6.広がる狂牛病
しばらく前、シアトル市内では、バスに貼られた珍しい広告が話題になりました。そこには、牛の母と子が、道を歩く人々に向かって「おいしい野菜バーガーを召し上がってみては?」と呼びかけていました。道を歩く人々はこの広告を見て少し立ち止まり、「私はあの可愛い牛を、皮をはいで食べているのか?」と自問するようになりました。その後各国で、狂牛病になった数百万の牛がされたという話が広まってから、牛肉を食べることに多くの人々が不安を持ち、深刻に考えるようになりました。「狂牛病を避けるためにも菜食をしたほうがよいのではないか?」、この質問を検討してみることにしましょう。
まず、動物が狂牛病(牛の脳疾患)になった理由はなんでしょう?牛がこのような脳疾患を患うと牛海綿状脳症と呼ばれ、羊がこのような病気になるとスクレイピー(伝達性海綿状脳症の一つ)と呼ばれます。ニューギニアでは、この疾病をクールーと呼んでいます。クールーは人食い人種が人間の脳を食用したことによって起きた病気といわれます。医学界ではこれを変形クロイツフェルト・ヤコブ病、すなわち人間狂牛病と呼び、この病気の主な原因は肉類摂取によるものです。
これらのすべての疾病の共通要素は、変形したタンパク質である、プリオンのせいです。プリオンは動物性食品の中に密かに侵入してきたものであり、私たちは特別に注意する必要があります。
自然界の法則では、食物連鎖が遠い固体を摂取する方が安全だということが認められています。食物連鎖の上位にいる哺乳類動物は、人間と似た遺伝子も多く、成長ホルモンなども似通っています。このような動物を捕まえて食べるのは、自然界の秩序に違反する行為だといえます。人食いの風習があった文化で、脳疾患の一種であるクールー病が発見され、牛に牛肉を食べさせた結果、狂牛病が広まったという事実がこれをよく立証しています。人間は動物を捕まえて食べなくても、健康に暮らせる存在です。