<液体被害>新たな被害確認 6府県23カ所に> 4月10日(金)21時15分配信 毎日新聞より一部引用
世界遺産から各地の寺社まで 文化財保護法違反容疑で捜査
寺社などで油のような液体がまかれる被害が相次いでいる事件で、奈良県や京都府、静岡県、千葉県でも10日、新たに被害が確認された。被害を受けたのは6府県23カ所になった。各県警は、それぞれの被害に関し、文化財保護法違反などの疑いで捜査している。
許しがたい事件が続いている。
建造物と人間の美醜の狭間を描いた「金閣寺」(三島由紀夫)のような理由であっても理解できないが、現在進行形のそれは、幼稚な現代を象徴しているような気がする。
被害にあった場所のほとんどは訪れたことはないが、本を通じて強く心惹かれる場所がある。
そこに油だかヘアートニックだかを撒くとは。
修復に難儀するという油が「した した した」と沁み込み、嫌な臭いが辺りに満るとき、彼の人の眠りは、徐かに覚めてくるかもしれない。
彼の人を巌の下に眠らせた人。
父が祖父を討ったため気がふれてしまった母をもち、
幼い日に憧れた人は、討たれまいと狂人のフリをするが、父によって絞首刑とされる。
自らはといえば、相手に狂人のフリをする隙も与えず、謀反の咎で自害に追いやる。
気がふれるか、気がふれたフリをしなければ命が危ない時代に、あまりに秀外恵中で狂人のフリをすることも出来ないままに、自害して果てるしかなかった彼の人の魂は、
高貴な姉が 「磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど 見すべき君がありと言はなくに」 と泣きくれるのを、半分溶けかかった骸となって聞いていた。
そこへ、した した した
時がたった。
した した した 耳に伝うように来る油の垂れる音か臭いに呼び覚まされる。
国宝、世界遺産、重要文化財
なんであろうと、徐かに眠る魂と祈りが宿っている。
幼稚な時代の幼稚な所業で眠りから覚めた魂が、この時代をどう見るのか、庭の馬酔木の白い花房から した した した と垂れる菜種梅雨の雨粒を見て考えている。
ところで、かの地の一角に四季折々の庭が楽しめる花の院があるのだが、そこに皇太子様が訪問された記念の石碑があるという。
写真出典 ウィキペディア
世界遺産から各地の寺社まで 文化財保護法違反容疑で捜査
寺社などで油のような液体がまかれる被害が相次いでいる事件で、奈良県や京都府、静岡県、千葉県でも10日、新たに被害が確認された。被害を受けたのは6府県23カ所になった。各県警は、それぞれの被害に関し、文化財保護法違反などの疑いで捜査している。
許しがたい事件が続いている。
建造物と人間の美醜の狭間を描いた「金閣寺」(三島由紀夫)のような理由であっても理解できないが、現在進行形のそれは、幼稚な現代を象徴しているような気がする。
被害にあった場所のほとんどは訪れたことはないが、本を通じて強く心惹かれる場所がある。
そこに油だかヘアートニックだかを撒くとは。
修復に難儀するという油が「した した した」と沁み込み、嫌な臭いが辺りに満るとき、彼の人の眠りは、徐かに覚めてくるかもしれない。
彼の人を巌の下に眠らせた人。
父が祖父を討ったため気がふれてしまった母をもち、
幼い日に憧れた人は、討たれまいと狂人のフリをするが、父によって絞首刑とされる。
自らはといえば、相手に狂人のフリをする隙も与えず、謀反の咎で自害に追いやる。
気がふれるか、気がふれたフリをしなければ命が危ない時代に、あまりに秀外恵中で狂人のフリをすることも出来ないままに、自害して果てるしかなかった彼の人の魂は、
高貴な姉が 「磯の上に生ふる馬酔木を手折らめど 見すべき君がありと言はなくに」 と泣きくれるのを、半分溶けかかった骸となって聞いていた。
そこへ、した した した
時がたった。
した した した 耳に伝うように来る油の垂れる音か臭いに呼び覚まされる。
国宝、世界遺産、重要文化財
なんであろうと、徐かに眠る魂と祈りが宿っている。
幼稚な時代の幼稚な所業で眠りから覚めた魂が、この時代をどう見るのか、庭の馬酔木の白い花房から した した した と垂れる菜種梅雨の雨粒を見て考えている。
馬酔木 花言葉 犠牲・清純な心
ところで、かの地の一角に四季折々の庭が楽しめる花の院があるのだが、そこに皇太子様が訪問された記念の石碑があるという。
写真出典 ウィキペディア