Monday Blues/Kazumi Watanabe
(RCA PG1505, reissue)
ジャズではギターは決してメジャーな楽器であるとは言い難いですが,日本においては小振りで移動が楽だったり、楽器として習得するには身近なことが影響しているのか世界的レベルのプレイヤーまで多く輩出している背景がありますよね。多くのプレイヤーはロックギターやクラシックギターを対象としてこの楽器に触れ,その延長線上にジャズギターって言うのが存在しているように思います。本日アップの渡辺香津美もフュージョンエラになった時代に名前が売れて来たギタリストであり,今や本邦を代表するトッププレイヤーと言っても過言ではないでしょう。こうして名声を得る前の若くしてピュアなジャズギターを弾く香津美のギターにスポットを当ててみます。本日のアップは74年録音のRCA盤”Monday Blues"です。
この録音時,まだ20才を過ぎたばかりの若造ですが中低音を生かした香津美のプレイは既に卓越した個性を感じます。メンバーは五重奏団編成で渡辺香津美(g)、土岐英史(as, ss)、板橋文夫(p),岡田勉(b)、日野元彦(ds)の5人です。自作曲2曲,サックスの土岐のオリジナルが1曲、スタンダード3曲のバランスが取れた選曲も良いですね。何と言っても、A-1タイトル曲の”Monday Blues"のソウルフルなフレージング,中低音を生かしたプレイが印象的です。"Child Is Born", "Round Midnight", "Here's That Rainy Day"のバラードプレイのリリカルな味わいも捨て難いですね。サイドメンでは,昨日の辛島同様,モーダルでマッコイ的なプレイを聴かせる板橋のピアノが光りますね。
所有盤は再発廉価盤です。ギタリストと言えば,細く長い指が有利のように想像しますが,香津美の指を見ると,ジャケ写のように決して美しい指ではなく,むしろ武骨で短く太い指です。この指からくり出される迫力あるフレーズこそ香津美の真骨調ですね。
僕が聴き始めたのは、このアルバムより多分後ですね(この作品は聴いた事がありません。正直音源を聴いてみたいです)オリーブスステップ?とかいうフュージョン作品以降です。(トチカ以降は余り聴いていませんが)その流れの中で彼はラリーコリエルやジョンマクラフリンらとギターバトルをやってどんどん世界の舞台で頭角を表していきましたね。
香津美氏のスゴさで思い出したのは、(これも大昔ですが)パットメセニーが来日したとき、PIT INNに香津美氏のライブを観に行ったそうです。彼のプレイを観てパットは、(凄さの余り??)すぐにギターの練習しにホテルに帰ったという話をきいた事があります。(あくまでも人から聞いた話ですが...笑)
私が高校卒業する頃(もう大分前の話ですが彼がサポートしていたYMOの世界ツアー後、数年経った頃だったか?)今は行方が判らない幼なじみがプロギタリスト目指して武蔵野音楽院に行ったんですが、香津美氏が講師の一員だったらしく、毎日の練習量が半端じゃないと言ってました。(そりゃそうなんでしょうねぇ)
>その延長線上にジャズギター
自分もその路線をたどろうと(気持ちだけ)していますが、全く練習しないので停車したままです。たまに出発しても脱線ばかりしています。(爆)
香津美氏、凄いんだけど純粋なジャズギターのプレイは今まで余り聴くチャンスが無かったのでおいときまして、僕が聴いて来たアルバムのうちでは、(凄いといつも思って聴いていましたが)フィーリングの部分では、少し馴染めないJinでした。
乱文大変失礼致しました。
自分もギターを弾くにしては、指がかなり短いのですが、
外人の長~い指から繰り出されるフレーズを聴いたり弾いている姿を見るたびに「反則や~」なんていつも愚痴ってましたが、指が短くても凄い人は凄いですよね。指1本少なくてもスゴイギタリストはいる訳ですから....
と、自省を込めているのでした。
(これまたつまらぬ戯言を失礼致しました)
自分の場合は,フュージョン以降の香津美氏をほとんど聴いてません。このアルバムの時代,鈴木勳氏との共演盤(http://blog.goo.ne.jp/67camper/e/1bfe589e4fe23a46a7b51ca56022d207)で聴いたのが初めての香津美氏だったと思います。
指に関しては,ほんと、JINさんタイプの指ですよね。こういう指の方が,やっぱり上手だなって実感しています!!!
渡辺香津美が凄いのは独自の運指とピッキングを編み出し、身につけていることじゃないでしょうか?
ご存じのとおり、ギターには定番のスケール運指方法があって、指が短いと苦労するパートもあるんですが、同じフレーズを弾いても態々難しい押さえ方をするパット・メセニーが凄いのと同様、渡辺香津美もまた、独自の凄い奏法を完成させていると思います。
それが唯一無二の個性かもしれませんね。
個人的にはタル・ファーロゥのように長い指と強靭な手首があれば理想だとは思いますが(笑)。
スケールは恐らくレギュラーチューニングから生まれた最も一般的な(標準的な手の大きさで対応出来る)音の配列で、誰しもが使いやすい運指になっていると思います。ところが、ブルースマンやボッサギターなんかを聴いていると(映像で見ていると)独自の運指がよく見られます。プレイヤーによっては右利きの弦配列で左手で弾いている左利きプレイヤーとかもいて、さらに変則チューニングまで入ると全く無限の運指が存在するのではと思ってしまいます。こんなに奥が深いインストルーメントも他にはないでしょうね。
プロフェッサーKAZUMIさんは、初めて聴いたのがYMOのツアー録音のものでしたが、よくあんな曲で(失礼)自由に弾きまくれるな、と中学生ながら感心しておりました。
最近You Tubeで見たものも、アルディメオラと共演してあのアルが、香津美さんのプレイにビックリした顔をしていたのが印象的です。
JAZZを演ったモノを聴いた事がないので、またよかったら聴かせて下さい!
当方はジャズから香津美にふれたので、フュージョン系の彼のプレイはほとんど聴いたことがありません。
アナログ再生装置はお持ちでないでしょうからCDで探された方がいいかもです。
簡単に香津美のジャジーなプレイを聴きたいなら、youtubeですが鈴木勳グループでの演奏がいいかも知れません。
http://www.youtube.com/watch?v=IH6zHS-mEqk