3、ギリシヤ(青銅の国)
ダニエル2章には二番目の国であるペルシャも永遠には、存続できず腹部と大腿部に象徴されているギリシャに征服されることを預言しています。そして実際、BC331年に3番目の帝国であるギリシャによって征服されることになりました。
私たちがよく知っているギリシャの王アレキサンダーは、25歳で王になり、33歳でその当時の全世界を占領して、インドのガンジス川まで行ったときには、これ以上征服する国がないと言って泣いたという逸話が残っています。
ある著名な歴史家は、アレキサンダー王についてこう記しました。「彼が影響を及ばさなかった国と都市、人はいないであろう。彼の業績と事業では、あたかも神のみ手が共にあったかのような感じを受ける」とさえ言いました。
ダニエル書2章の預言の中で、とても興味深い点は、像の金属の価値は、順番に下がっていきますが、逆にその金属の強度はどんどん強くなっていく点です。言い換えるなら、世界を支配する国の豊かさは、だんだん弱まっていく反面、武力は、増大していくということです。では、第三番目の国、ギリシャは永遠に続きましたか?そうではないですね?第四番目の国が登場します。
4、ローマ(鉄の国)
▶ ダニエル書2章40節「第四の国は鉄のように強いでしょう。鉄はよくすべての物をこわし砕くからです。鉄がこれらをことごとく打ち砕くように、その国はこわし砕くでしょう」。
ダニエルは再びこのように説明を続けます。ダニエルは、ここで四番目の王国がどのような性質の国なのかについても、言及しています。この国は、聖書の歴史においても、非常に注目すべき国です。ギリシャを征服した国は、どの国でしょうか?どの国がイエス・キリストがこの世に来られた時に、世界を支配していましたか?それは、ローマ帝国です。ローマ帝国はB.C.168年から A.D. 476年まで世界を支配しました。ローマがまさしくネブカデネザル王がみた像の夢の四番目の国です。その国は足の部分が鉄で象徴されています。まさに、このローマの軍人たちの鉄釘によってイエス・キリストが十字架に付けられて死なれました。イエス様の墓もローマの印で塞がれました。
ブリタニカ国際大百科事典40巻631pで、有名な歴史家エドワード・ギボン氏は、「ダニエル書2章の像は人間歴史の帝国の興亡盛衰を描写するもの」と言いました。さらに、クリスチャンではない歴史家たちもその事実を認めています。実に鉄として象徴されたローマは、強力な軍隊を持った帝国として多くの国を残忍に破壊して踏みにじった事実を見ることが出来ます。
私たちがこのような世界の歴史の流れを考えれば、一つの国が興り、そして滅亡して違う国が覇者となるということが、4回も続いたため、その次に五つ目の国が興ると思ったとしても、それは、自然なことのように思えます。しかし、驚くべきことに、聖書はそのように預言していないのです。では、その預言の内容を調べてみましょう。星や惑星などを創造し、それらを規則正しく運行しておられる神様が、この世の歴史も支配しておられることが分かるはずです。