60年代、初頭のジャズメンのカッコ良さ！

Expoobident/Lee Morgan
(Vee Jay SR-3015)

　坊主頭に濃紺のスーツ、パイプドステムのパンツ、くるぶしが大きく見える短さが軽快さを表現していますよね。サックスのBDシャツにブラックウォッチ系のタータンのタイ、そして定番のサイドゴアブーツ。自分が若い頃目指したアイビースタイルの黒人ミュージシャン風アレンジである。当時ファッション誌「メンズクラブ」が「ジャイビールック」として紹介したスタイルに他ならない。このスタイルが最も似合ったのがモーガンだった。特に本日アップの"Expoobident"と"Here's Lee Morgan"の2枚は若き67camperに多大な影響を与えたジャケ写です。いくつものカットを組み合わせた"Here's"は既にアップ済みですが、detailを知るにはこの"Expoobident"は最適であり特別な思い入れがありますね。

　演奏については、"Here's"に愛すべきケリーが参加しており、人気では一歩リードを許しているのは、間違いないですが"Expoobident"の演奏も好調なモーガンがおさめられており密かに愛聴している方もおられるのではないでしょうか。メンバーはHere'sとほぼ同じでMorgan(tp), Cliff Jordan(ts), Eddie Higgins(p), Art Davis(b), Art Blakey(ds)です。"Here's"のKellyにとって変わったHigginsの好演がすばらしくタッチの弱いケリーと行った感じで聴き応え充分ですね。A面冒頭のタイトル曲の出だしからモーガンの曲芸的スラーが聴こえます。この出だしはモーガンならではですね。ジョーダンのエモーショナルなテナーも健在ですし、ヒギンズのタッチは納得です。B面のWayne Shorterのファンキーナンバー"Fire"でのモーガンのハーフバルブを駆使したソロは圧巻ですね。A-2の"Easy Living"のバラードプレイ, B-2のハーモンミュートを駆使した"Just In Time"などスタンダードへのアプローチも見事ですね。

　所有盤はVeeJayのレインボウラベルのステレオ盤です。Here'sには人気で劣りますが、当時のモーガンの好調さを如実に示した好アルバムと言えますね。