今回の水泳のシリーズを読んでくださっている方々の中には,ちょっと期待はずれな内容だったという方もいるかもしれませんね。
水泳の攻略法とあるので,水泳の技術指導のノウハウが書いてあるかと思われたかもしれません。
例えば「息継ぎの効果的な練習の仕方」とか,「バタ足のコツ」とか。
そういったものを期待していた方々にはすみませんでした。。。
もちろん,水泳を指導する際にはそういったものも必要です。
そして,うれしいことにそういった情報はあらゆるところに紹介してあります。
体育の指導書にはもちろんですが,体育の研究誌,地区の体育実技講習会の資料,さらにインターネットを検索すればたくさん出てきます。
優れた先行実践を真似することも大事です。
私もいつもそうしています。
そういった指導を通して,まだ泳げない子たちを「バタ足ができるようにしてあげよう」とか「息継ぎを上達させよう」と思うわけです。
そして,今回の場合,最終的に「25mを泳げるようにしたい」となるわけ…
いやいや!
そこは違う!
最終的には,そこをめざしているんじゃない!
…と,私は思っています。
最終的にめざしたいのは
「25mという目標に向かって,努力したり協力したりできる人にしたい」
そこだと思っています。
大局的な話です。
水泳の技能を目標にしていません。
やっぱり「人」の育成を目標にしています。
学校の先生であれば当たり前に感じる話かもしれませんが,いかにこのことを普段の授業の中で意識できるかです。
まだ泳げないたかしくんの腕の動きに注目して,いろんな指導を届けますが,腕だけを見て指導をしないということです。
やっぱりたかしくんという「人」を見る目です。
腕がうまく動かせなくて悩んでいるたかしくん。
できるようになろうと努力しているたかしくん。
少し上達して喜んでいるたかしくん。
そこを見てあげることの大事さを,いつも思っています。
それができる先生って,やっぱり優しいし,懐が深いし,人柄が温かいです。
子どもに共感できます。
水泳学習はあと数時間で終わってしまうけど,そのあともたかしくんの成長は続くわけです。
水泳のときの経験はそこにも生きていきます。
そんな広い視野に立って,トータルで人を育てようとする意識,大事にしたいです。