教皇ヨハネパウロ6世の戴冠式の時、教皇の頭に三層冠をかぶらせながら奉げられた、オタビアニ枢機卿の祈りからも、これと同じ思想が変わらず継承されていることが確認できます。「三つの冠に飾られたこの三層冠を受けて下さい、あなたは君主たちと帝王たちの父であり、世界の司教であり、救い主イエス・キリストの地上の代理者であることを思い起こして下さい。主の名誉と栄光が永遠でありますように」。これ以外にも、「大きなことを語る口」または「汚れた言葉」を宣言する数々の主張が、教皇権の公な出版物の中から簡単に見つけることができます。
預言者ダニエルが描写した小さい角の姿について、パウロもさらに具体的にその正体を明かしています。「彼は、すべて神と呼ばれたり拝まれたりするものに反抗して立ち上がり、自ら神の宮に座して、自分は神だと宣言する」(2テサロニケ2:4).「この獣には、また、大言を吐き汚しごとを語る口が与えられ、四十二か月のあいだ活動する権威が与えられた。そこで、彼は口を開いて神を汚し、神の御名と、その幕屋、すなわち、天に住む者たちとを汚した」(黙示録13:5,6)。ここでの四十二か月は42月×30=1,260年という期間を象徴します。第二部で学んだように、ひと時とふた時と半時= 1年+2年+半年 = 42月 =1,260日は、すべて1,260年という預言的な期間を表わす象徴的数字です。
7、神様の聖徒たちを迫害した教皇権
「いと高き者の聖徒を悩ます」(25節)。私たちは過去の中世期に、教皇権が数百万のクリスチャンたちを迫害して殺した暗黒の歴史を容易に見つけることが出来ます。中世期の世界史に対する知識が少しでもある人であれば、数百万のクリスチャンたちが暗黒時代において、宗教裁判を通して異端との罪名のもと、拷問され無残に殺された事実を覚えていることでしょう。ローマ教皇権は、聖書の真理を良心的に守ろうとした人々を五千万人も殺害したとされています。殉教者たちは、ローマ教会の偶像礼拝を受け入れずに、命を捨ててまでも、真理を、真理のみを守ろうとしました。