日本の心・さいき

日本の文化を通じて、世界平和を実現させましょう。

三人の偉人のエピソ一ド

2007-06-18 07:07:14 | Weblog
二人目(教育者の若林実氏の書いたものを一部引用)
 小学校2年生の時、彼の父は、英語の重要性が今後重くなることを考えて教師に頼み込んで、一般授業が終わってから毎日2時間ずつ、個人教授をしてもらうことにした。小学3年生からは、別の塾へ夕食後に通わされることになった。
 そして、夜の9時に帰宅すると、その頃に仕事の終えた父の前で復習をさせられた。もう疲れ切って、つい居眠りが出ると、父は彼を庭の外に放り投げたりもした。
 彼は牛乳を飲むことが出来なかった。それだけではなく、誰かが牛乳を飲んだコップは、それをゆすいだ後でもわかるという程の徹底したものであった。
 父親は、いわゆる酒乱であり、その為もあって順調に行っていた事業も潰れ、彼が10歳の時には、一家が路頭に迷う事態にまで落ち込んでしまった。
 学校の成績は、中位であったが、家が没落した為、義務教育を終えると直ぐに行商などをしなくてはならなかった。学校時代は、男らしい方ではなく、父からも友達からもよく「泣き虫」と言われていた。父は商売上のことで私文書偽造横領罪で牢につながれ、弟や妹の数も多く極貧の生活を送っていたが、読書だけが唯一の趣味であった。
 19歳の時に、工事現場で転落し、二、三日意識が戻らないという重症を負った。
 さて、この少年はこれからどういう人生を送っていくのであろうか。将来が全く見えない、過酷な少年期と言えよう。
 実は、これが吉川英治の少年時代なのである。恐らく、大衆文学の第一人者であり、死後も多々の著作が書店の棚に並べられている。彼には、小学校の学歴しかない。しかし、「新平家物語」や「三国志」なども作品は、古典、漢文、歴史に対する鋭い洞察力なしには出来ないものである。
 彼にとっては、英語の学習は、全く無駄であったし、学校給食で嫌いな牛乳を飲まされる苦痛を味わわずにすんだ。
 結論から言えば、彼にとっては学歴は無用であったし、酒呑みの父親、貧しい家庭環境、生命を奪いかねない外傷、これが全て後年、文化勲章に輝く為のスプリング・ボ一ドの役目を果たしたと言えるだろう。
 彼は天才だからと言ってしまえばそれまでだが、子どもの成長にとって何がプラスになったかは、人知を遙かに超えた所に存在する様だ。


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為になるかも知れない話(その121)

2007-06-18 07:00:38 | Weblog
○昭和51年10月31日(日)晴。
 大堂さんと浜田さんと先成君と勝池さんと増田さんと他三人(ネコを連れて来た人もいたが)で、霧島山に登った。とても疲れたが、帰りの時には、"よし、11月からやるぞっ!"って気になった。やはり人間は、ゆとりがないといけない。恵ちゃんがいつも言っているコスモス畑も見た。コスモスは、盛りを少し過ぎていた。秋のもみじは、もう散っていた。6月・7月・8月・9月・10月と、5ヶ月も経ってしまった。いや、まだ5ヶ月しか経っていないのに、前ほど苦労しなくなって、前よりも量もこなせる様になっている。
○昭和51年11月4日(木)晴。
 心不全の子どもが0:00頃に来た。ジギタリゼ一ションを48時間ですることにした。何でも初めは不安。その前に、診断をちゃんと付けることが先決だ。
○昭和51年11月6日(土)晴。
 ○○さんのお母さんが、15:00に来るというので、それまで待った。慢性腎炎にもいろいろなタイプがあると説明した。夜、再び病院に行って、心不全の子どもの心電図をとった。医者は、よく診ることが大切だ。理論も確かに大切だが、それ以上によく何度も診ることの方が大切だと思う。
○昭和51年11月7日(日)晴。
 忙しかった。難しい症例が急患で3人来た。頑固に嘔吐する子どもで、総腸間膜症であった。朝の3:00に3カ月の乳児がけいれんで来た。少しピリピリ(易刺激性)した感じがしたが、熱が今晩から急に出たと言うので、親には、「脳膜炎は否定できないが、まあまあ元気がいいので、又けいれんが起きたら直ぐに来て下さい」と言って、一抹の不安を覚えながらも帰してしまった。昼間であれば、ルンバ一ルをしていただろうけれども。朝6:00、案の定、けいれんで来院し、小野先生が来てくれて、直ぐにルンバ一ルし、(無菌性)髄膜炎であった。親は、「夕べの先生が直ぐに入院させてくれていたら・・・」と不満そうに言っていた。私の完全なる誤診であった。
 (日本感染症学会の評議員の)梶原部長が、「3カ月の熱性けいれんは、極めてマレ。無菌性では、細菌性よりも、典型的な症状が出にくいから、そんな目で診る様に」と言われた。

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