Stan Getz And The Oscar Peterson Trio
(Verve V6-8251)
(Verve V6-8251)
ブルーノート、プレステッジ、リバーサイドの3大名門レーベルが素晴らしいのは勿論わかっていますが、VERVEにおけるノーマン・グランツのビッグネーム同士をぶつけたセッションをレコードにする手法は、時として抜群の効果をあげますよね。本日アップのVERVEの看板スター、スタン・ゲッツとオスカー・ピーターソン・トリオの激突も、各人の類い稀なジャズフィーリングのおかげでドラムなしのカルテットながら強烈なスウィング感を醸し出しています。57年という、彼らの絶好調時代でありますし、すばらしいスウィング感とバラードに聴かれるリリシズムが溢れんばかりです。
メンバーはStan Getz(ts), Oscar Peterson(p), Ray Brown(b), Herb Ellis(g)というドラムレスカルテットです。A面では何と言っても冒頭の"I Want to Be Happy"が素晴らしいです。ドラムのいない事を忘れてしまうスウィング感覚には脱帽です。柔らかい音色でスムーズなフレージングをみせるGetz、卓越したテクニックでトリオをぐいぐい引っ張って行くOPのピアノが最高です。こういうアップテンポの曲に対するGetzのノリノリプレイはこの時代にはよく見られていましたよね。グランツお得意の"Ballad Medley"では"Bewitched", "I Don't Know Why I Just Do", "How long Has Thin Been Going On", "I Can't Get Started", "Polka Dots and Moonbeams"が取り上げられており、彼らのバラード解釈の素晴らしさを堪能できます。言い出しかねてはレイのfeaturing numberですね。B面では冒頭のエリスのギターだけをバックにゲッツがテーマを吹く"I'm Glad There's You"が素晴らしくゲッツの歌心爆発という感じですね。
所有盤はMGMのカットアウトホールのある再発盤で悪名高い疑似ステ盤ですが、BNやプレステッジのそれよりは音がいい感じがしますね。ドラムレスでこれぐらいスウィングしてくれりゃ楽しめますね。
ドラムがいない事を感じさせないスウィング感が素晴らしいですよね。まあ、このトリオはレギュラートリオですからスウィング感が素晴らしいのは当たり前なんですけどね・・・。でもテナーワンホーンと言う面からみるとこのカルテットの編成は結構異色な気がします。ゲッツのソフトさがドラムレストリオとの共演をしっくりさせたのかも知れませんね。
このCD、camperさん仰るように各人の名人芸が、さらっとしかし巧いこと奏されるので、とても聴きやすく、CDなのに全部聴いたりしてます。今回のcamperさん記事のタイトルを見て・・・初めて「ドラムがいない」ことに気づきました(笑)まあ、それくらいスムースな音楽だったということですね。
それにしてもこの頃までのゲッツは本当に何をどう吹いても気持ち良い!