に関する情報が乏しい状況が続いていました。

アルマ望遠鏡は、高い解像度と感度を持つ世界最大級の電波望遠鏡です。この望遠鏡を用いることで、原始惑星系円盤の塵から発せられる微弱な電波を、高い解像度と感度でとらえることが可能になり、円盤の「電波写真」を撮ることができるようになりました。特に、中心星近傍の半径数天文単位以内(1天文単位は距離の単位で、太陽・地球間の平均距離である、約1億5000万キロメートルに相当)の構造をとらえることは、「地球と同じような岩石惑星がどのように形成されるのか?」という疑問に迫るための鍵となる観測として、世界的にも精力的に進められてきています。

おうし座DM星は、地球から距離約470光年の位置にあり、太陽の半分程度の質量を持った、年齢が300~500万歳の若い星(比較として、太陽は46億歳)です。過去に、この星の明るさを様々な波長で調べた結果から、その周囲に原始惑星系円盤が存在することが予想されていました。

また、この原始惑星系円盤は、中心から3天文単位程度の距離より内側に、塵の存在しない「穴」のような構造があることも予想されていました。この「穴」構造は、その中に惑星が存在している可能性を示唆するものです。このことから、おうし座DM星は様々な研究者の注目の対象となってきました。この天体を電波観測によって空間的に分解して撮像しようとする試みは、アルマ望遠鏡以前から、ハワイにあるサブミリ波干渉計(SMA)などで行われてきました。

しかし、その結果見いだされたものは、予想に反し、半径20天文単位(太陽系では天王星の軌道の大きさに相当)程度の大きな穴構造でした。果たして「穴」の大きさは、3天文単位程度の小さなものなのか、20天文単位程度の大きなものなのか?相反する二つの観測があり、おうし座DM星の周囲の原始惑星系円盤の構造は、長年の謎でした。

国立天文台、アストロバイオロジーセンター、工学院大学などの研究者から成る国際研究チームは、アルマ望遠鏡を使って、このおうし座DM星の周りに存在する円盤の構造の詳細な観測を行いました。その結果、おうし座DM星の周囲の原始惑星系円盤の塵の分布を、6天文単位という、これまでにない高い空間解像度でとらえることに成功しました。

(アルマ望遠鏡がとらえた若い星おうし座DM星のまわりの塵の円盤
Credit: ALMA (ESO/NAOJ/NRAO),Kudo et al.)



(アルマ望遠鏡による観測をもとにした、おうし座DM星の想像図。星のまわりに2重の塵の円盤があることがわかりました。credit: 国立天文台)




この円盤は、地球から見た視線に対して35度程度傾いているため、見かけ上は楕円のように見えます。中心星からおよそ20天文単位程度離れた場所に、リング状の構造があることが分かりました。これは、SMAによる観測と一致します。今回の観測によって、このリング状構造の内側の中心付近に弱い放射があることが初めてわかりました。画像では中心付近からの放射は二つの塊のように見えますが、データをより詳しく解析することで、この構造は、半径約3天文単位のリング状構造が望遠鏡の解像度の影響でぼやけて見えたものである、として説明できることが分かりました。今回のアルマ望遠鏡の観測によって、これまで直接見ることができなかった、この天体の円盤の内側、中心星から数天文単位の領域の情報を、画像として得ることができました。これに加えて、半径20天文単位のリング構造の解析をより詳しく行うことで、その場所の塵の分布が一様でないことも明らかにすることができました。またリング構造の外側には、太陽系における冥王星の軌道半径(およそ40天文単位)にあたる場所よりも遠くに、淡く拡がった放射があることが分かりました。

今回の観測で特に注目すべきは、最も内側(中心の星から約3天文単位離れた領域)の位置にある塵の円盤を検出できたことにあります。今回の観測は、「穴」の大きさに関して、相反する(ように見えていた)二つの先行研究に対し、「二つのリング構造があり、どちらの予想も正しい」という形で決着を付けた、決定的なものです。また、今回、おうし座DM星の周囲の原始惑星系円盤の構造が明らかになったことで、惑星形成に対する新たな知見も得られました。今回の観測で得られた結果を、私たちの太陽系の姿と比べてみると、

 (1)おうし座DM星から3天文単位程度の半径のリングと、太陽からおよそ3天文単位の半径にある小惑星帯
 (2)おうし座DM星から20天文単位程度の半径のリングと、太陽からおよそ20天文単位の半径にある天王星
 (3)おうし座DM星から60天文単位より遠方に拡がる淡い塵の分布と、太陽からおよそ30天文単位より外側に拡がるエッジワース・カイパーベルト
と、太陽系とおうし座DM星系が非常によく似た姿をしていることが分かります。

塵がリング状に集まった箇所は、塵どうしが衝突して合体することが起こりやすいため、惑星が形成されやすい環境と考えられます。加えて、中心星から約20天文単位離れた位置のリングに見いだされた非対称な構造は、その場所でさらに塵が多く存在し、惑星の材料がより豊富であること、つまりより大型の惑星が形成されやすいことを示唆します。

以上のことから、太陽系とよく似た惑星系が、おうし座DM星に作られていくことが示唆されます。ただし、おうし座DM星の質量は、太陽の半分程度ですから、この系は、中心星が軽いという「ミニ太陽系」の若かりし頃の姿であると言えるでしょう。「私たちの太陽系と似た姿の惑星系はあるのか?」もしくは「地球のような惑星は他に宇宙に存在するのか?」という疑問は、系外惑星研究における長年の根本的な課題です。この問題に対し、今回の観測は、少なくともその候補となりうる天体を一つ見つけた、という点で、重要なマイルストーンになりました。

本研究によって、おうし座DM星は「ミニ太陽系」へと繋がる原始惑星系円盤を伴っていることが明らかとなりました。一方、太陽系の若かりし頃と同じ姿をした原始惑星系円盤が普遍的に存在しているかどうかを調べるためには、よりたくさんの円盤の観測が必要です。

アルマ望遠鏡を用いた高い解像度の観測は始まったばかりです。今後のアルマ望遠鏡の活躍により、原始惑星系円盤のどれくらいの割合が太陽系に似ているか、ということが明らかになると期待されます。また、「おうし座DM星のまわりにすでに惑星が出来ているのか?」という重要な疑問には、今回の観測で答えることができません。形成途中にある若い惑星本体は赤外線で明るく輝くため、この疑問に答えるためには、赤外線での観測が重要になります。もし誕生初期の惑星を赤外線の画像として直接撮像することに成功し、その形成場所、明るさなどを捉えることができれば、ガスや塵が、いつ、どのように惑星へと進化していくのかが明らかになるでしょう。

おうし座DM星は、私たちの太陽系とよく似た姿をしているため、この天体を詳しく調べることで、私たちの太陽系の起源を探ることにもつながるでしょう。現在、このような観測を可能にしようとする、すばる望遠鏡用の新装置「SCExAO(スケックスエーオー)」が、国立天文台ハワイ観測所で開発されています。電波を観測するアルマ望遠鏡と赤外線を観測するすばる望遠鏡の協力連携で、おうし座DM星の素顔がよりはっきりわかるようになると期待できます。

今回、研究チームが捉えたおうし座DM星の研究結果を一例として、今後、地球型惑星の形成領域を対象とした研究がより一層活発になるでしょう。「様々な手法による観測」、「新装置の開発」、そして観測結果を整合的に説明する「理論」を有機的につなげることで、「太陽系、そして地球がどのように形成されたのか?」を明らかにすべく、研究チームはさらなる挑戦を続けます。

論文・研究チーム
この観測成果は、Kudo et al. “A Spatially Resolved au-scale Inner Disk around DM Tau”として、米国の天文学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」に2018年11月に掲載されました。また、2019年3月13日から開催される日本天文学会2019年春季年会でも発表されます。

この研究を行った研究チームのメンバーは、以下の通りです。
工藤智幸(国立天文台)、橋本淳(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)、武藤恭之(工学院大学)、Hauyu Baobab Liu(台湾中央研究院天文及天文物理研究所)、Ruobing Dong(ビクトリア大学)、長谷川靖紘(NASAジェット推進研究所)、塚越崇(国立天文台)、小西美穂子(自然科学研究機構アストロバイオロジーセンター)

この研究は、文部科学省日本学術振興会科学研究費補助金(No.17K14258,17K14244,26800106,15H02074,17H01103)、および米国NASAジェット推進研究所からの支援を受けて行われました。

Tags : 観測成果 プレスリリース


  ☀ 天文単位 、wikipedia

(天文単位、au)




天文単位(てんもんたんい、英: astronomical unit、記号: au)は長さの単位で、正確に 149597870700 m である。2014年3月に「国際単位系 (SI) 単位と併用される非 SI 単位」(SI併用単位)に位置づけられた。それ以前は、SIとの併用が認められている単位(SI単位で表される、数値が実験的に得られるもの)であった。主として天文学で用いられ、地球と太陽の距離の近似値は約1 auであると述べることができる。

【ロイター】 3月16日10:08分、""コラム:自社株買いを擁護できない理由""

2019-03-16 21:03:26 | 世界&日本全体 ; コロナ、経済、機関(G7、IMF、国連、OECD、WHO)

(NY市・1月撮影)




3月13日、現代資本主義に批判的な多くの人々にとって、自社株買いは制度腐敗の象徴となっており、こと自社株買いについては反対派に理がある。NY市で1月撮影(2019年 ロイター/Shannon Stapleton)


 ① ""コラム:自社株買いを擁護できない理由""

2019年3月16日 / 10:08 / 11時間前更新

Edward Hadas

[ロンドン 13日 ロイター BREAKINGVIEWS]

- 米ゴールドマン・サックスは最近公表した調査リポートで、企業の自社株買いを巡る誤解のいくつかを解き明かそうとしている。しかし、現代資本主義に批判的な多くの人々にとって自社株買いは制度腐敗の象徴となっており、こと自社株買いについては反対派に理がある。

米証券取引委員会(SEC)が1982年に規則を設けるまで、企業が市場で自社株を買い戻すのは容易ではなかった。専門家の間では、自社株買いは社外の投資家にとって不公平な制度だという見方が大勢を占めていた。社内関係者でなければ自社株買いの有無や価格、規模を知りえないためで、担当する経営幹部が立場を悪用する恐れもある。

しかも株主還元には既に配当という手段もあり、その方が優れていて開放性も高い。配当と自社株買いの主な違いは、配当が公平で公開されているのに対して自社株買いは不透明な点だ。企業が通常の配当を維持したいのなら、特別配当を実施することができる。

② しかしSECは1980年代に高まった規制緩和を求める圧力に屈し、おおよその規模や期間を明らかにすることを条件に自社株買いを適法化。他の国の規制当局もSECに追随した。

SECの決定を受けて税務当局は経済的な考察を行い、自社株買いを配当とまったく同じに扱うべきだった。実際には、自社株買いを税制面で優遇し、政府の税収がいくらか減るという副作用も招いた。

会計事務所も経済的な現実に目をつぶる道を選んだ。株式分割や株式による配当支払いのときに行う調整を自社株買いには適用しなかった。自社株買いによって企業の1株当たり利益を人為的に押し上げることができるから、経営者も自社株買いを好んだ。

経営陣は自社株買いに熱心になった。ゴールドマンが1880年以降のS&P総合500種構成企業の株主還元を調べたところ、2009年第3・四半期に始まった現在の景気回復局面では総額8兆ドルが株主に還元され、その60%余りを自社株買いが占めた。

株主還元のせいで設備投資が減っているとの批判が出ることは少なくない。トランプ大統領の先の大型減税で企業の手元キャッシュが増えているだけに、こうした懸念は高まっている。ゴールドマンのまとめによると、企業利益に占める株主還元の割合は1971─82年は半分程度だったが1983─2001年には70%に上昇。2002年以降は90%に高まっており、こうした懸念が裏付けられた形だ。

 ③ ただ、ゴールドマンのリポートは株主還元率について、1880─1980年の78%を現在の数字と比較し、還元率は過去40年間で徐々に正常化しているという逆の結論を導き出した。あり得ないことだ。1959年に関連会社決算の連結化が義務付けられるまで、企業決算は現在と比べて利益が少な目になっていることが多い。また、当時は株主から株主から増資を求める声ももっと頻繁に出ていた。

ゴールドマンのリポートは自社株買いを事実上の配当として正しく扱っており、自社株買いの改革を主張する人々にとって攻撃材料も提供している。

リポートは自社株買いに関する情報の不均衡といった従来からの懸念に取り組んでいないが、非公開の自社株買いは市場を歪めるというのは的を得ている。

また比較的新しく、あまり知られていないことだが、自社株買いには指数連動型投資を歪曲するという問題もある。非公開の自社株買いで発行済み株式数が減ると当該企業の正確な時価総額が把握できない。

こうした問題はいずれも些細なことに思えるかもしれないが、株式市場は公平でなければならない。市場の歪み、とくに企業の内部関係者に有利な歪みは、富裕層や権力を有する層が優位な立場にあるという疑念を引き起こす。

解決が難しい問題もあるが、自社株買いを阻止するのは簡単だ。厳格な会計基準や配当と同等の税制を設け、即時の情報開示を義務付けるのはそれほど難しくはない。世界中の規制当局が単に1980年代のミスを認めるなら、それ以前の状態に戻ることができる。

●背景となるニュース

・米ゴールドマン・サックスは7日、「企業のキャッシュ利用の優先度と自社株買いを巡る
誤解」と題する調査リポートを公表した。

*筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています。

 ※ 日本では自社株買いは、絶好の買い材料で株価は上がるのが一般的で、特にその
  金額や買いの%では、急騰するケースも少なくありません。





【ロイター】 3月16日17:04分、""焦点:新興国株式に「不良債権」の暗雲、海外投資家も警戒の声""

2019-03-16 20:46:43 | 世界&日本全体 ; コロナ、経済、機関(G7、IMF、国連、OECD、WHO)

(トルコのリラ紙幣)




3月11日、新興国株に対する投資家のセンチメントが、今年に入り改善したことを受けて、株価が急伸している。写真はトルコのリラ紙幣。イスタンブールで2018年8月撮影(2019年 ロイター/Murad Sezer)


① ""焦点:新興国株式に「不良債権」の暗雲、海外投資家も警戒の声""

2019年3月16日 / 17:04 / 3時間前更新

Tom Arnold

[ロンドン 11日 ロイター] -

新興国株に対する投資家のセンチメントが、今年に入り改善したことを受けて、株価が急伸している。しかし、多くの銀行で不良債権が増加していることへの懸念が、一部で投資家の熱狂に水を差している。

インドでは、総与信残高に占める不良債権の割合が、世界的にみて高水準となる10%近くに達している。中国やメキシコ、インドネシア、ロシア、トルコとアルゼンチンでも、今年は不良債権比率が上昇すると、アナリストは予想している。

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がトルコとアルゼンチンについて公表した悲観的な見通しは、昨年両国で起きた通貨危機の余波がすでに織り込み済みだとの市場想定を裏切るものだった。

大規模な水準に積み上がった不良債権は、金融セクターや経済成長の妨げになるだけでなく、新興国で台頭する中間所得層に対するエクスポージャーの獲得手段として、長年リテール銀行に対して投資してきた海外投資家にとっても、特別なリスクをはらむ。

② 世界銀行のデータによると、ブラジル、ロシア、インド、中国と南アフリカの新興5カ国(BRICs)における新興国銀行の貸し出しが、2017年には国内総生産(GDP)の平均128%に達し、2007年の同98%から大きく膨らんだ。

だがこのような動きは、クレジットサイクルの変化に脆弱なため、一部ですでに慎重姿勢に転じたファンドマネージャーもいる。

英ファンド運用会社アッシュモア・グループは、中国、マレーシア、韓国、台湾、トルコ、メキシコ、ロシアの新興7カ国における銀行に対してネガティブな見方をしている。ポジティブなのは、インドネシアとインド、ペルーのみだ、と同社で新興国市場を担当する株式ポートフォリオ・マネージャーのエドワード・エバンス氏は言う。

一部の新興国では中央銀行による金融緩和の兆候もあり、商業銀行の一部は、為替エクスポージャーを縮小し、バランスシート上のリスク削減に向けて動いている。

とはいえ、2019年年頭の全般的な金融情勢は、米国における数回の利上げや世界経済の減速懸念から、1年前に比べてタイトになっている。

どの銀行セクターについて暗い見通しを持っているかという問いに対し、資産運用会社イートンバンスで新興国企業ストラテジストを務めるアクバル・コーザー氏は、中国の経済減速が継続した場合のリスクを挙げた。

また、トルコとアルゼンチンの銀行見通しも「それほど強いものではない」と、同氏は付け加えた。

通貨リラの下落と景気後退入りは、借り手の返済能力を阻害するため、トルコの銀行は足場が不安定になっている。11日公表されたデータによると、2018年末の同国GDPは前年比で3%縮小した。

S&Pは先月のリポートで、トルコの不良債権比率が、これまでの予想の倍近い今年6%程度に拡大するとの見通しを示した。公式データでは、1月時点での同比率は4%となっている。

★<対外債務リスク>

トルコや南アフリカ、インドネシアやメキシコでは、海外資金への依存度の高さがリスクになっている、と資産運用会社オッペンハイマーファンズのシニアリサーチアナリスト、タン・グエン氏は言う。

これらの国の対外債務は合計1兆3700億ドル(約152兆円)程度に膨らんでいる。加えて、これらの国を拠点とする企業では財政的圧迫が強まっており、債務返済が困難となって不良債権が膨れ上がる恐れがあると、グエン氏は警告する。

S&Pは今月、メキシコの22金融機関に対してレーティングの見直しを行い、うち数行について見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げた。この中には、米金融大手シティグループの現地子会社シティバナメックスや、同国の富豪カルロス・スリム氏が率いるバンコ・インブルサも含まれていた。

S&Pは一方で、貸出姿勢を慎重化すれば、メキシコの銀行は不良債権の急拡大を回避できるだろうと指摘した。

特にトルコについて、より差し迫ったリスクを危惧する投資家もいる。トルコ中銀は先週、政策金利をインフレ率を上回る24.00%に据え置いた。

 🌀 「金利が高く、通貨が弱いということは、債務不履行に陥る企業や不良債権が増加する確率が高まっていることを意味する」と、TSロンバードで新興市場マクロ戦略のマネジング・ディレクターを務めるジョン・ハリソン氏は言う。

 🌀 ポイントですね。

新興国の銀行の中でも優良な貸し手と評価されているトルコ第2の商業銀行ガランティ銀行(GARAN.IS)ですら、昨年の不良債権比率は予想を上回る5.2%だった。

インドでは、銀行が1900億ドル規模に上る不良債権の処理に追われてる。だが、モディ政権に近いとされるシャクティカンタ・ダス氏が昨年12月、インド準備銀行(中央銀行)総裁に就任してから、そうした圧力も弱まっている。

「これが意味するところは、銀行がこの問題を直視せずに済むようにしたことで、短期的な危機の可能性を回避したということだ。だがそれは、長期的な貸し出し成長が犠牲になる」と、ハリソン氏は分析する。

 (翻訳:山口香子、編集:下郡美紀)


【ロイター】 3月16日17:02分、""アングル:衛星画像や旅行予約、中国統計の「穴」どう埋めるか""

2019-03-16 20:34:51 | 中国;香港、政治、 経済、科学技術、軍事、文化、歴史、美術…

(陝西省・1月撮影)




3月12日、中国政府が発表する経済統計の正確性には長年にわたり疑念が持たれており、外国人投資家やアナリストは経済実態を把握するため、各々独自の方法を編み出している。写真は陝西省で1月撮影(2019年 ロイター/Yawen Chen)

 ①、""アングル:衛星画像や旅行予約、中国統計の「穴」どう埋めるか""
 
2019年3月16日 / 17:04 / 3時間前更新

Reuters Staff

[東京/シドニー/ニューヨーク 12日 ロイター] -

中国政府が発表する経済統計の正確性には長年にわたり疑念が持たれており、外国人投資家やアナリストは経済実態を把握するため、各々独自の方法を編み出している。

利用するのは衛星画像から運輸データ、電力消費量、旅行予約サイトまで幅広い。

「多くの人々は公式統計だけを見るのではなく、成長率を代替するデータを探そうとしている」と語るのは、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ(英エジンバラ)のファンドマネジャー、ロス・ハチソン氏だ。

公式統計によると、中国の2018年の国内総生産(GDP)成長率は6.6%で、同国では過去28年間で最低だが、世界平均の3.7%に比べると倍近くの水準を保った。

米ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「GDPには常に疑問がつきまとう」と指摘。「大半の米国人投資家はこの数字を少し割り引く。数字がXだとすると、本当の数字は『X引く何か』ではないかと考える。それに絶対値ではなく数字の基調を見極めようとする」と話した。

中国国家統計局はコメント要請に答えなかった。

★<フィルター>

米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の中国販売が不振で投資家が懸念を募らせていた頃、アバデイーンのハチソン氏はナイキの決算が予想を上回り、中国での売上高が2桁の伸びを示しているのに着目していた。

 「アップルを巡る懸念は中国経済の失速を告げる炭鉱のカナリアではなく、アイフォーンがますます高価になる一方、かつてほどクールではなくなっただけのように感じた」

UBSアセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ピーター・バイ氏も、データ数値にフィルターをかける必要性を強調する。バイ氏が消費者需要を見極めるために活用するのは、旅行予約サイトや、中国人観光客を相手にする化粧品・食品会社による状況説明だ。

米国のヘッジファンドを運用するテディー・バリー氏は、中国の信用拡大と世界の原油や銅の市場に強い相関があるため、中国の通貨供給量M1の伸びに注目している。

★<衛星画像>

GAMインベストメント・マネジメント(チューリヒ)のポートフォリオマネジャー、ジャン・シー・コーテシ氏は、サンフランシスコのスペースノウ社が開発した中国衛星製造業指数SKI-CSMI-INDEXを注視している。
 
GAMインベストメント・マネジメント(チューリヒ)のポートフォリオマネジャー、ジャン・シー・コーテシ氏は、サンフランシスコのスペースノウ社が開発した中国衛星製造業指数SKI-CSMI-INDEXを注視している。

この指数は衛星画像とアルゴリズムを駆使して中国の工業施設を分析し、製造業活動の活発度を測っている。

欧州資産運用会社アムンディのシニアエコノミスト、クィンウェイ・ワン氏は、貨物・乗客輸送のデータと建設中の事務所スペース、電力消費量を組み合わせた社内モデルを利用している。

しかし多くのアナリストにとって、現場を訪れるのに勝る分析手法はないようだ。4Dインフラストラクチャのグローバル・ポートフォリオ・マネジャー、サラ・ショー氏は「北京をぶらつくとどこも満員で、レストランにも入れないし電車にも乗れない。経済状態がまだ割と大丈夫な証拠だろう」と語った。

(Daniel Leussink記者 Swati Pandey記者 Trevor Hunnicutt記者)

(上海総合指数チャート)
5分足 19/03/15 15:59 CST
3,021.75 、▲31.06