「小児科医の集約化よりも、ある時間帯への患児の集約化を」
小児科と産科の集約化が、全国的に、どんどん進んでいる。小児科と産科では、集約化にしても、その意味合いがちょっと違うと思う。産科のお産は、産科医でないと出来ない。しかし、小児の場合は、内科系の医師であっても、ある程度までは、出来る。そして、小児が時間外に来院するケ一スが非常に多い(が、一刻を争う場合は、少ない)。この違いである。
集約化して、5人で、24時間365日、いつでもどうぞって感じで、小児救急を2年7ヶ月間、したことがある。その総合病院では、当直が、内科医一人、外科医一人、小児科医一人の体制であった。当直の小児科の先生は、翌日も、普通に仕事。当然、昼間眠くなって、昼過ぎに、医局で小児科の先生(T大小児科から派遣して頂いていた)がよく眠っている光景が見られていた。5日に1日当直と言うのは、若くても土台無理であり、最低、当直できる小児科医が7名必要である。その病院では、小児科医の数をもっと増やす計画であったが、T大学の都合で、派遣が出来なくなってしまった。(今は、その病院、F大から派遣されて、小児科医6名で小児救急を積極的にしている)
一人で、24時間365日、夜の20時~21時まで集めて、佐伯の病院の時も(一人で、8年半余)、開業していた時も(一人で8年半余)、佐伯で20年近く小児救急に携わってきた(深夜も)。意外なことに、新生児以外は、深夜受診が極めて少なかったのである。一人でしていることを患児側に知らせ、毎晩時間を決めて一人の医師がしていることを知らせてきていた。いつも顔なじみの患児の喘息での吸入やクル一プの吸入では、前もって指示をしていたので、起こされることは少なかった(初診だと、診ない訳にいかなかったが)。(しかし、私の場合は、生活パタ一ンが朝型だったので、朝6時からの急患は、快く診ていたが)これが出来る為には、自分の様に、かなりの変人でないと出来ない?!しかし、これをすると、家庭も壊れるし、睡眠不足で医療訴訟に陥り易いし、決して勧められる話ではない。現に、私は、弁護士を通じて訴えられたりもした経験を持っている(命懸けで一生懸命にしてきていても、関係ない。忙しいことや睡眠不足で言い訳することは、出来ない。小さなトラブルは、圧倒的に時間外の初診に多いが、今でもある)。
今の病院では、夕方17:00~(平日は、時間内料金)と夜19:30~、毎日集めて診療している。今年の8月になれば、それを2ヶ年間、ずっと続けたことになる。初めの1年間は、小児科医は、自分一人であった。何故、それが出来たか?答えは、当直の先生に深夜は診てもらっていたからである。
深夜にいつも小児科医が診るとなると、患者さん側は、深夜もしているとなって、本当に終始がつかなってしまう。深夜は、小児科医は診ないのだと言う意識を周りの親御さんに持ってもらうことが是非とも必要なのである。それが可能であれば、大都会でなければ、小児科医二人でも、何とか出来る地域は、けっこう多いのではと思っている。その時、本当に困った時は、必ず、小児科医から診てもらえるという安心感も同時に住民に与えておく必要があると思っている(私は、一刻を争う場合は、他の医療機関が診ない場合は、かかりつけでなくても、深夜でも、居留守を使うことなどせずに、必ず診ると言って来ているし、今も、これを自分のポリシ一にしてきている)。
二人いると、本当に楽である。一人が充分に時々休めるし、お互いの都合も、調整できるからして。しかし、小児の救急に関しては、小児科医二人だけでなく、他の科の先生方(当直医)の協力も当然必要となる。
小児科医の集約化と言うよりも、私の経験から、時間帯を決めての患児の集約化(夜の時間帯を決めて、その時間帯に、出来るだけ来てもらって、その時だけ、小児科医が診る。一刻を争う場合を除いて)を勧める方が得策の様な気がしているし、それの方が、広く出来て、患児さんの為にもなると思っているし、小児科医の負担も、かえって少なくなる場合が多いと思っている。
とある病院に詳しい人の話、・・・ある県の市民病院は、周辺の住民の希望で、小児科医を増やして、7名で小児救急を24時間365日することになった。一応、時間外は、メインの小児科医一人とサブの小児科医一人を付けて待機。深夜、あちこちからくまなく来る。忙しい。そして、医師は、皆疲れ切っている。しかし、もうこれ以上、医師は増やせない。
とある小児科だけの個人病院、・・・そこの収支を見て驚いた。年間の入院数も、外来数も、この数年間は確実に減少傾向。多くなっているのは、時間外患児数だけ。特に深夜の数が目立って年々多くなっている。ある医師が言っていた、そこの当直に行ったら、深夜30分毎に来て一睡も出来なかったと。で、その医師は、当直明けも、続けて普通の様に勤務している(その病院の常勤の医師は、午前中だけではあるが)。
とある県では、小児科医の集約化で遠くからそこに通わないといけなくなって、署名運動が起きている。しかし、肝心の医師確保が出来ないので、目途は全く立っていない。
地方の自治体病院の多くは、採算で苦しんでいる。医療圏の広い地方の病院の小児科は、特にやっかいだ。子どもも次第に少なくなっているし、田舎であればある程、それが加速度的に進んでいる。寂しいことだが、集約化にもれた病院の小児科は、いつかは潰れる運命にあるのだなあ。
小児科と産科の集約化が、全国的に、どんどん進んでいる。小児科と産科では、集約化にしても、その意味合いがちょっと違うと思う。産科のお産は、産科医でないと出来ない。しかし、小児の場合は、内科系の医師であっても、ある程度までは、出来る。そして、小児が時間外に来院するケ一スが非常に多い(が、一刻を争う場合は、少ない)。この違いである。
集約化して、5人で、24時間365日、いつでもどうぞって感じで、小児救急を2年7ヶ月間、したことがある。その総合病院では、当直が、内科医一人、外科医一人、小児科医一人の体制であった。当直の小児科の先生は、翌日も、普通に仕事。当然、昼間眠くなって、昼過ぎに、医局で小児科の先生(T大小児科から派遣して頂いていた)がよく眠っている光景が見られていた。5日に1日当直と言うのは、若くても土台無理であり、最低、当直できる小児科医が7名必要である。その病院では、小児科医の数をもっと増やす計画であったが、T大学の都合で、派遣が出来なくなってしまった。(今は、その病院、F大から派遣されて、小児科医6名で小児救急を積極的にしている)
一人で、24時間365日、夜の20時~21時まで集めて、佐伯の病院の時も(一人で、8年半余)、開業していた時も(一人で8年半余)、佐伯で20年近く小児救急に携わってきた(深夜も)。意外なことに、新生児以外は、深夜受診が極めて少なかったのである。一人でしていることを患児側に知らせ、毎晩時間を決めて一人の医師がしていることを知らせてきていた。いつも顔なじみの患児の喘息での吸入やクル一プの吸入では、前もって指示をしていたので、起こされることは少なかった(初診だと、診ない訳にいかなかったが)。(しかし、私の場合は、生活パタ一ンが朝型だったので、朝6時からの急患は、快く診ていたが)これが出来る為には、自分の様に、かなりの変人でないと出来ない?!しかし、これをすると、家庭も壊れるし、睡眠不足で医療訴訟に陥り易いし、決して勧められる話ではない。現に、私は、弁護士を通じて訴えられたりもした経験を持っている(命懸けで一生懸命にしてきていても、関係ない。忙しいことや睡眠不足で言い訳することは、出来ない。小さなトラブルは、圧倒的に時間外の初診に多いが、今でもある)。
今の病院では、夕方17:00~(平日は、時間内料金)と夜19:30~、毎日集めて診療している。今年の8月になれば、それを2ヶ年間、ずっと続けたことになる。初めの1年間は、小児科医は、自分一人であった。何故、それが出来たか?答えは、当直の先生に深夜は診てもらっていたからである。
深夜にいつも小児科医が診るとなると、患者さん側は、深夜もしているとなって、本当に終始がつかなってしまう。深夜は、小児科医は診ないのだと言う意識を周りの親御さんに持ってもらうことが是非とも必要なのである。それが可能であれば、大都会でなければ、小児科医二人でも、何とか出来る地域は、けっこう多いのではと思っている。その時、本当に困った時は、必ず、小児科医から診てもらえるという安心感も同時に住民に与えておく必要があると思っている(私は、一刻を争う場合は、他の医療機関が診ない場合は、かかりつけでなくても、深夜でも、居留守を使うことなどせずに、必ず診ると言って来ているし、今も、これを自分のポリシ一にしてきている)。
二人いると、本当に楽である。一人が充分に時々休めるし、お互いの都合も、調整できるからして。しかし、小児の救急に関しては、小児科医二人だけでなく、他の科の先生方(当直医)の協力も当然必要となる。
小児科医の集約化と言うよりも、私の経験から、時間帯を決めての患児の集約化(夜の時間帯を決めて、その時間帯に、出来るだけ来てもらって、その時だけ、小児科医が診る。一刻を争う場合を除いて)を勧める方が得策の様な気がしているし、それの方が、広く出来て、患児さんの為にもなると思っているし、小児科医の負担も、かえって少なくなる場合が多いと思っている。
とある病院に詳しい人の話、・・・ある県の市民病院は、周辺の住民の希望で、小児科医を増やして、7名で小児救急を24時間365日することになった。一応、時間外は、メインの小児科医一人とサブの小児科医一人を付けて待機。深夜、あちこちからくまなく来る。忙しい。そして、医師は、皆疲れ切っている。しかし、もうこれ以上、医師は増やせない。
とある小児科だけの個人病院、・・・そこの収支を見て驚いた。年間の入院数も、外来数も、この数年間は確実に減少傾向。多くなっているのは、時間外患児数だけ。特に深夜の数が目立って年々多くなっている。ある医師が言っていた、そこの当直に行ったら、深夜30分毎に来て一睡も出来なかったと。で、その医師は、当直明けも、続けて普通の様に勤務している(その病院の常勤の医師は、午前中だけではあるが)。
とある県では、小児科医の集約化で遠くからそこに通わないといけなくなって、署名運動が起きている。しかし、肝心の医師確保が出来ないので、目途は全く立っていない。
地方の自治体病院の多くは、採算で苦しんでいる。医療圏の広い地方の病院の小児科は、特にやっかいだ。子どもも次第に少なくなっているし、田舎であればある程、それが加速度的に進んでいる。寂しいことだが、集約化にもれた病院の小児科は、いつかは潰れる運命にあるのだなあ。