小学生攻略法

このブログも10年目。久しぶりに担任復帰です。

クラス全員水泳25m達成おめでとう!~その攻略法3~

2011-07-21 07:46:38 | 授業中の攻略法

水泳の運動特性ってやっぱり複雑です。

全身のいろんな動きが呼応してやっと泳げるようになります。

いったんその技能を身につけると,運動はほぼ自動的にできるようになりますが,まだその技能を身につける前の段階の子にとっては,「泳げるようになる」ということは,やっぱり簡単なことではありません。

そして,泳げない子がたくさんいたとしても,課題は一様ではありません。

その子,その子によって泳げない原因はそれぞれです。

→手の動きができていない

→足の動きができていない

→呼吸ができていない

→体の動きができていない

などなど。

さらに「手の動きができていない」の中でも

→手を入水する場所が違う

→水中での動かし方ができていない

→手の平の形がよくない

→右手はできているが,左手ができていない

などと,さらに細かく課題は分かれます。

こんな子たちを泳げるようにするために,先生は一斉指導で手や足の動きなど,おおまかには指導できますが,やはり一人一人に対応して,ポイントをおさえた指導を届けるというのも,限界があります。

やはり,水泳には個別指導が一番だと思います。

では,どのようにして個別指導を進めるか。

教え合うシステムをつくる!

クラスの「泳げる子」たちの出番です。

二人組,三人組をつくり,つきっきりで教えてあげるようにします。

この「ミニティーチャー」たちが,それぞれの子の課題を見抜き,適切なアドバイスをしてくれるよう,はたらきかけます。

「なぜ泳げないかを発見すること」

「それを,上手に本人に伝えること」

「どうすればよくなるか,練習の方法を工夫すること」

「たっぷり泳ぐ時間をとること」

教える側の子たちには,上のようなことを伝えます。

「ただ繰り返し泳いでもだめだよ。水泳を一緒に『学習』しなきゃ,泳げるようにはならないよ」

そこがポイントです。

こういった水泳を教える活動も,大事な水泳学習である,そしてそれは自分の泳ぎにもつながるものがあるということを気付かせることです。

それに気付いた子たちは,自分の水泳時間を惜しむことなく,必死に友だちを教えてくれるようになります。

そして,自分の上達と同じように,友だちの上達を喜んでくれます。

こういう「システム」を,クラスの中にたくさん存在させることですね。

もちろん,この教え合う活動を授業いっぱいするわけではありません。

それでは,上手な子たちの運動量が少なくさすがに不満がありますので,授業の中の15分間などと,枠を決めてするといいでしょう。


クラス全員水泳25m達成おめでとう!~その攻略法2~

2011-07-18 13:59:34 | 授業中の攻略法

「全員」というのが肝心で,そこに難しさがあります。

もちろんクールな見方をすれば,「全員が泳げることを目標にする必要もないだろう」なんて意見もあるでしょう。

でも,「クラスみんなで,一つの目標に向かう」

そのための手段としても,今回の水泳を位置づけてみたい。

そう思って取り組むのは担任の,または子どもたちの判断一つです。

必ずしもできる必要はない。

しかし,もしできれば素晴らしいことだ。

そういうものでしょう。

水泳に関する子どもたち一人一人の意欲はそれぞれです。

「プール大好き!」という子は大勢います。

でも中には「プールは好きじゃない」という子だっていて当然です。

「泳ぎが上達したい!」という子は,これまた大勢います。

でも中には「別に泳げなくてもいい」なんてへそ曲がりな子だっているかもしれません。

そんな中で,「全員達成」という目標を掲げてクラスみんなで取り組んでいくには

クラス全体のテンションを上げる!

ことが大前提となります。

前回の「妥当な目標を掲げる」からの二つ目です。

目標を掲げたら,それに向かうエネルギーを十分に蓄えて,ベクトルをそろえる。

そうして初めて目標に向かって力強く突き進む組織となります。

ただ単に,水泳の一時間目に先生が

「よーし,今年はクラス全員25m泳げるようになろう。そのために…」

なんて話すだけでは,子どもたちのハートは十分に温まりません。

10時間以上ある水泳学習を,息を長く,熱く取り組んでいくには,それだけの強烈なテンションが必要です。

子どもたちのテンションを高める一番の方法は,やっぱり「目標を達成したい」という言葉を子どもたちから引き出すことでしょう。

学級会で話し合うなどして,活動自体の子どもたちの主体性を高めることです。

先生が「やりましょう!」というのより,クラスのリーダー格の子が「やろうぜ!」というほうが,クラス全体の熱は上がります。

それを,先生はうまく引き出す役になりたいですね。

また,

「目標を達成した先には,なにか目的がある!」

というのもテンションを上げるためには大事です。

クラス対抗水泳大会がある

町内水泳記録会がある

PTA新聞の取材がある

お祝いクラスパーティーがある

なんてものがあれば,子どもたちの目の色が変わります。

新聞やパーティーは,ちょっと動機が不純かもしれませんが,子どもってやっぱり「損得」で動くというのは本当のところです。

それはそれで,教育にもおおいに利用していいと思います。


クラス全員水泳25m達成おめでとう!~その攻略法1~

2011-07-16 15:22:33 | 授業中の攻略法

夏の醍醐味,水泳学習。

夏休みを前に,我がクラスはみごとに水泳25m完泳を達成できました!

みんな,おめでとう!

最後の一人の男の子が泳げた瞬間の,あのクラスみんなの喜びようは,たまらないものがありますね。

みんなでその子のところに飛び込んで,「やったー!!」の嵐です。

一年の中でも,クラスみんなで感動を共有できるあんな瞬間って,1度あるかないかでしょう。

その子は,普段は宿題はペラペラとしかしない子なんですか,その日だけは2ページにわたる日記を書いてきました。(笑)

「死ぬほどうれしかったです」という言葉が印象的でした。

いやいや,とてもすばらしい水泳学習になりました。

ちなみに,来週はもちろん「水泳おめでとうパーティー」です。

クラス30名超。

6月に水泳がスタートした時点で,25mを泳げるという子は,10名ちょいでした。

その数字の少なさにも正直驚きましたが,それを受けて,この5年生ではなんとか全員の泳力を高めなくてはと思いました。

さて,どうやって全員が25mを泳げるようになったのか。

めずらしくシリーズで書いてみます。

1回目の今回。

まずは

妥当な目標を掲げる!

ことから始まると思います。

この25mは,水泳で言うと一つの目安であり,それを泳げるかどうかで子どもの泳力を判断してしまいそうですが,これは単なるプールのサイズです。

もし「クラス全員で水泳に関する目標を掲げる」となれば,必ずしも25mが目標になるわけではないのです。

泳力の高い学級であれば30m,40m,50mとしてもよいでしょう。

泳力の低い学級であれば20m,15m,10mとなるかもしれません。

下位の子たちの泳力はどれくらいなのか。

上位にいる子たちの泳力はどれくらいなのか。

先生の水泳に関する指導力は。

先生の指導がよく届く学級か。

水泳の時数は何時間確保できるのか。

子どもたちどうしで教え合える学級か。

総じて,この学級の戦力は。

そういったことを考えます。

学習のスタート時点で,そのクラスに妥当な目標を設定するというところから,子どもにとって最適な学習はスタートします。

我がクラスの場合は,子どもたちとも話し合って希望を聞き,かつ担任としても判断して,25mとしました。

全員が達成できる目標でよかったです。

でも,正直少し反省もしています。

水泳を残り3時間残して,全員が達成できたからです。

もう少し,目標を伸ばしてもよかったのかな…

最初に見極める目が甘かったのかもしれません。

が,もちろん,子どもたちは大喜びです。


スケッチ大会の絵に熱中している子も,もう片付けの時間

2011-07-09 17:24:00 | 学級生活の攻略法

学校ではスケッチ大会の最中です。

一学期も残り少なくなってきたのに,まだやってるっていうのが行事に追われる学校の大変さを物語っていますが,梅雨の影響などもあり,まだ子どもたちは絵を描いています。

絵の描かせ方って難しいですね。

私は自分で絵を描くのは好きなんですけど,教えるのが下手です。

もっと指導技術を磨かなければといつも思わされます。

さて

図工は子どもが熱中しやすいですね。

好きな子は,周りの様子など一切気にならないほど,自分の作品に没頭しています。

いい姿だと思いますね。

こういう子には先生があーだこーだ言うよりも,自分の発想に任せてのびのびと描かせたいとも思います。

でも,子どもたちが活動に熱中していても,授業は終わりの時間がやってきます。

今日のスケッチ大会のための図工の時間も,残り5分となりました。

どうやって子どもたちの活動を止めさせましょうか。

よく見るのが,

「はい!そこまで!全員手を止めなさい!」それでも数人の子どもは聞かず,「まだやってる子が10人いる!やめなさい!片づけをします!」

的な,強制的な終了の仕方です。

うーん,授業をまとめる,大人数の子たちを同じように動かすという意味では,やはりこんなやり方になってしまうのでしょう。

でも,熱中している子には,なにかかわいそうな気がします。

「かわいそう」なんて言ってるのは甘いのかもしれませんが…

私は,こういうとき

きりがいいところで止めなさい。次の授業は○分から必ず始めます。

と伝えるようにしています。

活動中の子たちの手を一端必ず止めさせてからです。

全員の顔を上げさせて,こう伝えます。

そうすると,「もういいや」って子はすぐに片づけを始めるし,「もうちょっとやっておきたい」という子は,また描き始めます。

要するに,ゴールはバラバラになってしまうのですが,次の授業のスタートが全員揃えばいい,という形です。

言うまでもなく「次の授業は○分から始めます」の約束を守ることが前提です。

これができないときは注意をするようにしています。

だから,授業の終わりギリギリではなく,5分前ほどのゆとりをもった時間に言うといいでしょうね。

ただし,これできちんとできるのは高学年になってからでしょうか。

普段から時間に関する指導をきちっとしておかなくては,通らない指示でしょうね。

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暑さでぐったりしている子たちとの授業…!

2011-07-07 19:28:23 | 授業中の攻略法

夏休みまであと少し。

1学期のゴールが見えてきました。

私は,3学期でもないのに黒板に「あと○日」の日めくりカレンダーを書いてしまっています。(笑)

子どもたちと自分を励ますために。

さあ,暑さも本格的になってきて,教室の中もムンムンします。

私は五年生担任。

人数も30人超。

教室中が熱気に包まれている気がしますね。

こんな中で,もちろん授業もいつも通り進めなくてはいけません。

いつも通り,という以上に,学期末のこの時期高学年はやることがいっぱいです。

授業も確実に最期まで終わることができるように,結構なペースで進めなければいけません。

が,やはり暑い!

授業をする,子どもたちが学ぶ環境としてはどうしても適さないと言わざるを得ません。

暑さでだれている子たちに

「こらっ!シャキッとしなさい!暑いのはみんな一緒!」

なんて喝も入れたくなりますが,どれほど効き目があるのやら。

ここは,先生の精一杯の言葉よりも,やっぱり授業の形で工夫をするべきです。

思うに,

暑い時こそ,作業量を増やす!

ことが大事かと。

暑くて学習に集中できない雰囲気が教室にできてくると,普通は作業量を少なくして,負担の少ない授業をしてあげようとしがちです。

ですが,こうすると余計ダラダラとなります。

薄っぺらい授業の中で,子どもたちも集中力が落ちます。

ここは逆に,先生がしゃべる時間を減らして,作業量は増やすようにしてみます。

ここでいう作業量とは,主に「書く活動」「つくる活動」です。

考える,話し合う,見る,聴く などの活動ももちろん授業中にはあるのですが,そういったものは暑さの中でどうしても質が落ちてしまいます。

ここでは手作業で進める「書く」「つくる」ことを増やしましょう。

やらなければいけない量,やらなければいけない時間,やり方,そういったことを分かりやすく示したうえで,

「はい,スタート」

と,一気にやらせます。

暑くても,手は動きます。

また,「考える」「話し合う」などと違い,できているかできていないかが明確になる活動なので,子どもたちはやらざるを得ません。

暑いを理由にさぼれません。

結果,こういった作業は,暑い中でも一端火がつくと子どもたちは集中します。

夏の暑い教室で行う授業は,できるだけ教室が「シーン」となって,全員が集中して自分の作業に取り組む時間が多い授業をするべきですね。

加えて,

集中してたくさんの作業ができたならば,早めに授業を終わるようにもしています。

そして少し多めの休み時間の中でリラックスさせて,また密度の濃い短時間集中型の授業に備えさせます。

メリハリをつける感じですね。

ちなみに,授業をする先生にとっても,そんな授業の方がありがたいです!

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