8月25日 薄曇り(ツーリング1日目)
午後7時40分、仙台港発苫小牧行きフェリーに乗るべく相棒の株キチが疲労困憊の体で我が家にやって来た。
ぐったりした様子に、明日からの北海道カッ飛びツーリングに耐えられるか心配になった。
思い起こせば4年前、同じ日に買ったバイクなのだが、私の方の走行距離は14000キロを超えているのに対して株キチのは未だに1800キロ・・・要するに買ってから殆ど乗っていないのである。
しかも、1800キロの内訳は、4年前に買ってすぐ1200キロのツーリングをし、この度、埼玉から我が家まで300キロ走ってこの距離・・・日常走る事は殆ど無かったのだ。
見た目はほぼ新品のバイクだが、放置状態で4年間と言うのがとても気になる。
ホンダ・スーパーカブは壊れる所の無い単純なバイクとは思いつつも、軽く点検した。
チラ見点検の結果は、彼の財布の中身が少し足りない程度で問題は無かった。
17時頃仙台港に到着しバイクの乗船待ちの列に並び、原付バイクの登録証を持って乗船手続きに行った。
車や大型バイクは車検証を持って行くのだが原付二種にそれは無いので市役所発行の登録証を持って行くのだ。
本日乗船するのは「きたかみ」で、三隻運行している太平洋フェリーリ中で一番旧い船だった。
ちなみに一番新しいのが「いしかり」で、この船は日本のフェリーの中で一番豪華で快適と評され、毎年No.1の栄誉に輝く船である。
もう一艘が「きそ」で、この船は旧いのだが少し前にリニューアルされて随分良く成り「いしかり」よりも落ち着いた内装で私はこれが好きだ。
一番旧い「きたかみ」は設備的に劣る分「いしかり」や「きそ」より乗船料金が1100円安くて、B寝台で「いしかり」10400円の時に9300円で乗れる。
新旧の船に乗り比べて感じる事はロビーやハブリックスペースの豪華さなどではなく、トイレの設備だった。
「いしかり」と「きそ」はウォシュレット付きの洋式トイレが標準だが「きたかみ」は和式が半分残っていて、朝の争奪戦が激しい時間帯には和式しか残っていない事が多いのだ。
太平洋フェリーで納得が行かないのがバイクの料金区分だ。
原付バイク(50CC)は4200円で、原付二種(50CC超125CC以下)になると400CCの中型と同じ7200円になるのだ。
今年は随分沢山のフェリーに乗ったが、太平洋フェリー以外は50CCから125CCまでの原付で一括りの料金だった。
株キチには是非とも豪華な「いしかり」か、せめて「きそ」に乗って欲しかったのだが往復とも「きたかみ」に当たってしまったのは少し残念だった。
バイクは隅っこに押し込められます
洒落たホテルのエントランス風だが、いしかりはもっと凄い
生ビールとカレーがうまい軽食コーナー
名古屋の文字だけクッキリ見えるのは船籍港だからか?
夕食は2000円のバイキング(大生980円)そこそこ美味い
フェリーに乗る時に一番大事な事はバイクをどの階の何処へ置いたかを正確に覚える事だ。
なんと言っても車の積載甲板だけでも3階分あって、しかも船の前後の長さは200m有るのだ。
何処に置いたのか判らなく成り当てずっぽうに探し出すのは殆ど不可能な広さなのだ。
だからバイクを置いて客室に上がる時にエレベーターや階段に置いてあるフロアーのメモ紙を持って行く必要が有る。
大体出港の1時間半前には乗船できる。
乗船して部屋に荷物を置いたら速攻で風呂へ行くのが私の流儀で、さっぱりしてからレストランへ行き生ビールにありつくのが楽しみなのだ。
レストランの食べ放題2000円は安いと、私は思う。
生ビールや酒類は少し割高な感じなのだが、持ち込みは規制されないのでコンビニで缶ビールを買って来ても良いのだが、折角の雰囲気が貧しくなってしまうので止めている。
三隻の船に料理の差はないのだが、メイン料理のステーキだけ少し違う。
旧い「きたかみ」では焼かれた物が皿に盛られて供されるが、他の二隻は目の前で焼いた熱々を食べられるのだ。
食事が終わったらのんびり海を眺めて、と、行きたい所だが、既に真っ暗で何も見えない。
男同士や一人旅では別段する事も無く、さっさと寝台に潜り込み寝てしまう事になる。
以前30分間だけ無料で繋げたソフトバンクのWi-Fiはテスト期間が終了して有料に成った。
15時間しか乗らないのに24時間で1000円の料金は納得がいかないので使わなかった。
船が岸寄りに航行した時に電波を拾うと繋がる事もあって、そんな時にはメール位は飛ばせるのでそれほど不自由はしない。
朝は周りのざわめきで起こされる。
すぐに風呂へ行き朝の海など眺めつつ髭など剃ってのんびり下船の時に備える。
この時、今日の道筋などを考えるのが楽しいのだった。
続く