瑞鹿山 円覚興聖禅寺（神奈川県鎌倉市山ノ内409）

訪問日　令和3年11月10日
瑞鹿山 円覚興聖禅寺＜臨済宗円覚寺派大本山＞
鎌倉五山 臨済宗大本山 円覚寺
元寇で戦死した日本とモンゴル両国の兵士を弔うために、弘安5年（1282年）八代執権 北条時宗により創建された



総門



山号「瑞鹿山」



境内図



三門（神奈川県指定文化財）






三門は三解脱（空・無相・無願）を象徴するといわれ、諸々の煩悩を取り払って涅槃・解脱の世界である仏殿に至る門とされている



「円覚興聖禅寺」の扁額は、北条貞時の時代に伏見上皇（1265〜1317）より賜ったもの
楼上には十一面観音、十二神将、十六羅漢が祀られている



現在の三門は天明5年（1785）開山・無学祖元禅師の五百年遠諱の年に大用国師によって再建された









仏殿
大正12年（1923）の関東大震災で倒壊
元亀4年（1573年）の仏殿指図（設計図）に基づいて、昭和39年（1964年）に再建された
禅宗様式の七堂伽藍の中心に位置する建物






「大光明寶殿」の扁額は、後光厳上皇から賜ったもの






本尊の「宝冠釈迦如来像」と梵天・帝釈天像などを安置



本尊は弘安5年（1282年）に安座
永禄6年（1563年）大火で顔のみ救出
寛永2年（1625年）仏殿再建の際に体部が補造された



冠を被っているので、宝冠釈迦如来と呼ばれ、華厳の盧遮那仏とも称される



天井画の「白龍図」は前田青邨の監修の元、日本画家「守屋多々志」が描いた



開山「無学祖元禅師坐像」



「達磨大師坐像」



選仏場
元禄12年（1699年）建立の茅葺き屋根の建物






仏殿が再建されるまで、この堂が仏殿を兼ねていた



選仏場とは、仏を選び出す場所という意味で、修行僧の坐禅道場である



南北朝時代の「薬師如来像」



平成15年（2003年）より、円覚寺百観音霊場の一番として「大慈大悲観世音菩薩像」を安置



居士林（済蔭庵）



かつて、山岡鉄舟、鈴木大拙、夏目漱石、島崎藤村もここに参禅した



円覚寺の伽藍は、鎌倉独特の谷戸（やと）と呼ばれる丘陵地が浸食されて出来た谷に沿って建てられている



唐門






門扉の彫刻






百観音霊場
西国33、板東33、秩父34観音霊場の総称









方丈
方丈は元来は寺の住持の住む建物を指すが、現在では各種儀式・行事に用いられている






方丈の裏には、心字池のある美しい庭園が広がっている



妙香池



創建当初よりある放生池で、江戸時代初期の絵図に基づき、平成12年（2000年）方丈裏庭園と合致した自然の姿に復元した



正続院（しょうぞくいん）
円覚寺の開山無学祖元（仏光国師）の塔所（開山塔）






山号の「萬年山」



舎利殿（国宝）



神奈川県唯一の国宝建造物で、境内の奥に位置する塔頭・正続院の中にある



舎利殿には、源実朝が宋の能仁寺から請来した「佛牙舎利」という釈迦の歯が祀られている



鎌倉時代建立の善福院釈迦堂（国宝、和歌山県海南市）や功山寺仏殿（国宝、山口県下関市）とともに、禅宗様建築を代表するものと評価されている



白鹿洞



円覚寺山号の「瑞鹿山」は、円覚寺開堂の儀式の際、白鹿の群れが現れ、説法を聴聞したという故事によるものとされている



その鹿の群れが飛び出してきた穴と称する「白鹿洞」



黄梅院（おうばいいん）



第15世夢窓疎石（夢窓国師）の塔所









聖観世音像



佛日庵（ぶつにちあん）
8代執権北条時宗の廟所（開基廟）



境内の茶室烟足軒は、鶴隠周音の寮舎（隠居所）の名を継いだもので、川端康成の小説『千羽鶴』に登場する茶室のモデルとなった



洪鐘道
国宝の「洪鐘（おおがね）」を観るにはこの長い階段を上らなければならない






洪鐘＜梵鐘＞（国宝）






北条貞時の寄進によるもので、正安3年（1301年）、鋳物師物部国光の制作
高さ2.6ｍを超える大作



弁天堂


江ノ島弁財天の加護によって洪鐘の鋳造が完成したと伝えられ、その弁財天を祀る
北条貞時が洪鐘とあわせて弁天堂を建立し、当山の鎮守としている



撮影日　令和3年11月10日