6.肉食と菜食の人の体力比較
アメリカのイェール大学、アーヴィング・フィッシャー教授は、肉食の人と菜食の人の体力とスタミナを比較するいくつかの実験をしました。彼は肉食の運動選手とベジタリアンの運動選手、そして座って働く人たちのグループを実験対象としました。この実験結果は、驚くべきことに肉が体力の源であるという一般的見解を覆したのです。「3つのグループを比較したとき、肉を食べる人たちは菜食する人よりはるかに持久力がなく、さらに座って働く人たちも同様であった」。実験対象の中で菜食者の半分が座って働く人たちで、肉食者は全員運動選手だったにも関わらず、菜食者の平均持久力は肉食者の平均持久力より2倍以上高かったのです。実験に影響を与えるすべての要素を分析した後、フィッシャー教授はこのような結論を下しました。「肉食者とベジタリアンの持久力の差は、全面的に彼らの献立の違いのせいである」。
パリのアイオテイコ薬学博士もこれと似たような実験をしました。その結果、ベジタリアンたちが肉食者より平均2~3倍以上持久力が高いという結果がでました。また、実験を通してベジタリアンは肉食者に比べ、体力消耗から回復までにかかる時間が15分の1ですむという事実も発見しました。
1968年に、デンマークでは献立が変わることにより、人の体力と持久力がどのように変化するかという実験をしました。実験はこのように進められました。被験者は一定期間肉と野菜を混ぜて食べ、固定された自転車のペダルをどれくらいこげるのかテストを受けました。その結果、彼らが疲れてペダルをこげなくなった平均時間は114分でした。同じ被験者に、肉と牛乳、卵を中心に献立を変え、同じ期間食事を与え、再度テストをすると、ペダルをこいだ時間は非常に短くなり、たったの57分にしかなりませんでした。次に、同じ被験者に穀類、野菜、果物で構成された厳密な菜食の献立で食事をさせた後、再度テストを試みると平均167分という驚きの結果が出たのです。穀菜食がいかに体力的に優れているかが分かります。