沁み沁みと 笑みし遺影に 侘びなせり
【冠 句】 ある日ふと 無常の風に聴く刹那
【冠 句】 細き腕 戦時を耐えた母も老い
【冠 句】 唄い出す 施設に少し慣れた母
【冠 句】 紙を折る リハビリの父辛かろに
<川 柳> 笑む父の家族守った顔の皺
【冠 句】 夢の中 飴懐かしむ紙芝居
[俳 句] 父偲ぶ影絵の中に舞う蛍
お盆も近づいてきました。
戦時を挟んだ父母の人生を思うと、生きる事に全力を注ぎ、小さな命を守り、
その中での苦労の数は計り知れないものがあった事と、今の年齢になって解ります。
その時々に添えなかった悔いは、今も私の胸にしこりとなって痛んでいます。
晩年は、不自由な身体となってさぞ無念だったと思います。
毎日自分に鞭打ちリハビリに励み、孫達の成長に目を細めていた在りし日の姿が、
目に浮かびます。
お墓の掃除に行き、母が好きだった花を手向け、今年も家族揃って日々の幸を謝し、
父母の霊をを迎えたいと思います。