8.放射能汚染問題
2011年3月11日の大地震と津波で、日本の福島原子力発電所が爆発する災害が発生しました。
福島原発が1760tの核物質を所有していたのに対して、チェルノブイリ原発はわずか180tの核物質しか所有していませんでした。核物質の量だけを単純に比較しただけでも福島原発の事態がどれほど深刻なのかが分かります。
その上、2013年8月には、毎日最低でも約300tの放射能汚染水が2011年の事故当時から福島原発より海へ流出しているという事実が明るみに出て、世界を驚愕させました。
流出する放射能汚染水は相変わらず制御されていないだけでなく、その汚染水の放射能濃度が深刻に高くなっているということが、引き続き報道されています。このような高濃度放射能汚染水がどうやって流出したのか、正確な原因さえ把握し難いということが、海へ流出している放射能汚染水を止められない理由です。
このように流出し続けている高濃度放射能汚染水は、海を汚染しています。これまでに流出した放射能の量は少なくとも数十万tに達すると推測されています。
2012年7月6日、ドイツのキールにある海洋研究所から発表された、太平洋の汚染シミュレーションによると、日本の放射能汚染水は2011年3月11日から約1000日たった2014年1月22日までには、太平洋の大部分を汚染させるとしています。そして、事故から2278日目の2017年6月6日には太平洋全体が致命的に汚染されると予告しています。
このように汚染された海からとれる海産物を食べても大丈夫なのでしょうか?チェルノブイリ原発事故で直接・間接的に被害を受けた人は総数300万人以上に及びます。そして、チェルノブイリの患者の中で90%が食べ物による内部被曝でした。食品を通しての放射能被曝について真剣に考慮しなければならないことが分かります。
「食品と暮らしの安全基金」の小若 順一代表は、ウクライナのチェルノブイリ原発周辺地域の放射能被害を調査し、その原因を知るための調査を行いました。ウクライナの放射能汚染地域はもちろん、近隣の非汚染地域に暮らす学生たちのほとんどが頭痛や足痛、そして鼻血に悩まされていました。その原因を知るために、非汚染地域であるクバリン(kovalyn)村の子供たちの一日分の食品を調査し、1kgあたり1.1ベクレル(Bq)の放射性セシウムが検出されるということを発見しました。その子供たちに、放射能に汚染されていない食物を数ヶ月間与えたところ、ほぼ全ての子供たちの症状が軽くなるなどの肯定的な変化を見せました。
アメリカ科学アカデミーや、国際放射線防護委員会(ICRP)も放射線の危険に関する報告を提出しています。その報告書によると、被曝リスクは低線量率に至るまで持続的に存在し、しきい値(これ以下の線量なら安全だという数値)はないと言っています。また、幼いほど被曝の危険性が急激に高くなることも調査により明らかになりました。
韓国の東国大学医学部キム・イクジュン教授は、国民TVとのインタビューで次のように明らかにしました。
「韓国内で流通しているタラの90%が日本近海産です。しかし、そのタラから放射能物質であるセシウムが検出されたことがあります。そのため日本近海で獲れるタラやサバは摂取してはなりません。放射能に汚染された食品を食べると内部被曝します。被曝すると細胞が破壊されるため、理論的にはすべての疾病にかかりやすくなります。その中でよく発病するのが、1つ目にがん、2つ目に遺伝性疾患、3つ目に心臓病です。これから10年後から、がん患者の増加が予想されています」。
取り返しのつかない後悔をする前に、私たちの飲食物を慎重かつ懸命に選択しなければならない時が来ています。