今、出発の刻(たびだちのとき)

車中泊によるきままな旅
<名所旧跡を訪ねる>

虎渓山 永保寺(岐阜県多治見市虎渓山町)

2013年08月31日 | 神社・仏閣


今から3年前に車中泊旅行をしたときの写真がパソコンのハードディスクのなかに入っていたので、当時を思い出しながら公開していく。

この旅行の前年に山形県酒田市にある土門拳記念館の一枚の写真がこの寺を訪れるきっかけとなった。
写真のタイトルは「永保寺臥龍池無際橋(1962年撮影)」
この写真を見て「永保寺ってどこにあるのだろう、一度行ってみたい」という気持ちが強くなった。


虎渓山 永保寺の歴史
鎌倉時代(1313年)に開創された、小高い虎渓山に佇む禅寺。
正式名称は臨済宗南禅寺派 虎渓山永保寺。
「虎渓」の名前の由来は、夢窓疎石がこの地を訪れた際、中国 蘆山の虎渓の風景(現在は世界遺産)に似ていたことに由来すると言われている。
鎌倉末期に建てられた「観音堂」と「開山堂」は国宝に指定され、池泉回遊式庭園は国の名勝に指定されている。


真夜中に舞鶴港から永保寺に向かう。
永保寺に近い道の駅を探し仮眠をとるが朝方暑さで目が覚めた。
時間は早かったが朝食もとらず永保寺駐車場に車を置き、案内板に従って7・8分歩くと小高い丘の上から下の方に池が見えた。




名勝 池泉回遊式庭園
朝の7時過ぎにもかかわらず日差しが強い。臥龍池と呼ばれている池の近くにたどりついた。
池の水が濁っていてがっかりした記憶があるが、最近になってそれもすべて計算されていることを知った。
下の写真は私の写真を撮している姿(偶然発見)が池に映っているが周囲の建物や山々の木々がこの池に映りこむようになっている。










実際はこのような池の色だが、太陽光の加減で変化していく。












日差しが強くモニターで確認できないためどのように写っているのか本人もわからない。
この写真のように池の色が青く変化しているなど想像すらできない。




土門拳氏もこの場所から撮していたので、一応真似てはみたが結果は似て非なるもの。
本物を見ていただくとよくわかる。




観音堂(水月場) 国宝
正和2年(1313年)6月18日に長瀬山の麓を目指していた夢窓一行が道に迷い、白馬に乗った女性に道を尋ねた所、返事が無かった。
そこで夢窓は「空蝉の もぬけのからか 事問えど 山路をだにも 教えざりけり」と歌を詠んだ。
すると女性は「教ゆとも 誠の道はよもゆかじ 我をみてだに 迷うその身は」と返歌して忽然と消え失せ、付近の補陀岩上に一寸八分の観世音菩薩像が出現した。
夢窓はこの観世音菩薩像を本尊とし、1314年に水月場(観音堂、国宝)を建立した。
  



屋根の反りに特徴があり、勢いを感じる。近くから見ても遠くからみても美しい。






臥龍池周辺を歩きながら撮影。






拝観料は無料で朝5時から解放されているため、近所の方と思われるご老人が散歩をしている姿、そしてお参りをしている姿をよく見かける。






無際橋
1478年からその存在が知られている。度々架け替えが行われ、現在のものは2003年に修繕が完了したもの。日本の橋100選の一つ。



渡ってもいいのかどうかわからなかったが、周囲に誰もいなかったので渡ってみたが、きっとこの橋を渡って観音堂(水月場)に行くのだろう。









六角堂(霊擁殿)・梵音巌
梵音(ぼんのん)岩上の六角堂には千体地蔵が祀られている。



願をかける人が地蔵を借り、願が叶うと新しい地蔵を添えて返される。



滝の水は虎渓山北西にある「しでこぶし」の群生地付近の湧水を集めた。







  


 

ここから見える風景が人間の目で見える色。不思議な感じがする。



僧堂・坐禅堂(海珠堂)
2003年の火災で本堂と庫裏が全焼したが、再建を願う市民を中心とした募金活動によって2007年に庫裏が、2011年6月に本堂が、以前と同じ姿で再建された。



永保寺開山 佛徳禅師 御手植銀杏樹



今年の猛暑と比較すると甘いといわれるかもしれないが、この日、2010年7月23日は日本の最高気温37℃を多治見市が記録した日である。
車の温度計では外気温は43℃を示していた。北海道では考えられない気温だ。


撮影 平成22年7月23日

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1 コメント

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再開を心待ちにしていました (半覚齋)
2013-08-31 21:25:43
ブログの再開を心待ちにしていました。以前見せていただいた写真ですので、とても懐かしく拝見させていただきました。私も池など水面に映り込む風景がとても好きなので共感いたします。今後も楽しみには意見させていただきます。
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