3、結論
第一部、第二部で学んだ記事も合わせて、私たちはダニエル書7章が言う小さい角の9つの特徴が、すべて教皇権の歴史と正確に一致するという事実を確認しました。ある人たちはこれが、ヒトラーやイスラム教、あるいはコンピュータだと信じていますが、その中のどれも、ダニエル7章に出てくる小さい角の9つの特徴を完全に満足させることは出来ません。地球上で存在するたった一つの勢力だけが、9つの特徴を完全に満足させますが、それは私たちが今まで注意深く調べてきたように、ローマ教皇権です。
マルチィン・ルター、ジョン・カルヴァン、ジョン・ノックスのような改革者たちは、ダニエル書7章に出てくる小さい角の預言が、ちょうど彼らの世代に適用されているという事実を悟りました。そして、誰も彼らが提示する預言的な解釈に反論することが出来ませんでした。なぜなら、彼らのこのような解釈は、完全に聖書的で、歴史的な事実にもとづいており、しっかりとした論拠を持っていたからです。
ダニエル書7章に出てくる「小さい角」の正体を暴いた改革者たちの解釈は、驚くべき光を神様の民にもたらし、宗教自由の精神、キリスト教的救いの喜び、宗教的迷信や偽りの教えから人々を解放しました。しかし残念なことに、その後の現代プロテスタント教会は、宗教連合運動の流れの中で、宗教改革者たちが持っていた預言解釈の光を見失っていく傾向にあります。しかし、私たちの状況がどのように変化しても、、神様の真理は場所や時間を超越して不変なのです。
最後に申し上げたいことは、今回の学びは特定の教派に属する人々を攻撃することを目的としていませんし、そうであってはいけません。私たちが信じることは、あらゆる教派の中で、聖書と自分自身の良心に忠実で、知的、霊的に自分が達しえた聖書の言葉に従って歩く人々こそ、真の神様の民であるということです。神様は、ダニエル書7章を、小さい角の欺瞞に対する警告の鐘として与えて下さいました。ですから、神様を愛する真実のクリスチャンは、このメッセージを通して真理に導かれることでしょう。そして、与えられた光を、どのように自分自身の信仰生活の中に生かしていくのかを個人的に悟られることでしょう。聖書を学ぶ中で、良心に語られる聖霊の小さな声に耳を傾けて下さることを心から願っています。それが最後の時代において、正しく信仰を持って生きる唯一の道だからです。
今回の学びを通して、読者の皆さんの中には、このような疑問を持たれた方もいるかもしれません。「『小さい角』というのは遠い過去の歴史ではないのですか?それが現代の私たちにどんな関わりがあるのですか?なぜ、過ぎ去ったことを持ち出して暴くのですか?』。
理由は明確です。なぜなら、小さい角に関する神様の預言はダニエル書7章で終わっていないからです。ダニエル書7章のいわば続編とも呼ばれるヨハネの黙示録13章には、獣として象徴される小さい角の勢力が、アメリカと共に地球歴史の最後の時代に、再び絶大な権力として浮上することが描かれています。
「その頭の一つが、死ぬほどの傷を受けたが、その致命的な傷もなおってしまった。そこで、全地の人々は驚きおそれて、その獣に従い、」(黙示録13:3)。私たちはやがて、この勢力との最終的な戦いを迫られるようになるのです。それについては、別のシリーズで学ぶことになります。