3/10(月) 週明けの今日も、風があって冷たい。冷たい風ながらも、鉢植えの梅の木「豊後」が雪洞のような花を咲かせ始めた。郷里の畑にある梅の木の種類は知らないが、花も実も全く違う。河津桜が満開を過ぎてから、梅が花開くと云うのもなんだか違和感を感じる・・・。
豊後梅 河津桜 畑の梅
週末の土曜日、デザインを担当するYOSHIOが出勤しているので私も午後から顔を出した。YOSHIOによると、社内に誰かいる方が集中できると云う。彼にしっかりと働いてもらうためにも、枯れ木ながらも私が居ようと云う次第だ。
午後七時になって「予定の作業が終わった」とのこと。それじゃ軽く一杯やって帰ろうと、一緒に事務所を後にした。思ったとおりに「ローカーボ」が店を開けていた。じゃあハイボールを二杯だけと、言い交して店のドアを引いたのであった。客は誰も居なかった。
YOSHIOはハイボールを、私は一番安い赤ワイン(400円)をオーダーした。二杯目からは、ワインよりも100円安い角ハイボールに切り替えた。マスターのIWASEさんと話をしていると「4月から消費税がアップになるので、400円に値上げを考えている」と、穏やかならぬことを云う。それって、便乗値上げじゃないかと思ったが、少し足が遠のくねぇ~と言いたかった。
然し、この客の入りじゃ値上げでもしないとしんどいだろうと、分からぬ訳じゃない。この店は、半分は趣味のような処もあるが、もう少し売り上げたいは本音であろう。立ち飲みスタイルで始まったが、何時の間にや椅子がカウンターを囲んだ。
―蕎麦と唐辛子―
暫くするとマス-ターが「蕎麦でもいってみます?」と薦められた。その一言に、YOSHIOが素早く反応した。しゃぁねぇかと、蕎麦を喰うこととなった。最高級蕎麦粉だと言いながら「でも早目に使わないと味が落ちちゃうから」と、IWASEさんが蕎麦粉を捏ね始めたのであった。
蕎麦粉と水の分量を量り、捏ねて機械に入れると麺が出てくる。それを茹で、皿に盛って出来上がり。汁は出来合のものだが、上級品に変えたそうだ。素人が作った蕎麦にしては上々である。更級なので色白で細い麺である。それをYOSHIOは「美味いね~」と喜んでいた。私は、Ajiro氏特製のmy唐辛子を、鞄からやおら取り出して汁に振り掛けるのであった。
何と云うタイミングか、携帯が鳴った。Ajiro氏からの電話であった。彼は今月末でサラリーマン生活にサヨナラする。慰労会をやろうと思い、伝言を入れておいたのだ。『唐辛子が絶妙だね~、分けて欲しいと云う人がいるので、高いよと言っといたよ』と、伝えると「来年からはこれを本業にしますからねえ。幾らでも注文を受けますよ」と、笑って応えた。
Ajiroさんとの思い出、笑い話は枚挙に尽きないぐらいである。つまびやかにするのは差し障りがあるので、一つだけ。或る職場で、私は課長職で彼は係長ポストでいた。上下の関係であった。彼とはその四年程前に或る部で、隣り合わせの課に居たことから知り合っていた。
当時、一緒に酒を飲み酔いが廻ってから彼が必ず言うセリフが「この人はねえ、俺と同い年なんだよ。だけど、課長だろう。悔しくてねぇ~」で、何度聞かされたことか。彼がそれを言う度に返す言葉は『悔しかったら、早く課長になれよ!』だった。彼にすれば、そう云って半分は言葉遊びをしていたのであろう。
その後、彼も管理職になり出向したが、そこでの苦労も多かった。私も同業の会社に出向して時折一緒に飲み、人生のあれこれを聴いてきた。その当時の彼の言葉は「arisawaさんとこと案件がバッチングしたら引けと、スタッフには常々言ってます」であったが。知り合ってから三十年、その間の、それ以前のあれこれを、今週にはじっくりと聞こう・・・。一時、彼を我が社に呼ぶつもりでいたが・・・。
今週、13日の木曜日に会うこととなった。彼の“人情松の廊下と、あんた”の二曲は、聴かなくちゃなんねぇ・・・・。人形町まで来るとのことである。
-おもらし・・・-
日曜日、昼前に孫の”空”(そら)が長女に連れられてやってきた。今日は近所の公園に連れて行く約束を、前日にしたのだ。幼い子供だが、こう云う約束は、絶対に忘れない。このために、昨晩に孫が好きなフルーツを買っておいた。
家人が蒸し上た赤飯を小さなオムスビにし、大好きな焼海苔とフルーツ(イチゴ・パイン・キューイ)を弁当箱に詰めて二人で出かけた。公園を一週する前に、目敏くドリンクの自販機に目を付けた。「ホットレモン」をせがまれたが、生憎入ってない。グレープジュースになった。
テニスコート脇の空きテーブルを見つけてちゃっかりと座った。こっちは膝がいうことを利かないので、小さい子に遅れるのだ。そこでフルーツを半分ほど食べ、ジュースを飲み始めた・・・。一段落すると、どんどん歩き、走り進んで行く。拙いことに、丁度ポーニーの引き馬が始まる時間となっていた。
目敏く見つけて、馬小屋にあるチケット自販機の前に行く。十人ほどが並んでいた。泣く子と地頭にゃ勝てぬ、は昔からこと。200円のチケット買い、ポニーに乗せた。馬は、この前にも乗った「あやめ」で、この馬がお気に入りなのだ。ここまでは上首尾であったが・・・。
乗馬を終えて、また一人で駈けはじめた・・・。体育館の方に入った、かと思うと直ぐに出てきた。何やら具合の悪そうな顔つきをしている。
どうしたの?「おもらし・・・しちゃった」と、か細い声で言う。どうやら、体育館のトイレに入ろうと向かったが間に合わず、であったようだ。グリーンのタイツパンツが濡れていた。歩きにくそうに蟹股で歩む姿が可笑しい・・・。これで今日の散歩は、お仕舞となった。短時間で子守が終わった・・・、ちょっとホットしたのも否めない。