Jazz Committee For Latin America Affairs/Kenny Dorham
(FM YW-7552-RO Jp.reissue)
1950年代以降,アメリカのジャズメンは大挙して欧州に出かけ,そこで頻繁に演奏を行い地元ジャズメンと交流し欧州のジャズ発展に寄与したことは有名な話です。現代ではこういった企画はめずらしいモノではないかも知れませんが、日本にもJATPが日劇に来たり、60年代初頭のサンケイホールのイベントのように大挙して来日しジャパニーズジャズの発展に寄与したことは容易に理解出来ると思います。こういったムーブメントはラテンアメリカ方面にも向かい,後にはボサノバのアメリカ上陸を果たすきっかけになったとも言えます。本アルバムは,61年、サンバの国ブラジルを訪れた特別ジャズ使節の現地での実況録音盤です。
メンバーはセレクトメンバーでKenny Dorham(tp), Curtis Fuller(tb), Al Cohn, Zoot Sims(ts), Herbie Mann(fl), Ahmad Abdul Malik(oud), Ronnie Ball(p), Ben Tucker(b), Dave Bailey(ds), Ray Mantilla(perc)がクレジットされています。個人的にはドーハム,ズートの参加がありコレクションのかなり初期に購入したもので、今までサイドBの"It's Alright with Me"~"Autumn Leaves"~"Wee Dot"のサイドばかりを聴いていました。久々にA面を聴いて驚いたのはアーマド・アブドル・マリクのoudと呼ばれる中東の弦楽器です。彼をfeatureしたA-3の"Ismaaa"の素晴らしい音色に感激してしまいました。カーティス・フラーのワークソングを駆使したソロも聴きものですね。
所有盤はコロンビアが出したルーレットの再発盤ですが,オリジナルはFMだと思います。なかなかオリジナルも見かけない一枚かと思いますね。
なにせ62年あたりからドーハムはラテン・フレイバー漂う名曲の数々を書くし、ズートは水の合ったボサノバに嵌って心地よく吹くようになるし、マンに至ってはもうジャズなんか捨ててラテン一直線に突っ走るし、つまりはみんなラテンづいちゃうわけです。
彼らがそっち方面に目覚めた?のも、この楽旅がキッカケだったのかもシラン、だとしたら60年代のジャズの流れを変えることにもなった歴史的出来事だったのかも・・・などと想像を膨らませたしだいです。実際のところはどうなんでしょうね?
う~ん、聴いてみたい~!
60年代初頭はジャズとブラジル音楽との融合がどんどん進んで行く時代ですよね。アメリカからはこの使節,ゲッツ,C.バード、ローリンド・アルメイダ等のボッサアルバムのリリースがあると思います。反対にブラジルかもジョビン、ジルベルトの訪米がありますよね。
ご存知と思いますが,この使節のメンバーであのエピックのサウスアメリカンクッキンが録音されrたのもこの頃だったと思います。
ラテン融合の萌芽という意味ではヒストリカルな一枚かも知れませんね。
最後に恐ろしいH.N.ですね。ほかのブログにはコメントしにくいのでは・・・???