4.自然が提供してくれる最高の献立
健康栄養学の専門家であるジョン・ポッターによると、食べ物と健康の間には明確な関係が成り立っていると言います。果物と野菜をたくさん食べる人ほど、特別に胃や食道、肺、口腔、すい臓、子宮内膜、大腸、皮膚などにできるがんにかかる確率が低いのです。なぜでしょうか? その理由はまさに植物性の食べ物に含まれている抗がん成分にあります。抗がん成分にはカロチノイド(黄色と赤色の果物や野菜に含まれる成分)、繊維質、アスコルベート(ビタミンC)、そしてトコフェロール(ビタミンE)などがあり、果物や野菜はいわばこれらの貯蔵庫なのです。このような天然成分をフアィトケミカルと言います。
そこで、多くの製薬会社がファィトケミカルを抽出して抗がん剤を作ろうとしましたが、彼らはそれがさほど良い方法ではないということに気づきました。人を対象に実験した結果、精製された薬は、がんにかかる危険を減らすどころか、反対にがんを発生させる確率を上げる作用が働く可能性があるということが分かりました。このように人為的につくられた薬では、植物性の食べ物から簡単に摂取できる、さまざまな抗がん成分とファィトケミカルを供給できないのです。