何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

運が向いてきたぞ、夢

2015-04-25 02:51:32 | ひとりごと
「ゆずり葉」(4/22)で、新旧交代は難しいと書いた。

後進に活躍の場を与えるための早期の退場を「引き際の美学」と評するとすれば、屍を越えて行けとばかりに厳しい背中を見せ続けるのは「頑固者の哲学」とでもいうのだろうか。
一秒を争い勝ち負けが明確に分かる競技であっても、新旧交代は複雑な感情を呼び覚ますが、これが他の世界では更に糸は絡まる。

老葉が厳しい季節を全て引き受け、陽春輝く季節を若葉に引き継ぐ、とはいかないし、
最期の盛りを見届けてから、若葉が出てくる、ともいきにくい。

自分達が築いた良い時代が、苦労知らずの若輩者の色に変えられるのを嫌う老葉と、来るべき時代に備えて自分の色を探す若葉。

「かぐや姫の大義(3/31)」で書いた「娘はいまも反抗期」という父と「コーポレート・ガバナンス」を説く娘の争いも、経営方針の相違という体裁はとっていたが、要は老葉と若葉の’時’の問題が根底にあったと思われる。
事程左様に新旧交代の難しさは時代や洋の東西をこえて普遍的テーマなので、これを扱った本はいくらでもあるはずだが、この一冊!が浮かばない。

頭が働かない言い訳
ワンコ
膀胱炎は順調に回復したのだが、薬のせいか年のせいか、便秘生活二日半。
今まで便秘知らずできたので本人も苦しいのだろう。
「薬のせいとは考えにくいが、年をとって消化が鈍くなり、うんちも固くなりがちで便秘が起こりやすい。水分をしっかり取って、運動も頑張らせて下さい」とのアドバイスをしっかと心に受け留めたワンコは、健気に水分をとっては庭歩きを自ら実行する。その健気さが切なく辛さが募っていたところ、便秘生活3日目突入を目前に、巨大うんちが3本。
夜中に歓声をあげてしまった、でかしたワンコ。

すっきりすると、新旧交代の難しさばかりを考えていても仕方ないという楽観的な気分になり、時間を超えて継いでいける何かを考えてみる。
そこで気になったのが、このニュース。

<ホンダジェット、ブランド背負い 空舞う宗一郎の夢> 産経新聞 4月24日(金)7時55分配信より一部引用

ホンダは、23日に日本で初披露した小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」で、世界的に成長の続くビジネスジェット市場に本格参入する。二輪車メーカーとして創業し、国内最後発で四輪事業に参入したホンダが、今度は航空機開発で世界の空に打って出る。極めて厳しい安全性が求められる航空機事業で成功できれば、相次ぐ四輪のリコール(商品の回収・無償修理)問題で傷ついたブランド力の復活が期待できる。(松岡朋枝)
「(本田)宗一郎の夢でもありホンダマンの夢でもある。空にわれわれの夢が広がった象徴的な日だ」
23日に記者会見したホンダの伊東孝紳社長は感慨深げに語った。同社の航空機事業の歴史は長い。
昭和37年には、新聞に航空機の設計コンテストを開催する広告を掲載し、航空事業参入を計画していたとされる。
61年には航空機用エンジンなどの基礎研究に着手し、平成9年にホンダジェットの開発を開始。基礎研究開始から約30年でようやく“おひざ元”日本での飛行にこぎつけた。



夢をキーワードに老葉と若葉を考えてみる。

おやすみ ワンコ

ドロンパ登場

2015-04-23 10:00:17 | ニュース
[ゆずり葉」(4/22)でで新旧交代の難しさを考えてみる、と書いたが、気になる事件があったので、そちらを優先する。

<官邸「ドローン」墜落 放射性セシウム検出 小型カメラ、液体入り容器も…威力業務妨害容疑視野に捜査>産経新聞 4月22日(水)19時34分配信より一部引用
東京都千代田区永田町の首相官邸の屋上ヘリポートで22日、小型の無人飛行機「ドローン」1機が見つかった。ドローン周辺では微量の放射線が測定され、放射性セシウムを検出。警視庁公安部などは、何者かが意図的に侵入させた疑いがあるとみて捜査本部を設置し、威力業務妨害容疑などを視野に捜査を始めた。
警視庁によると、ドローンは同日午前10時20分ごろ官邸職員が発見。放射線を示すマークとともに「RADIOACTIVE」と表記されたシールが張られた容器が積まれており、セシウム134、137を検出した。放射線は微量で人体に影響はないという。



「千に一つの不出来を恥じる」(4/20)で「民王」(池井戸潤)を読んでいると書いたが、「民王」を読みながら心配していた類の事件が22日発覚した。

「民王」は解説で「一気読み間違いなしの政治的エンタメ」と書かれているが、その理由は「俺があいつで、あいつが俺で」(山中恒)「秘密」(東野圭吾)と同様に、ある日突然、心と体が入れ替わるという設定を用いているからだ。

ある日突然、首相の脳と万年留年大学生の息子の脳が入れ替わる。

予算委員会に座っている体は首相武藤泰山だが、脳は留年息子の翔なので、『未曾有(みぞゆー)の経済危機(けいざいききん)に景気は低迷(ていまい)し、大型倒産が頻発(はんざつ)しているので、経済対策を踏襲(ふしゅう)していく』などと答弁してしまう。

解説によると、池井戸氏がこの作品を書いた執筆動機は「この国には一億何千万人もの人間がいるのに、何故漢字が読めない様な人が首相になるのか」という疑問なのだそうだ。池井戸氏にしてみれば、心と体が入れ替わるというSFまがいの設定にしなければ、漢字の読めない総理も酔っ払い会見をする財務大臣も言語道断なのだろう。

前置きが長くなったが、ドローンニュースとの関連で気になったのは、ここからで、この心と体の入れ替わりが実は、新薬の許認可をめぐる政治的・経済的陰謀(テロ)だったという点だ。

確かに、政権幹部の脳波を読めたり操れたりすれば、国家を乗っ取ったも同じ。

首相武藤が憤然と言う「この武藤泰山の命が欲しいなら、正々堂々と戦いを挑んでくればいいではないか」と。
冷静な秘書が応えて言う「正々堂々と戦うテロリストなんて聞いたことがありません、先生」と。

こんな掛け合いが政治的エンタメの面白味だったが、「官邸の屋上に落下したドローンから小型カメラやセシウムまで見付かった」というニュースを聞けば、国家権力の中枢がテロに遭うという設定が俄かに現実味を帯びてくる。

このニュースは他にも気になる情報を含んでいる。

<「ドローンを皇居上空に」ネットに書き込み> 2015年4月23日 7時58分読売新聞より一部引用
捜査関係者によると、麹町署には今年に入り、インターネット上に「ドローンを皇居上空に飛ばす」という書き込みがあったとの情報が寄せられていた。
3月末~4月初旬頃には、皇居外苑の北の丸公園の上空をドローンが飛んでいるとの通報があり、同署員が現場に駆けつける騒ぎも起きていた。同庁で今回の事件との関連を調べている。



「ドローンを皇居上空をに飛ばす」と書き込まれていたというが、昨年末には赤坂御用地に不審者が侵入するという許しがたい嫌なニュースもあった。

<赤坂御用地に不審者侵入、すぐにバイクで逃走 建造物侵入の疑いで捜査>朝日新聞2014.12.24 23:47より一部引用
24日午後7時半ごろ、東京都港区元赤坂の赤坂御用地で、侵入者がいることを示すセンサーが作動した。警視庁赤坂署員が急行したが、すでに逃走していた。同署が建造物侵入の疑いで侵入者の行方を追っている。
同署などが防犯カメラを調べたところ、何者かがバイクで赤坂御用地に乗りつけ、フェンスを乗り越えて敷地内に侵入する様子が写っていた。約10秒後、侵入者は再びフェンスを越えてバイクで逃走した。
現場は赤坂御用地内の東宮御所に近い場所で、けが人や侵入者と接触した人はいなかった。


まさか脳波がジャックされるという事態は起らないだろうが、国家の中枢へのテロというのは「民王」を読みながら気になった。
そこへ昨日のドローン事件。
官邸の上空は無防備だというが、赤坂御用地などフェンスすら容易に乗り越えられてしまうほどの不用心さ。

「正々堂々と闘うテロリストはいない」を肝に銘じて、今一度安全対策を見直して欲しいと心から願っている。

ゆずり葉

2015-04-22 12:52:44 | 自然
以前「走ってみようか、闘ってみようか(2/26)」で、「走るということを、考えてみようかどうか迷いながら、日常生活に速歩を取り入れて50日目」と書いたが、あれから二か月さほど成長もせず、まだ歩いてる、
ともかく歩いている。
季節が変わった。

昨日、久しぶりに晴れた空のもと桜の木を見ると、縮こまった若葉が芽を出していた。
今年の桜は、雨のなか咲きはじめ、大雨にうたれてあっという間に散ってしまった。
桜の花の向こうに青空が見えたのは二日だけ。
例年ならば、桜色が褪せてきた頃に若葉がむくむくと芽をだすのを見て、季節の移り変わりと新旧交代を思い、国語の授業で習った詩を思い出すのだが、今年の春は違うニュースで「ゆずり葉](河井酔茗)の冒頭を思い出した。

「子供たちよ。
 これはゆずり葉の木です。
 このゆずり葉は
 新しい葉が出来ると
 入り代わって古い葉が落ちてしまうのです。

 こんなに厚い葉
 こんなに大きい葉でも
 新しい葉が出来ると無造作に落ちる
 新しい葉にいのちをゆずってー 」

新しい葉が出来ると新しい葉に命をゆずって無造作に落ちる、という新旧交代を象徴する姿は、この「ゆずり葉」だけではないと思う。

桜は、花が盛りを極めたのを確認しながら、若葉が芽吹いてくる。
庭のコナラの盆栽。パリパリに枯れてしまった葉っぱは寒風吹きすさぶ真冬を耐え、春、新葉が芽吹くと同時に静かに葉を落とす。

前の隆盛を見守りながら、自分の出番を待つ桜の若葉。
最後の力を振り絞り厳しい季節を引き受け、明るい季節を次の世代に引き継ぐコナラの老葉。

桜の木からあの詩を浮かべる事のない今春だったが、新旧の引き継ぎの難しさを考えさせるニュースはあった。

サッカーの三浦和良選手に対して、野球評論家が「若い選手に席を譲らないと。団体競技だから伸び盛りの若い選手が出られない。だから、もうお辞めなさい」と言ったそうだ。
この言葉を「激励」とポジティブに受け取ったカズ選手が結果を出したとニュースになっていた。
「カズが今季2点目で最年長得点更新!48歳1カ月24日に」サンケイスポーツ 4月19日(日)14時45分配信の見出しより

これで思い出すのが橋本聖子選手。
本業のスピードスケートだけでなく夏のオリンピックまで出場し、オリンピックに出場し続けること7回。
「一度のオリンピックを夢みてどの選手も必死なのに、いいかげん後進に道をゆずるべきだ」という意見と、「タイムを競う競技なのだから先輩後輩は関係ない。年くった先輩に負ける後輩が悪い」という意見が頭の上を飛び交っていた当時、まだ青い自分は「前が閊えてると、一歩抜け出そうにも抜け出せない」と思っていた。

が、自分も閊えてる側の気持ちが分かる年齢に近づいているからだろうか、カズ選手の奮起も週末続いたニュースも嬉しかった。

<北島が現役続行へ=リオ五輪へ「一から頑張る」―競泳> 時事通信 4月18日(土)0時2分配信より一部引用
競泳男子平泳ぎの北島康介(32)=日本コカ・コーラ=が現役を続行することが17日、関係者への取材で分かった。同日に練習を再開し、「リオデジャネイロは自分にとって最後の五輪になると思う。もう一度五輪を目指す気持ちになって、一から頑張りたい」と話した。
 
<プルシェンコが現役復帰宣言=フィギュア> 時事通信 4月18日(土)0時58分配信より一部引用
【モスクワ時事】フィギュアスケートのトリノ五輪男子とソチ五輪団体の金メダリスト、エフゲニー・プルシェンコ(32)=ロシア=は17日、タス通信に現役復帰を宣言した。


フィギアスケートの採点はとかく疑問が付きまとうので何とも言えない部分もあるが、伊達選手のテニス(「絶対無二の存在」(3/2))やスピードスケートや競泳などの競技は、勝ち負けが明確なので、それゆえの厳しさはあるが’時’は分かりやすい。

これが、他の世界ではそうはいかない。

老葉が厳しい季節を全て引き受け、陽春輝く季節を若葉に引き継ぐ、とはいかないし、
花の盛りを見届けてから、若葉が出てくる、ともいきにくい。

そんな難しさを考えている、つづく


千に一つの不出来を恥じる

2015-04-20 19:05:18 | 自然
この週末も雨模様だった。

3月中旬から4月上旬にかけて降る長雨を菜種梅雨というが、その風流な響きすらウンザリするほど今年の春は雨が多い。
春雨は柔らかい雨というイメージをかってに持っていたが、今年のそれは「春雨じゃ濡れてまいろう」とばかり言ってはおれない吹き降りの日もある。
そして今日は穀雨。
穀雨とは穀物の成長を助ける雨とくれば本来は有難いが、穀雨から立夏まで雨が降る日が多いと聞けば、「作物の成長を助けるも何も、こう雨ばかりでは夏野菜の苗を植えるための土の準備ができない」と独り言ちている。
グチってばかりいても仕方ないので、雨の日曜日エア庭いじりをしていた。
家庭菜園にも収穫の喜びはあり、それを思うとあれもこれもと植えたくなるが、猫の額のような庭だけに、連作できないものを頭に入れつつ、どこに何をどれくらい植えるかは、なかなか難しい。

まずトマト。
桃太郎のような、かぶりつきたくなるようなトマトも植えたいが、これが育ったためしがない。
ではトマトに不向きな土かというと、冬中かけて作った堆肥in大型プランターで、ミニトマト「アイコ」は鈴なりに実ってくれるので、土が悪いはずはない。
だから我が家のトマトは、アイコちゃん。
「愛子ちゃん、元気に大きく(お幸せに)育っておくれ」と心をこめて育てている。
6苗植えると、ご近所におすそ分けして、残りを冷凍保存しても十分な量の収穫、これをチビチビ出してきてはパスタのソースやミネストローネに使いつつ、次の収穫まで凌ぐ。

唐辛子1苗、シシトウ2苗、ピーマン6苗
緑鮮やかなピーマンと土を改良するマリーゴールドを一緒に植えると、野菜作りであっても、ちょっとしたガーデニング気分も味わえる。

キュウリは3苗
我が家の力量では1苗から10本程度しか収穫できないし、失敗することも多いが、もぎたてのキュウリを自家製フキ味噌もどきで食べるのは堪えられないので、これも外せない。

問題は茄子。
上手く出来たためしがない。
ご近所には実家や本家が農家という方もいて、色々アドバイスを下さる。
「土が悪いのでないの?」との意見をうけて、超上等の堆肥入り土で作ったがダメ。
「苗は、あそこのが良いよ」との意見をうけて、遠方の苗屋まで出かけたが、それでもイマイチ。
「日当たりが大事」という意見もあれば、「あまり日当たりがよいとダメ」という意見もあって色々試したが、難しい。

「 親の意見と茄子の花は、千に一つの無駄も無い 」
というが、我が家の茄子は、薄紫の奇麗な花までは咲いてくれるのだが、(食べられるような)実にならない。
かなり小ぶりで、歯が立たないような固い茄子の実を見ては、「親の意見を活かしてきたか」と我が身を振り返り苦い思いを噛みしめている。

今年も我が身の不甲斐なさを反省するために茄子を植えるべきか、エア庭いじりをしながら考える週末であった。

ところで今「民王」(池井戸潤)を読んでいる。
この本は解説が「一気読み間違いなしの政治エンタメ」と書いているように主題は政治なのだが、農業について書かかれている部分があり、エア庭いじり中の自分の印象に残った。

これまでも「時代に即した祈り(3/19)~「ブラックボックス」(篠田節子)「黙示」(真山仁)」などで、農業で生計を成り立たせるという観点に注目してきたが、「民王」でも同じ葛藤が書かれている。主人公の一人が就職を希望するアグリシステムという無農薬食品を生産販売する会社が、無農薬野菜で豊かな食卓をという理想(夢)から収益を重視した生産に切り替えるしかない、という場面があるのだ。
ここで就活青年?がいうセリフが印象に残っているので記しておきたい。

「今の日本は不景気で、給料も下がり、人々の生活は苦しくなる一方かもしれません。生活費をできるだけ切りつめたいと思っている人は少なくないとは思います。そんな中でも日本人として、人間として守らなければならない一線というのはあると思います。それが食です。本物は高いから買わないというのなら、それは構いません。しかし、知らないから買わない、知らないから買えない社会になっては、日本の食文化は本当にダメになってしまうと思います。~中略~
本物の野菜の味、米の味、生産者のこだわり、忘れられようとしている日本の食文化を、世に広めたい」

会社としては収益を重視せざるを得ず、収益重視の農業に切り替えを図るが、日本の豊かな食文化を守るという夢も忘れまいとする場面が最後にはある。

「震える牛」(相場英雄)によると、知っていたら買わないような食品もあるようだし、知らないために買えない良い食品もあるようだ。
これからも食を書いた本には注目していきたいと思っている。


犬と人の愛情物語

2015-04-18 10:15:59 | ひとりごと
とても嬉しい記事を見つけたので、まず記事の紹介をしたい。
以前やはり犬と人間についての論文が紹介された時は、犬を飼った経験のある人間からすれば言わずもがなな論文だと書いてしまったが(「人を導くもの」3/9)、犬と人間の心の絆が科学的に実証されていくのは、分かりきったこととはいえ嬉しい。

<ヒトと犬>「見つめ」「触れ合い」深まる絆 毎日新聞 4月17日(金)3時0分配信
<人と犬、目と目で通じ合う…安心ホルモン増加> 読売新聞2015年4月17日 8時40分配信

これまで犬と人間については「凍れる牙」(乃南アサ)「天空の犬」「ハルカの空」(樋口明雄)など特殊な関係性における絆を書いてきたが、今回の論文は犬と人との日常的な素朴な関係性についての研究なので、そんな小説を思い浮かべてみた。

ハラスのいた日々(中野孝次)
老ワンコの長寿を祈る毎日なので、ハラスの「いた」日々とかいう過去形の題名にすら涙腺が潤みかねないが、とにかくこの一冊を読めば伝わる「犬のいる生活がどれほど人の心を豊かにしてくれるのか」を科学的に実証したのが、今回の論文なのだろう。

この論文では、『ヒトでは犬の「まなざし」、犬では飼い主との「触れ合い」が親近感を高めるのに重要な要素になっていることをうかがわせた。』と心理的効果について書かれているが、身体的効果として「犬を撫ぜることで人の心が安らぎ血圧が安定するので、高血圧や不整脈をもっている患者さんの処方箋に犬一匹と書きたい」という内科医の言葉を読んだ記憶がある。この内科医の言葉が、経験によるものなのか科学的根拠があってのものなのかは分からないが、今あれこれ検索してみると、その手の論文は過去にも多く出ているようだ。
ペットを飼うと健康になるらしい!!
↑この記事によると、今回の麻布大学獣医学部研究室論文よりミズリー大学の方がより早くより発展的な研究をしているようだが・・・いずれにせよ、この手の論文に書いてあることは、雅子妃殿下の誕生日の会見(平成10年、11年)でも「ハラスのいた日々」でも語られているし、犬と暮らした経験があれば体験的に誰でも知っていることではある。
だた、それが科学的に証明されればやはり嬉しいので、科学的に実証された犬と人間の絆について(少し)記しておく。
安心感を得たり信頼感が高まったりすると分泌されると考えられているオキシトシン(愛情ホルモン)。この愛情ホルモンは、母子の親近感が高まる時に多く分泌される現象は既に明らかになっていたのだが、人と犬という異種間での確認は今回が初めてだという。

では、猫と人間ではどうなのだろうか。

皇太子御一家の猫ちゃんの名はズバリ「人間ちゃん」
人と人の間にいようとすることから、敬宮様が「人間ちゃん」と名付けられたそうだ。
この名前の由縁からすれば、猫と人でも愛情ホルモンはたっぷり分泌されそうだが、どうなのだろうか。
お誕生日の写真には「まり」「ピッピ」につづき「由莉」も毎年納まっているが、「人間ちゃん」が写っているものは平成22年と23年の2回しかない。
気位の高い猫ちゃんは、写真撮影や実験には付き合ってはくれないのかもしれないが、敬宮様が愛情込めて「人間ちゃん」と名付けられるほどなのだから、犬と同様たっぷり愛情ホルモンを分泌させて幸せに過ごしていると思っている。

これからも生き物との愛情あふれるお幸せな日々を過ごされることを祈っている。


雅子妃殿下お誕生日の会見
平成10年
今,犬がおりますけれども,この,犬がいるというのも夫婦の仲にとって,とても良いように思います。よく「夫婦喧嘩は犬も食わぬ」と申しますけれども,喧嘩の種は割とよく拾って食べてくれるような気がいたします。

平成11年
私にとりまして,今飼っております犬たちと一緒に過ごす時間というのもホッといたしますし,大切な時間となっています。例えば,一日の日程を終えて,あるいは夕方に公務があったりいたします時は,その公務の間の時間を見付けて,夕方,犬たちを連れてここの御用地の中を散歩いたしましたり,自転車で回ったりいたしますと本当に良い気分転換になります。