例えば,ゆかりさんが「算数の教科書を忘れてしまいました。」
さあ,このあと3時間目は算数です。もちろん教科書が必要です。
どうしましょうか?
1 「忘れたのだから,その罰として教科書なしで授業を受けさせる」
2 「先生に借りに来させる」
3 「友だちに相談させる」
4 「他のクラスに借りにいかせる」
5 「家へ取りに行かせる」
考えられるのはこの5パターンくらいでしょうか。
忘れ物というミスをしてしまったゆかりさんへの処置として適切なものはどれでしょうか。
まず,してはいけない処置としては…
× 「忘れたのだから,その罰として教科書なしで授業を受けさせる」
どんな状況であろうと,きちんとした学習を全員に保障することが学校が役割です。これはいけない。
× 「家へ取りに行かせる」
こんなことをさせる先生はほぼいないと思いますが,これは危険です。何かあったときは大変です。
× 「他のクラスに借りにいかせる」
これは考えられる手かもしれませんが,忘れ物という個人的な問題は,やはりクラスの中で対処しましょう。他のクラスに迷惑をかける,恥ずかしい姿を見せるのはやめましょう。
とすると,考えられるのは
忘れ物には,「友だちに相談させる」→「先生に借りに来させる」
という方法です。
この2つの方法には,→で順序性をつけました。
たまの忘れ物,その子にとっては,うっかりとした珍しい忘れ物の場合は,友だちに相談させてはどうでしょうか。
この場合,教科書を見せてもらうくらい,隣の席の友だちが「いいよ,一緒に見よう」と許してくれるかもしれません。
その友だちには迷惑をかけてしまいますが,そこはクラスメイトです。友だちにも少し自分の身を削って助ける経験をさせてもいいし,ゆかりさんにも,助けてもらって申し訳ない,ありがたいという経験をさせてもいいと思います。
実社会においても,自分が忘れ物などのミスをしたら,このようにそばにいる誰かに助けてもらうことが一番多いでしょう。
次に2つ目の方法です。
たまの忘れ物でなく,忘れ物が多い子の場合です。
これは,隣の子にまた教科書を見せてもらうのは,さすがに友だちもストレスです。
見せてもらう方も甘えすぎです。
そういった子には,「先生の所へ来なさい」と指示しましょう。
そして「すみません,貸してください」と,自分でお願いさせましょう。
厳しい顔で「忘れ物が多いようですね。まだ続くようなら,先生も考えますよ。」ぐらい,短く,厳しく一言をそえて,教科書を貸してあげましょう。
これは,隣の友だちが見せてくれる優しさも感じられるず,先生が怒っていることを感じますから,痛いはずです。
※このとき,決して「きみはもう何回目…」などと,長々と説教しません。忘れ物ごときでいらぬ時間と神経を使わないようにしましょう。
このように,忘れ物をした子にも学習を確実に保障しつつ,その程度に応じた処置のしかたをするようにしましょう。
↓いつも応援ありがとうございます!